- Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047348776
作品紹介・あらすじ
療養・再装備のため、帝都へ帰還したレルゲン戦闘団。
そこで目にしたのは、死という非日常に慣れてしまった祖国の日常だった。
激烈に損耗し、閉塞感に囚われた帝国の世論は
あまりにも『勝利』を渇望してやまない。
そして新たにターニャに与えられた「無理」な仕事は、
潜水艦による敵戦隊の捜索撃滅。
秘密兵器はMAD手製の大型魚雷。
死力を燃やし尽くしてなお、その先にも暗闇が横たわる。
己に平穏を――。
ターニャのささやかな願望さえも、あまりに遠い。
出口のない戦争は激化の一途をたどる。
感想・レビュー・書評
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つらい
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九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1423384 -
膠着する東部戦線に兵を投入せざる得ない帝国は、枯渇する将兵を南方大陸戦線より抽出する。
今や唯一の同盟国であるイルドア王国も「厳正中立」を宣言する始末。
帝国後方と前線の意識乖離もデグレチャフ中佐を苛立たせる。
軍の一部で立てられている「予備計画」とは一体?
次巻に続く。 甘くなった佐藤節よりカルロ・ゼン節(笑) -
潜水艦に搭乗しての有人魚雷になって戦果を拡大したり、イルドアで観光旅行と言う名の休暇?を取ったり。
海軍のアホがアホやらかしたり。
どんどん泥沼に入り込んでいってて、戦争よりも中央に問題ありすぎるためにクーデ(検閲)、が計画されてたり。
あとどのくらいで終戦できるのかかわいそうな状態。
そしてその終戦すらもう……。
これだから戦争は。 -
イルドア訪問により平和の心地よさ(居心地の悪さ?)を存分に味わったターニャ。いよいよ帝国ではクーデター勃発かな?
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どんよりとした雰囲気が帝国に充満している。それを無視するように、政府は戦争を進める。戦いたくない軍と、帝国の勝利に酔っている政府はこれからどうなるのだろう。ストーリーはゆっくりとじわじわと進んで行くので気長に見るしかない。
政府がイルドア侵攻を進めているところで今巻は終わるが、軍がこれからどうするかが一番近い問題だ。政治を握ったりするのかな。
間間に違う地域の話を混ぜないで、次の巻では政治関係をどんどん進めてほしい。今のままではほのぼのと見れる小説になってきた。もう9冊も読んでいるので、著者の書き方がわかっているのもあるが、飽きないうちに先に進めて終わるのが美しいだろう。これから劇場アニメもやって、TVアニメもやるのでそうもいってられないのだろうが。
今巻はほぼ出なかったが、カラーページでのメアリーを見ると、著者はイカれた兵士としてメアリーを描きたいのかと思った。狂戦士として描くにはもっとブッ飛ばさせて、それこそターニャのように見た目との乖離を魅力にする描き方をした方がいい。そうすると嫌なやつにならない。ドレイク目線ではなくて、もっとメアリー目線で感情を書くべきだ。 -
負けている訳ではない、しかし、勝っているとも言えない。そんな状況で時間は確実に自らの敵となっていく。この戦争をどのような形で終わらせていくか。その難しさがにじみ出ている本書。考えさせられる。
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東部戦線から帝都に戻り、サラマンダー戦闘団=レルゲン戦闘団は部隊の再編を図る。
歩兵、砲兵は軍港駐屯地へ、機甲部隊は帝都付近の演習場へ、ターニャを含む203航空魔導大隊は、狂気の人間魚雷兵器V-2を受領し、南方大陸撤収作戦の支援に向かう。
潜水艦に便乗したターニャらは連合王国艦隊と戦闘となるが、敵戦隊をほぼ壊滅状態に追い込む。
その後、同盟国イルドアへ入港し、観光しながらイルドア縦断鉄道にて帝国へ戻る。
平和で物資が充足したイルドアを見ながら帝国との差を感じるターニャ。
戻った帝都では、ルーデルドルフ中将、ロメール中将と交流を温めながら、現状を嘆く。