シャバの「普通」は難しい 01

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 85
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047351103

作品紹介・あらすじ

監獄育ちのエルマは恩赦によりシャバに「釈放」させられる。
王宮付き侍女となったエルマは、母の言いつけ通り「普通」の少女を目指すが、
その常識外れな能力や行動は、やがて王宮全体を揺るがしていく。

四人が一日かけて完遂する仕事を午前中で終わらせ、
紅茶を淹れれば、天から祝福される美味となり、
巨大マグロを一太刀で解体し、
回復魔法より難解な外科手術もお手の物。
――これくらいシャバでも「普通」ですよね?

「普通」を目指すわけあり少女の、うっかりシャバ無双物語、開幕!

感想・レビュー・書評

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  • ルーデン王国の監獄を支配下に入れた高級娼婦のハイデマリーらつわものたちは、理想の環境を創り上げ、ハイデマリーの娘エルマをとんでもない女子に育て上げる。シャバの普通を知るために、ルーデン王宮の侍女になるが、超人級の仕事を成し遂げて、王宮の人々の信頼を得てしまい、佞臣まで暴きだしてしまう。エルマにとって普通て無理かな。まあねえ、痛快な話のようでもあるし、あざとい話のようでもある。

  • 先だって読んだ『貴腐人ローザは陰から愛を見守りたい』の中村本。ローザが読みやすかったので、他になにかないか探してみると、どうやらこちらの方が看板のようで、よく売れているみたいです。
    ワケアリの監獄で育った異常スーパー美少女が王室のメイドとして、普通な女の子になるために努力をしていく、という話。まあ、厨二な感じでとても楽しいです。普通ってナニ?、平凡、平均値モンスターに挑む(笑)。そして、ローザでも思ったが、やっぱり美しい人ばかり出てくるので非常に和みます。

  • 監獄育ちのエルマは母親の言いつけで『普通』になるため、王城で侍女として働き始める。
    エルマの人間離れした能力の秘密、そういうわけだったんだ。本人は知らないみたいだけど。
    王城の人達がみんないい人ばっかり。なんだかんだ言いつつエルマを認めて受け入れてくれる。だからこそ、エルマも『嫉妬の姉』にかけられていた洗脳を乗り越えて、王城に残る決心をしたんだろうなぁ。
    エルマの母親もいいキャラしているよね。
    全部を見通している感じで。

  • WEB版既読。監獄で育った少女が「普通の女の子」を目指す。いろいろと規格外なエルマの無双っぷりが気持ちいい。生い立ちを知っていくにつれ、エルマなら何があってもおかしくないと思えてしまう。やっぱり「モーリッツ、カモン!」だな。搾りたてのミルクで頂くお茶はおいしいだろうなぁ。

  • なろうで見かけて面白く拝読。絵師の村カルキさんはpixivなどでも有名な方ですね。
    正直この表紙を見てエルマの外見が完全にブラクラのロベルタで固定されてしまいました。
    内容は監獄生まれのエルマが恩赦で釈放、メイドとして雇われた王城で「普通」をめざすも、本人の思惑とは裏腹にチート無双し続けて信者を増やしていく……というもの。
    とにかく八面六臂の大活躍なエルマが痛快です。
    才能や地位を鼻にかけた敵役が出てくる→エルマをライバル視→彼女に完敗して改心……というある種お約束の展開が続くのでマンネリと思う人もでるかも。
    ですがキャラ同士の掛け合いがコミカルでテンポよく、サクサク読めます。
    主人公のエルマのみならず端役脇役悪役に至るまで、憎めない個性を発揮したキャラ立ちはさすが。特に舞踏会でのすれ違いに笑いました。幕間に挿入されるママンと大罪のチェスシーンもお気に入りです。

    気になったのは、唐突な現代用語の出現。
    インフォームドコンセントやカウンセリングなど、ファンタジー世界には存在しない単語が当たり前の如くポンポン飛び出すのでそこで冷めるというか面食らうというか……フランスやドイツ、イギリスなど、現実の国をモデルにした架空の国名を出すなら、いっそカウンセリング等に相当する造語を創作しちゃうとか、もうちょっとひねって良かったと思います(なお薄い本はネタなので気になりませんでした)
    そのギャップがいいって読者もいるし、している行為や着眼点自体は良いので惜しいなという印象です。

  • 監獄で生まれ育った少女がそこから出て、世界の常識を知る話。

    「シャバってこんなしあわせなの!」
    ではなく、
    「監獄ではこれくらい普通にしていたのにシャバではここまでしないの!?」
    と、いった感じ。

    最後にどんでん返しを持ってきた感があるが、別にそこまで驚くことでもなかった。
    母が自分の管理できる監獄からなぜ娘を出したのか、という話も、最初から言っている通りの理由のまま。
    なのに、主人公の育ての父達はその母の気持ちを理解できずに拗ねているのでもう少し育ての親たちを大人な視点から発言できるキャラに作り上げてほしかったと感じた。

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著者プロフィール

2016年『無欲の聖女』を出版して以来、『神様の定食屋』『地獄の沙汰もメシ次第』(双葉社)、『シャバの「普通」は難しい』『貴腐人ローザは影から愛を守りたい』(KADOKAWA)など多数手がける人気作家。圧倒的な登場人物の魅力と、爽快感あふれる展開に、読者から熱烈な支持を受けてやまない。Twitterアカウント @satsuki_nkmr

「2022年 『白豚妃再来伝 後宮も二度目なら 二』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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