リアデイルの大地にて (1)

  • KADOKAWA (2019年1月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (392ページ) / ISBN・EAN: 9784047354692

作品紹介・あらすじ

事故によって生命維持装置なしには生きていくことができない身体となってしまった少女"各務桂菜"はVRMMORPG『リアデイル』の中でだけ自由になれた。そんなある日、彼女は生命維持装置の停止によって命を落としてしまう。しかし、ふと目を覚ますとそこは自らがプレイしていた『リアデイル』の世界……の更に200年後の世界!? 彼女はハイエルフ"ケーナ"として、200年の間に何が起こったのかを調べつつ、この世界に生きる人々やかつて自らが生み出したNPCと交流を深めていくのだが――。
書籍だけの特別短編『職業参観の顛末』を収録!

感想・レビュー・書評

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  • 素朴で温かい。だけど、どこか寂しげな味わい。

    小説投稿サイト「小説家になろう」初期を支え、『ログ・ホライズン』などと共に「異世界転生(転移)」系作品の嚆矢となった作品です。
    見覚えがあるなと思っていたら、連載開始から十年近く経った今になっての書籍化とは驚きました。

    直前まで主人公が遊んでいたすごいゲーム「VRMMORPG」に意識のみが飛ばされたはずなのに、けれど現地は現実と何ら変わりない人々が生活を営む異世界と化していた――という、舞台設定はもはや御馴染みですね。

    けれどお約束、テンプレが無い時代、むしろこの作品が試行錯誤しながら切り拓いていった展開ということもあって意外と新鮮に読めました。

    ジェネレーションギャップによる常識の違いによって騒動を巻き起こしたり、遮る障害や敵なんていないぜって勢いで物語を進める最強主人公だったりと、そういったお約束の原点の中におっこれはって光る着眼も見つけました。
    やはりパイオニアは強い。

    ただ、退路を断つ意味もあるのですが、現実世界では自分が死んでいることを納得するのが早かったり、たぶんこれが結論なんだろうな、って早々に割り切ってメタ的にもこれが正解と思わせるところに「ん?」とならないでもないです。

    また、物語を彩る飾り気もあまりありません。
    世界観はオーソドックスなファンタジーそのもので、把握はしやすい一方、独自要素は比較的乏しいです。
    主人公は四〇〇〇に渡るスキルをすべて網羅しており、大体なんでもできるんですが、実用重視でネーミングも素っ気なく派手さがないです。
    また、過程をすっ飛ばして発動するので他者に伝える再現性がないのも、将来的に見ると世界観の広がりとして厳しい。

    一方、同郷の仲間もいないのに、最強のまま二百年後の世界に取り残されてしまった主人公の孤独感と、生まれてからずっとあきらめ続けていた寂しさはこの上なく伝わってくるな、と感じました。

    歳相応の楽しみさえ満足に得られなかった病弱な少女が、実感を得られないとはいえ子や孫を得て、素直に自分を慕ってくれる人々に囲まれて、とその辺りの温かみは無二のものであると思います。

    主人公は桁の違う強さを持っていることもあって知るものからは超越者として畏怖される一方、その辺を自覚しているので表舞台に立つつもりもない奥ゆかしさを兼ね揃えているので嫌味はありません。
    本当に等身大の、少し世間知らずで強いお嬢さんなんですよね。

    つまるところ。ノリは微妙に古いんですが、どこか懐かしく噛み締めたくなる、飽きの来ない味わいある小説です。
    例えるならお砂糖をまぶしたリッチなパンではなくて、素材を活かしたリーンなパン。
    扉絵でクマを蹴り殺す勇姿を見ただけでああ帰ってきたんだな、おかえりなさいとしみじみと感じられました。

    一応暫定的な目標もあって、続刊では世界に迫る脅威も書かれることになるのでしょう。
    とはいえ私自身、ここのところ派手な展開と設定に慣れ過ぎていたのかもしれません。

    そこを自由に歩くというだけの解放感、青空の下を駆けまわるという希望をストレートに書き上げ、物語の最初の原風景を見せてもらえた、それだけで十分な気もするのですから。

  • 主人公も作品ものんびりな感じが個人的にはとても好き

  • 病院で寝たきりだったはずなのに、いつの間にかゲーム世界に居たという話です。

    ゲーム世界ではトップレベルの廃人で、そのスペックのまま、ゲーム世界(ただし、ゲーム時より数百年経過)に転移していたため、時々そのスペックをフル活用して無双して生活します。

    戻る方法もわからないので、目覚めた村を大改造したり、冒険者として護衛任務を行ったり、里子に出していた里子とその孫たちと出会ってみたり。

    護衛任務途中で他のプレイヤーの可能性を見つけたところで1巻は終了です。

    この作品は先にコミック版から読んでいて、小説版に手を出して、アニメを見てという順番でした。

    スキル使う無双系だけど日常を大事にする冒険モノは好きなんですよね。

    主人公であるケーナにはナビシステムが付属しているので、何かあればナビシステムが解説役をやってくれるので、右も左もわからないという話じゃないのも、良いですね。

    放り出し系も嫌いじゃないですが(アラフォー賢者の異世界生活は放り出し系だけど、本人の考察力が高い)、日常系で無駄に無双するのは楽しくて良いです。

    真面目な話もそれなりにありますが、ほんわか日常のコメディ系ですね。

    あとの巻になると、一気にシリアスの雰囲気になったりしますが、この巻だとまだふんわりとした雰囲気です。

    里子に出した子どもたちの言動が楽しくて良いです。特にスカルゴ。身内に居るとくっそめんどくさそうですが、傍から見る分には楽しいです。

    この作品はハマりにハマってチビチビ読もうと思ってたのに一気に読んでしまって、寝不足等で危なくなったので、ほんとに時間があるときしか読み進めることができませんでした 。

    非常に面白いのです。

  • 設定や導入の部分は嫌いではないけれど、物語全体としての方向性とかが曖昧で目的なくダラダラ続いているような印象になってしまう。

  • ウェブでは楽しんだ作品でした。懐かしいです。
    でも内容はほとんど忘れてるので、あらためて読めて嬉しいです。

    今はコミカライズの方でも楽しんでます。
    進捗はちょうど同じくらいかな?

  • ゲーム世界に取り込まれる類の作品ってジャンル的に異世界転生系に含まれるのかどうかイマイチ判らなかったりする

    何はともあれ、生命維持装置が必要なレベルで衰弱していた主人公のケーナがいつの間にかゲーム世界に入り込んでいたシーンから物語は始まるのだけど、特徴的と言えるのはそのゲーム世界が以前プレイしていた頃から200年経過している点だろうか。しかもプレイアブルキャラクターなどは居なくなり、全てが元NPCによって回されているものだからスキルなどの使用法は退化していると。
    その中でついさっきまでの光景のように200年前を知っているケーナは特殊な立ち位置となっていくわけだね
    と言うか、このケーナという少女がなかなかの曲者。病院に居たという過去から病弱少女と思いきやゲームをかなりやり込んでいたせいで恐ろしく強いのね。レベルは限界突破上限まで上げ、更にスキルは全て修得済みという恐ろしい状態。そして、ゲームとしてプレイしていた時代とスキルが退化した現代のジェネレーションギャップを理解していないものだから、ひょいっと周りの度肝を抜くような行動をしてしまう。
    それは読者からすれば非常に面白い光景だね

    200年も経っていてプレイアブルキャラクターが居ないとなれば知り合いの居ない寂しい生活を送るしか無さそうだけど、そこもまた里子システムという特徴的な設定で補完している。
    里子として出したNPCが最初に訪れた国の中枢を握る存在として成長していたというのはちょっとご都合主義的なものを感じなくはないけど、それによってケーナは一人にならずちょっと賑やか過ぎる日々を過ごすことになる展開は良いね
    まあ、本人はサブキャラクターとして作成したNPCを里子に出しただけだから、第一巻の時点ではそれほど母親としての自覚があるわけではないようだけど

    物語の傾向としてはスローライフ系?強い敵や危機的事態は起こらない代わりに日常の延長線としての穏やかな日々を描きつつも冒険者としての依頼をこなしていく感じかな
    終盤から始まった北のヘルシュペル国への旅程の中で少々血腥い事が始まりそうだけど……

  • 200年後の未来 という帯に惹かれて購入。異世界転生系の走りらしい。
    内容はそこまで盛り上がることも意外な事も無く淡々と進んでいく感じて物足りなさを感じた。

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