むすぶと本。 『さいごの本やさん』の長い長い終わり

  • KADOKAWA (2020年6月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784047361829

作品紹介・あらすじ

店主の急死により、閉店フェアをすることになった幸本書店。そこに現れたのは、故人の遺言により幸本書店のすべての本を任されたという都会から来た高校生・榎木むすぶ。彼は本の声が聞こえるという。その力で、店を訪れる人々を思い出の本たちと再会させてゆく。いくつもの懐かしい出会いは、やがて亡くなった店主・幸本笑門の死の真相へも繋がってゆく――。“本の味方!”榎木むすぶが繋ぐ本と人のビブリオミステリー。

みんなの感想まとめ

本と人との絆を描いた心温まる物語が展開されます。主人公の高校生、榎木むすぶは、閉店を迎える幸本書店で本の声を聞きながら、訪れる人々と共に思い出の本を再発見していきます。物語は、店主の急死という衝撃的な...

感想・レビュー・書評

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  • 作者の野村美月さんが育った東北の地方都市には、かつて書店がたくさんあり、特に一番にぎわっていたのは、駅の近くのアーケードにある三階建ての書店だそうです。
    東北で一番。日本で一番の本屋さんなんだぞ!と心の中で自慢していたそうです。
    だからその書店の閉店を知ったときは、信じられず泣いたそうです。
    この幸本書店の物語りを書きながら、ずっと幸せしかなかった。その空間を思い出していたそうです。

    この本は作者が書店と本が好きだという想いがとてもよく伝わってきます。

    幸本書店の三代目の店長の笑門さんが仕事中に亡くなるというショッキングな出来事からこの物語は始まりますが、最後は亡くなった笑門さんが、心から本と皆を愛していたことが改めてよくわかります。


    以下ネタバレなのでお気を付けください。

    一冊の図鑑で人生を変えた道二郎さん。
    長い年月を経て本によって結ばれた彬夫さんと瑛子さん。
    古い『かもめ』と新しい『かもめ』の二冊の本を胸に凛然と進む女優のアスカさん。
    笑門さんが選んでくれた『ゾロリシリーズ』を今も買い続けている中学生の広空くんと颯太くん。
    『緋文字』のディムズデール牧師に自分の罪を重ねて苦しんでいた作家の田母神さん。
    笑門さんにアランの『幸福論』を処方してもらったアルバイトの水海さん。
    そして、笑門さんに、本たちをまかされた、本のことばがわかる高校生の榎木むすぶ。

    そして笑門さんのたおやかな笑顔。

  • 野村美月「むすぶと本。『さいごの本やさん』の長い長い終わり」 消えゆく街の本屋への追悼|好書好日
    https://book.asahi.com/article/13755423

    野村美月|note
    https://note.com/harunosora33

    nezicaplant
    http://www.nezicaplant.com/

    むすぶと本。 『さいごの本やさん』の長い長い終わり 野村 美月:文芸書 | KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322004000139/

  • 町に一軒だけ残っていた本屋、河本書店がある日店長の不慮の事故死により閉店することになった。
    最後の閉店セール期間中、客たちに自分の想い出の本を持ってきたり、店でポップにコメントを書いたりすることを呼びかけると、これまでで一番と言っていいくらいの賑わいを見せる。
    子供向けの本という印象ながら、書店の店長、幸本笑門さんはじめ、本と会話ができるむすぶや、幸本書店にゆかりのある本好きな人たちを巡る短編がたくさん描かれていて、心暖まるストーリー。
    "幸福論"を読みたくなった。

    本屋さんにはなくなってほしくないと思いながら読了。

  • 本の声が聞こえるむすぶと幸本書店に訪れたお客さんとの話です。
    幸本書店の閉店フェアにそれぞれが思い出の本を持ち寄りポップを書いて行く。
    その中で訳ありなお客さんがいて…
    このラストにきっと涙します!

  • なんだろう…もったいない。本の声の聞こえる「むすぶ」と、突然亡くなってしまった、心優しい店長の死の真相…、うまく言えないんだけど、やたらに店長が幸薄いのも、盗作を責めない事に責められて死のうとするのも、女優を目指して上手くいかないのも、ひとりひとりが薄いキャラクターで無理矢理感が半端ない。詰め込み過ぎてるのか、読んでも腑に落ちないモヤモヤがすごく残る。私には合わなかった。

  • 書店でこの本の紹介ポップを見た時に郡山の駅前にあった某書店が話の舞台のモデルになっていると書いてあり妙に懐かしい気持ちになり迷わずに即購入してしまった。作者の野村美月さんが福島県出身と言うのもありました。
    物語の主人公である高校生のむすぶ君は本の声が聴こえるという何とも羨ましい特殊能力?があり1冊の本の中の女の子を彼女と呼びたまに人前でも会話をしている。周りの人には独り言を言っているように思われる(笑)
    そんな主人公むすぶが街で最後の1軒になってしまった。書店の最後の営業日の様子やきっかけになった悲しい出来事の真相を本の声を聴いたりしながら明らかにしていくといった興味を惹かれる内容だった。最後の営業日にお店に訪れる書店の常連客の店長との思い出など心が暖まるような内容になっていて良かった。
    自分にも本の声が聴こえたら今以上にもっと物語を読むのが楽しくなるのだろうと想う。ナツさん、笑門さん、兼定さんの表紙の絵もいい感じです。簡単な感想にしたいと想います。 

  • 初めて読んだ作家さんでしたが、面白かったです!
    本の声が聞こえる青年と本屋の店主の謎の関係、水海さんの思いなど、結構ぐっとくる場面が多い物語です。
    作者さんが福島出身と書かれていたので、手にとってしまいました。

  • ある町の最後の本屋の店主が死んだ

    店主を失った本屋は閉店までの間に
    この本屋に思い出を持った様々な客が訪れ
    思い出の本のPOPを飾っていく。

    本と話すことができる少年が
    その書店を訪れる人々と本の物語を
    読み解いたとき
    今まで見えていなかった真実を知る。

    あたたかさの中に鋭利な刃物が忍ばされた物語。

  • 図書館で借りた本。かつては賑わっていた駅近くの町の書店の閉店が決まり、3代目の店主は時代の流れを静かに受け入れながら閉店までの期間を過ごしていた。だが店主の笑門は突然の事故で亡くなったしまう。そこに書店を相続したという高校生の男子が登場し、閉店までの書店で春休みバイトとして働く事に。この高校生は本と話ができる能力があり…という話だが、書店を通じて出会った客と本の思い出話が号泣しながら読める話のオンパレードで、紙の本が好きな人はぜひ読んで欲しいと思った本。

  • 初読み作家さんでしたがとても素敵なお話でした。店主の死でお店を閉めることになった本屋さん。舞台が書店なので出てくる方は基本的に本好きばかり。思い思いに別れを惜しむ姿にグッとくるものがありました。ゾロリ懐かしい。本屋さんって、紙の本って良いなぁと改めて思いました。そして謎のキャラむすぶくん。もう1冊シリーズが出ている(そちらが最初?)ようなので気になります。

  • 幸本書店。本も人も幸せな本屋さんでした。本を愛する人たちに是非紙の本で読んでほしい1冊。先にこっちを読んだので、疑っていたけども、本の声が聞こえる男の子むすぶの力は本物らしい。

  • 幸本書店も笑門さんも素敵!
    こんな本屋あったら通いたい。

  • 町の最後の本屋さん
    その店長が不運な事故でなくなった
    店は閉店することに
    その前に1週間だけ本屋を開けることに
    バイトの円谷水海が準備をしていると、遺言で店長に残りの本を任せると言われた男子高校生むすぶがやってきて,,,
    初めて会う、しかも自分より店長との付き合いが短い彼になぜ店長は任せたのか、
    イライラする水海にむすぶは言う
    自分は本と会話ができると

    感動させる的な本だなぁと引いて読んでたのに、泣いたー
    悲しいじゃなく、優しくて
    あまりに優しくて泣いた

    そして東北の震災は、当事者の方々にとってまだ終わってないんだと実感する
    もう11年
    まだ11年
    誰かの心に寄り添う
    本は必要だ

  • <学生コメント>
    私の大、大、大好きな作家さんを紹介させて下さい!
    野村美月さんという方で、“文学少女”シリーズが有名です。この作家さんの紡ぐ文章は透き通っていて、水のように清らかでそこが好きなポイントの1つです。こういう文章を書く人いそうでいない、唯一無二。読んでもらうと野村さんが本を愛しいているのがおわかりいただけるでしょう。実在する文学小説、児童書、絵本などが題材になっているので、本好きにはたまりません。本当に素敵な作品を書かれる方なので読んで下さい。お願いしますね!

  •  地方の町の最後の1軒だった本屋さんが閉店することになった。店主が亡くなったからだ。
     アルバイトの水海は、慕っていた店主のために、閉店フェアのイベントを考えた。それは店主の友達の作家のデビュー作『かのやま書店のお葬式』と同じシチュエーションで別れを惜しむというものだった。
     その作家にも来てもらいたかったのだが、何故か彼はこの町に帰りたくない様子だった。店長との間に何かわだかまりがあるのだろうか。

     店長の友人と名のる高校生むすぶが、東京からやって来た。本人は本と会話ができるようなことを言っているが、水海には信じられない。でも、むすぶは本に話しかけていた。「誰が笑門さんを殺したの?」と。


     ファミ通文庫でも、むすぶ君が活躍しているのですね。

  • 良かったけど、期待が大きかったかなぁー。、

  • 本の声が聞こえるむすぶ君が閉店間際の書店にあらわれて書店ゆかりの人々と本の絆を示すお話。
    なんというかむすぶが人々の真実の想いを語る様は、文学少女の遠子さんが事件の真実を語る姿を彷彿とさせて懐かしかった。
    でも本という証人の声を聞くことが出来るむすぶは探偵としては強力だな。

    そして客観的に見れば辛い人生を送ってきたと言える笑門さんの優しさに泣きたくなった。
    本屋さんがなくなると言う事は悲しい出来事だけど、その最期がこんな笑顔に包まれていたのなら、それは幸せなのだろう。
    そんな一冊。

  • 町で最後の書店「幸本書店」が店長の突然の死によって閉店することになった。
    遺されたバイトの店員たちは最後の一週間、閉店フェアをすることにした。
    お客さんたちに書店や本の思い出をポップに書いてもらってお別れをしてもらうのだ。
    そんな準備に忙しくしていた店に、突然、亡くなった店長から本を託されたという少年が現れる。
    不思議な少年と、書店にやってくるお客さんたちの本と店長との思い出を描いた連作短編集。
    お客さんそれぞれの思い出が切なかったり暖かいものだったり。思い出の本の紹介にもなっていて
    その面でも楽しめる。
    店長と関わりのあった作家が新たな一歩を踏み出して行くのが良かった。

  • 「『ほろびた生き物たちの図鑑』は待っていた」
    いつか買いに来る。
    贅沢品を無償で読ませてもらえる有り難さに、いつか恩返しをしたかっただろうが中々難しい約束だったろう。

    「『野菊の墓』のヒミツの名前」
    二人の出会いとは。
    時代が違っていたら勇気を出して話しかけて、そこから関係が少しずつ変化していっていたかもしれないよな。

    「『かもめ』の誇り」
    夢を叶えるために。
    自分のことばかり計算して考えているからこそ、相手の反応のパターンなど想像すらしていなかっただろうな。

    「『かいけつゾロリのなぞのうちゅうじん』と、ずっとずっといっしょ!」
    怖いを消したのは。
    子供でも読みやすいだけでなく、コミカルで引き込まれる作品だったからこそ楽しいで埋め尽くされたのだろ。

    「『緋文字』の罪」
    罰せられない罪に。
    たった一言伝えることが出来ていれば、一生かけても償いきれない十字架に張り付けられることもないだろう。

    「『幸福論』の仄かで確かな効用」
    何かが起こる度に。
    不安要素を取り除くことが出来る儀式ならばいいが、それをすることにより心配事が増えるのなら意味ないな。

    「ぼくが出会った『長い長い郵便屋さんのお話』」
    真実は本だけ知る。
    初めて見つけた同じ力を持つ存在だったからこそ、気軽にいろんな想いを伝えることができていたのだろうな。

  • 町で最後の書店【幸本書店】の店主が本棚の整理中に脚立から落ち死亡したことで閉店することになった。店主の遺言で榎木むすぶに書店の本を任せるとあった。本と会話できる榎木は店内に笑顔あふれる閉店フェアを成功させることができた。本と人との出会いって本当に素晴らしい。

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著者プロフィール

合唱王国福島出身。春の夕暮れに生まれる。幼いころから読むこと、書くこと、眠ることが大好きで、作家を目指す。作品に「文学少女」シリーズ、「むすぶと本。」シリーズ、『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』(いずれもファミ通文庫)などがある。

「2021年 『世々と海くんの図書館デート(5) 春めくきつねは、つりばしにゆられて、あのこに会いにゆきます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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