- Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047362673
作品紹介・あらすじ
宝石やアクセサリーが好きな女子高生ルリが、山へ川へ洞窟へ、鉱物採集の世界に飛び込んでいく。
第1巻では、水晶、ガーネット、黄鉄鉱、砂金、蛍石など多数の鉱物が登場します。
パニング皿、ハンマー、地形図など、専門的なツールを用いた採集シーンも魅力満載。
鉱物学を修めた作者の確かな知見に基づく、本格サイエンスアドベンチャー!
感想・レビュー・書評
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宝石大好き女子高生の漫画『瑠璃の宝石』 作者はかつて理科の先生だった! | ananニュース – マガジンハウス
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ビギナーにもなれなかった私にとってこれは嬉しい漫画。
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地学部の生徒から推薦されて読みました。
宝石に目がない女子高生が、ひょんなことからであった岩石を研究している大学院生とともに、山や川で鉱石採集をする話。
どうしても宝石店で買い求めるしかない、自分の住む世界とは別の世界の話、という印象が強い「宝石(水晶や金(砂金)、蛍石など)」が、実は身近に存在しているということは刺激的ですし、思わず自分でも採掘しに行きたくなってしまいます。
「岩石」に興味がなかった主人公が次第に自然や地学の魅力に気づき、積極的に調査に取り組むようになる様子は素直に応援できますし、最終のためのマナーなどについても言及があることは良いと思います。
一方で、安全配慮についての視点が少し弱いようにも感じます。エピソードのなかでは廃坑に採集に向かう場面がありましたが、落盤跡から坑道内に落下する(しかもパーティー3人全員が)シーンがあり、「実際に身近に宝石はあり、取りに行くことができますよ」という一貫した作品のイメージの中で描くのであれば、この場面では「正しい救助の呼び方、対応の仕方」などを紹介して欲しかったな、と思います。 -
高校地学で鉱石の成り立ちを興味深く聴いていたことを思い出しました(読むまですっかり忘れていたけど…)。
専門的なこともわかりやすく描かれていてどの鉱石の話も面白かったですが、主人公のキャラがかなり苦手なタイプで架空の人物なのにゲンナリしてしまいました。
そんなキャラクター描写にハマれないこともあって、ストーリー全体の展開としてはちょっと微妙に感じてしまいました。
鉱石そのものや採石の話が好きなら、そこらへんを抜きにしても面白く読めると思います。 -
ハルタらしい題材を扱った良作。研究におけるフィールドワークの地道さをちゃんと見せてくれるのはよい。
ただそれ故にお色気要素がちょいと邪魔。あって盛り上がる物語も当然あるけど、残念ながら本作ではマイナスに働いてしまい、本書の良いところを隠してしまっている。 -
初心者向けに分かりやすく鉱物について描かれていて一見知的な漫画であるが、谷間を強調していたりパンチラしていたりという描写が若干気になるところ。学術的な絵柄であって欲しい…(テーマ性はとても評価できる)
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地球は大きな宝石の珠、綺麗であるから奥深い。
「瑠璃色の地球」なんてフレーズがあったりしますが、それは地球の青さを伝えてくれたユーリイ・ガガーリン以来のこと。地球の美しさを捉えるための試みはいくつもあって然るべき。
というわけで視点を変えてみましょうか。
一見静謐に水を湛えている惑星「地球」の姿だって、地殻の変動、マントルの対流は何千何万何億年というダイナミズムをもつ雄大さや半径6,371kmに及ぶ大きさに比べれば薄化粧のようなものです。
けれど、人間五十年のタイムラインとはかけ離れ過ぎているからこそピンと来ない。
それに、地理地学なんていったって、社会科では失礼ながらいささかマイナーになってしまう分類です。
では、宝石ならいかがでしょう?
宝石の美しさは人が見いだすものだけど、磨かれる前ですら美しい原石を生み出してきたのは地球の活動に他ならない。金銭的価値も追いかけつつ、先に取り上げた地球の美しさを見つけていきましょう。
即物的、俗物的と言われようが、探求の原動力になるのなら欲望は肯定されるべきですね。
というわけで、この『瑠璃の宝石』といういくつもの「意味合い(ミーニング)」を内包するタイトルにおいて、ひとつめの意味合いをなす主人公「谷川瑠璃」にご登場願いましょうか。
彼女は欲望に忠実な行動派、喜怒哀楽が激しくてリアクションが激しい、そんな子です。
それと忘れていけないのは一般的な女子高生らしく地学、鉱物学には無知ということ。
言ってしまえば、読者の視点に立ってくれる学習漫画で言うところの「生徒役」ですね。
生徒役がいるのならば、当然「先生役」がいるわけで、当然そちらの説明も欠かせません。
よって、先生役を担う「荒砥凪」さんについて追っていきます。
彼女は冷静で面倒見がいい大学院生、無鉄砲にも宝飾用の水晶欲しさに山に飛び込んでいった瑠璃とたまたま出会うや、ここで会ったもなにかの縁と色々案内や説明をしてくれます。
凪さんは常に泰然と控えていて年長者として未熟な瑠璃のことを導きます。
時にやわらかな諫めの言葉をもってうまく瑠璃のことをコントロールしてくれます。
現時点での瑠璃はややわがままに独走しがち(場数を踏んだ二巻以降は改善していきます)ということもあって、読者にとってはやや鼻に付くため、その辺できちんとバランスを取っているのかな。
以上、生徒役と先生役のふたりペアを中心としつつ、この巻ではデスクワークを中心に活動する凪の後輩「伊万里曜子」という三人目を加えます。
フィールドワークという外向きの活動に積極的な瑠璃と消極的な曜子の対比と、それを中間の位置から俯瞰して結論を出す凪さん、漫画を回す上でいいトリオ構成だと思います。
連載の進捗次第ですが、現時点では徹底的に人物を絞っていることからもわかる通り、良くも悪くもシンプルな作りになっているのかなと私は思います。
凪さんに連れられた瑠璃が採集に繰り出す範囲も県単位を跨ぐなど広いんですが、家庭内での折衝とかも省かれているようですし(将来的に触れる可能性はなくはなくとも、テンポの問題で重要でないのか)。
ちなみに本作の絵柄については表紙からもわかる通り、等身的にはリアルとデフォルメの中間といった感じで、わりと下半身をどっしりとさせて線にも乱れはない安定感のある筆致だと思います。
そういう見方もあるのかと思わなくもないですが、それほどセクシャルな印象は受けませんでしたね。
確かに凪さんは表紙からもわかる通り、いわゆる巨乳なので腕組みも似合い、バストアップのコマでも存在感を放ちます。夏が舞台なので、瑠璃は川辺ではしゃぎますし、言われて初めて気づきましたが結構派手にパンツを見せます。
個人的には凪さんがポーカーフェイス過ぎる。それと瑠璃が女子高生というよりあどけない童女の印象が強く、特にもうちょっと年齢を落としても良かったのかもしれないと思いますがまぁ野暮な見方ですね。
現実に即すか、絵と割り切るかのどちらにも寄らず、上手く漫画という媒体に落とし込んでいるという意味でとても素敵な作品だと思います。
あくまでこの漫画の主役は宝石や鉱物を手にした/目にした際の感動と、前後してやってくる学術的な講釈にも援護された知的好奇心のうずき、胸の高鳴りこそがこの漫画の本体なのだと考えたりもします。
長セリフを上手く抑えつつ、図解などの挿入も巧みで説明に偏るコマ運びになっていないのは確かです。
話の合間に挿入されるミニコラム「凪の小道」なども一ページで個々にまとまりすっきり読めますし。
もっとも、採集用具の使い方の講釈は全き素人である私としてもよくわかる反面、素人目でも瑠璃の装備が採取採掘現場に赴くにしてはちょっと心もとない部分もあったりで気にならないところもなくはなく。
とは言え、真面目な採集者には怒られそうな一方、闊達に動く瑠璃の姿を介してひと夏の冒険としての絵面の完成度は上がっているので難しくも、面白いところです。
構成としては、まず最もありふれていて身近な宝石「水晶(石英)」を皮切りに、ガーネット、砂金といったわかりやすく価値が見えるもので、ポンポンと成功体験を稼いでくれるのが見どころですが。
その合間に「黄鉄鉱」や「蛍石」といった聞き覚えはあるけれど、具体的な性質を挙げろと言われたら門外漢には少々難しい鉱物を挟んでくるのが、また興味を誘ううえでの巧みさだと気付いた次第です。
「愚者の黄金」なんて意地悪な異名でも知られている黄鉄鉱ですが、この漫画ではその呼び方を出さずに黄鉄鉱ならではの魅力を打ち出す方向に舵を切っているのも嬉しいポイントかも知れません。
私もここで綺麗なものに触れること、未知を知っていくこと、その両方が嬉しいことを知りました。
そんなわけで二巻は『瑠璃の宝石』というタイトルにガッツリ踏み込むべく、青い宝石「サファイア」の採集調査に早くも踏み込むようです。ここ一巻で基本を押さえたからこそ見えてくるものがある。
ということで、手に取る機会がありましたら一巻、二巻をぜひとも合わせてお楽しみください。 -
金だと騒いだ黄鉄鉱が・・・フィールドワークでは誰もが通る道か。
あとガーネット大きすぎかな。数ミリ程度なら結構ある感覚。