隙間 2 (ビームコミックス)

  • KADOKAWA (2025年2月12日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (282ページ) / ISBN・EAN: 9784047381490

作品紹介・あらすじ

 埋まらない恋の隙間と、国と国の隙間。政治と民衆の隙間。日々、迷い悩み翻弄されることは多いけれど、生きることの根本の愛おしさを信じる。高妍さんの紡ぐ物語にはいつもそれがある。だから、好きだ。
ーー江口寿史(漫画家/イラストレーター)

「琉球と台湾の歴史って、似てると思うんだ」
留学生として沖縄での暮らしを始めた、台湾人の楊洋(ヤンヤン)。沖縄で生きる人々、そして同じく留学生として日本にやってきた中国人の李謙(リーチェン)や台湾人のワンティンと関わる中で、彼女は自身と他者、母国と沖縄、それぞれのアイデンティティに向き合うことになる。一方、台湾では、楊洋(ヤンヤン)が想いを寄せる青年・Jが、国民投票に向けて活動を活発化させていた。異なる土地でそれぞれが抱える葛藤と希望は、やがて……。

「怒りも悲しみも、全部。行き場のない感情を乱暴に撒き散らしてでも、伝えたい想いがあった、あの頃」
ひまわり学生運動、表現の自由、同性間の婚姻の保障、国民投票。私たちが私たちであり続けるために、私は飛び出す。“怒り”と“愛”を抱きしめて。フリースタイル「THE BEST MANGA 2023 このマンガを読め!」第2位&宝島社「このマンガがすごい!2023」オトコ編・第9位ランクイン、『緑の歌 - 収集群風 -』で鮮烈なデビューを飾った高妍(ガオ・イェン)が“今”に放つ、新境地。超厚【282ページ】の第2巻。

●高妍(ガオ イェン)好評既刊
『緑の歌 - 収集群風 -』上・下

●コミックビーム 公式X(Twitter)
@COMIC_BEAM

みんなの感想まとめ

多様なアイデンティティと感情の葛藤を描く物語が展開され、主人公ヤンの成長と内面の揺らぎが印象的です。沖縄での留学生活を通じて、彼女は台湾の現状や自らの過去と向き合い、いじめや恋愛の苦悩を抱えながらも、...

感想・レビュー・書評

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  •  『隙間』第2巻です。第1巻では、介護していた祖母を亡くし、諸々のしがらみを断ち切るように沖縄へ交換留学した当初が描かれました。新たな出会いと並行して、いじめられ暴力を振るった記憶、自分が受けてきた教育への疑問や台湾の現状、上手くいかない恋愛…、様々な記憶がフラッシュバックします。怒り・悲しみの感情が根幹にあるようです。

     第2巻では、さらに主人公ヤンの内面が揺さぶられる描写が続きます。同じ留学生との価値観の違い、LGBTQ+や台湾の独立、言論の自由などのテーマが巧みに融合し、自分にも何かできると思えるようになっていきます。

     自分も含め、日本人には平和ボケ、事なかれ主義、無関心が蔓延している気がします。人付き合いが下手で、感情の起伏が大きい主人公ヤンですが、とても眩しく映ります。3巻へ続きます。

  • 台湾という国の複雑さと、日本という国の能天気さが、沖縄というこれまた多面的で奥深い場で、どう化学反応していくのか、興味深い。

    誠実さと、抜群のセンスとデッサン力のある絵が、テーマをより奥深くさせることができるのだな、ということを知る。

    この人の描くものは追っていくことにしたい。

  • おばあちゃんの言葉がどれも良かった。ヤンヤンもカッとなって怒ってしまったけど、ちゃんと謝れて若いのに偉いな。若さゆえの葛藤、選挙投票率70%の訳が分かった気がする2巻だった。巻末の歴史についての文章が毎回勉強になる。

  • 第2巻で、楊洋(ヤン・ヤン)は別の留学生たちと出会う。
    ひとりは台湾から来た陳婉婷(チェン・ワンティン)。もうひとりは中国から来た李謙(リー・チェン)。

    陳婉婷は日本語が苦手なため、ついつい台湾華語で楊洋と話してしまう。大学職員からは「日本語で(話しなさい)」と注意される。
    彼女は言い争いを避けて愛想笑いを浮かべたり、相手には直接言わずに陰口をたたいたりするタイプだ。
    一方、李謙は日本語がペラペラで、自分の考えをはっきりと言うタイプ。自国(中国)の教育や報道を疑わずに、学校やマスコミから教わったことが正しいと考えてしまう。初対面のときも、いきなり楊洋と「中国語」や「中国と台湾の関係」について意見がぶつかり喧嘩をする。
    最初に登場したときは、明らかに李謙が嫌なヤツとして描かれていたが、その後の留学期間を通して、楊洋のふたりに対する評価は逆転していく(と自分は読み取った)。

    楊洋はすぐにカッとなってしまうタイプだ。
    読み書きのできない祖母のことをバカにされ、相手に暴力をふるってしまう。
    飲食店のテレビでひまわり学生運動のニュースをやっていて、それに対して店員がデモ活動をする学生を非難するのを聞いて、楊洋は言い返そうとしてしまう。
    また、楊洋はかつてバイトしていた古本屋で、店長のある秘密を知ってしまったとき、はっきりした態度をとれずに距離をおいてしまったことがある。

    楊洋は感情表現が苦手で、敵を作ったり孤立したりしてしまうが、怒りや疑問を持ち続けることは止めない。
    表現の仕方については試行錯誤しながらも、感情表現そのものをためらうことはない。
    このへんの人物描写がとてもよかった。

    Jが提案した「まわりにいる外国人に、台湾で行われる同性婚に関する国民投票について話をするゲーム」のエピソードも面白かった。
    投票権のない外国人に話をして意味があるのか。
    案の定、中国人の李謙には、投票権のない自分に話して意味があるのかと言われる。
    これは日々のニュースについてもいえることだ。なぜ私たちは自分とは直接関係のない国内外のニュースを知ろうとするのか。

    同じゲストハウスに住む由里香は、投票に行けない楊洋のためにお手製のかわいい投票箱と投票用紙を作ってくれる。
    一票を大切にする姿勢は、この国民投票の場面以外でも描かれる。どちらも表現が素敵だ。

    "党外雑誌"である『自由時代』の編集長・鄭南榕(チュン・ナンロン)の話は知らなかったので、とても勉強になった。
    国民投票が終わったあとでスマホが「誤作動」を起こした場面は、読んでいて目をうるうるさせつつ、同時に爆笑してしまった。本来は笑う場面ではないのだが、気の利いたユーモアと温もりを同時に感じた。

    『隙間』では、著者自らが装丁を手掛けている。
    表紙や帯、そで(折り返し)、カバーを外した本体などにも細かな仕掛けがほどこしてある。これは電子書籍では楽しめないものなので、できれば紙の本を買って読んでほしい。
    初読のあとでそれらを見ると、ああこれはあのエピソードについて描かれた絵や文なのだなと答え合わせができる。思わずニヤリとしてしまう。

    カバーのそでに書かれている手書きの台湾華語(?)についても、自動翻訳の助けを借りながら日本語訳してみた。
    どこまで正確なのかわからないが、自分なりに解釈してメッセージを受け取った。

    • くにちゃんさん
      こんにちは^_^
      台湾のことを知りたいと思っていたところ、レビューを拝読し、これは読まなくては!と思いました。一気読みでした。私も、これは紙...
      こんにちは^_^
      台湾のことを知りたいと思っていたところ、レビューを拝読し、これは読まなくては!と思いました。一気読みでした。私も、これは紙の本がいいと思います。
      さとるさんは、いつも本の内容をうまくまとめられていいですね。私なんか、こんがらがっちゃって大変です。
      いい漫画を紹介してくださり、ありがとうございました!
      2025/08/25
    • さとるさん
      こんにちは。
      レビューを気に入ってもらえて光栄です。
      ネタバレ率の高いレビューが多いので、いつかクレームがくるのではないかとヒヤヒヤしている...
      こんにちは。
      レビューを気に入ってもらえて光栄です。
      ネタバレ率の高いレビューが多いので、いつかクレームがくるのではないかとヒヤヒヤしているのですが。
      自分も、くにちゃんさんの率直な気持ちが書かれてレビューをいつも楽しんでいますよ。
      『隙間』は紙の本ならではの良さが味わえる作品でしたね。帯やカラーページも素敵でした。
      『緑の歌』も近いうちに読んでみようと思います。
      2025/09/03
    • くにちゃんさん
      コメント、ありがとうございます♪
      漫画から遠ざかっていたので、さとるさんの投稿がなければ、知らずに過ごしてました
      感謝!
      コメント、ありがとうございます♪
      漫画から遠ざかっていたので、さとるさんの投稿がなければ、知らずに過ごしてました
      感謝!
      2025/09/03
  • バイト先の古本屋の中性的な店長への淡い気持ち。
    オスカー・ワイルド
    台湾で初めてゲイであることをカミングアウトした祁家威(チー・ジアウェイ)
    アジアで初めての同性婚合法化……。

    ヤンの目を通して目まぐるしく時代が動いているのが伝わってくる。

    この巻で最も重要なのは、鄭南榕(ていなんよう)氏についての記述だと思う。台湾の政治雑誌『自由時代』の元編集長。台湾の民主主義と言論の自由のために焼身自殺を遂げた人物。

    “あとは 君たちがやるんだ”

    焼身自殺を図ろうとしていることを知った妻が「あなたの愛する台湾は…台湾の人たちはどうすればいいの!?」と尋ねた時の彼の答えがこれだ。

    この言葉はしばらく胸に残るだろう。
    次に台湾に行ったら、鄭南榕基金会 紀念館を訪れたいと思った。

  • 2巻を読み終わって、巻末の歴史についての学びのページを読んで、いや、ちょっともう打ちひしがれた
    1巻を読んで「なんとなく」わかった気になってた自分をハッキリと突きつけられて、迷い込ませてくれた
    1巻と巻末ページを読み直し、頭の中で歴史の流れを整理しながら読む必要があった
    この時間を持てたことこそ、隙間を読んだ意義があったなぁと思った
    このあとも見守りながら、わたしもお勉強し続けるぞ

  • 見返りは求めない恋が成立するかは分からないけど、きっと通過点にできると信じて。

  • 帯は江口寿史さん,隙間を紡ぐ物語にいつも生きることの根本の愛おしさを感じると。
    カバー折り返し,裏がわの図書カードのメモには、若い人が声を上げることは良いことだと。
    週刊自由時代、鄭南ロン、チョンナンロン氏創刊,自由な言論を勝ち取る闘い最後は抗議と不屈の焼身自殺。家族に、残された台湾人民に、あとは君たちがやるんだ,と言い残して。
    台湾がアジアで初めて同性婚を制度化した。
    それを民法に組み込むかどうかの、国民投票。特別法として特別扱いの合法化か、当たり前の自由として認める法制となるかの国民投票。その行方。親しい人近所の人や親戚のおばさんにどう思うか,賛成してほしいと話すことも難しい。大好きなJは台湾で頑張っている。ヤンもチョンナンロンの言葉や生き様に励まされて、、、、さまざまな思い、いじめられた過去、バイト先の素敵な店長との出会い、深まる由里香との愛情、メインランドチャイナからの留学生,台湾からのことなかれ主義的な留学生、はっきりしない人の目を見ない日本人の代表的な存在とも言えるしナンとなく人と違うような落ち着かない孤独そうな大学職員。さまざまな出会い、さまざまな関係、一歩踏み出すこと。特別法でも同性婚は認められたこと。勇気を持って話してみること。

  • 「教えてくれてありがとう」という言葉が、
    もう解決できそうにないほど深刻な問題を抱える政治的な側面で使われていて、
    もしかするとこういう文化を創造する人が世界を変えてくれるのかもしれないと思った。

  • 台湾の政治的変動を日本から眺めつつ、台湾人としてのアイデンティティ、そして日本でともに暮らす同性愛者との友情、主人公の今後が気になる第二巻。

  • 政治をここまでひたむきに真正面から向き合って執筆するなんてすごいと思った。
    自分だったら弾圧とかが怖くて描けないかも。
    日本の政治の歴史をこんな風に描いてくれる作家さんはおられるのだろうか?

    台湾の人は政治にきちんと関心と責任を持って行動していてすごい。
    自分たちの声が届くことや政治を変えれることを信じてるし実際掴み取ってきてるんだな。
    羨ましい。

    台湾を観光地として消費するのではダメだと思った。
    こんなに苦しい時代があって、それを死ぬ気でそして実際多くの仲間を喪いながら勝ち取った。
    それを知る必要がある。
    つくづく、自分の国の歴史をきちんと語れない自分が恥ずかしい。自分の意見もあまり作れていないのがもどかしい。

    台湾独立は賛成だし、同性婚ももちろん賛成。
    早く実現して欲しいな。
    平和と自由を願ってるだけなのに、なぜこんなに道が険しいのか。

  • 主人公がすぐ泣くのには理由があるのだろうか

  • 2025(2023/12 2024/1 2024/3〜6)

    おばあちゃん
    p027 あの時、あなたが怒りに我を失っていたからなの

    ひまわり学生運動

    自分たちの問題は自分たちだけのものでなく、みんなの問題なのだ

    鄭南(チェンナンロン) 1988年焼身自殺
    「あとは君たちがやるんだ」

    見返りな絵求めなければ
    誰かをどれだけ
    好きになろうが自由だ

    2019年アジアで初、同性婚を合法化

    希望があるから頑張るのではない
    頑張ることで、希望が生まれるのだ

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