隙間 3 (ビームコミックス)

  • KADOKAWA (2025年4月11日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (232ページ) / ISBN・EAN: 9784047384286

作品紹介・あらすじ

忘れられないあの人、忘れてはいけないあの歴史、もう一度見つめ直す私の住むこの世界。
見ないふりが上手になってしまった人にこそ触れてほしい、無視しない人生を選ぶことは確かな生きる力を得るということ。
この物語はそんなきっかけをくれます。
紛れもなく自分はこの世界の住人だと心が溶かされる、台湾と沖縄の往復切符。
ーー吉岡里帆(女優)

「あなたのことが、好き。知ってるでしょ、ねえ?」
台湾・台北に住む青年・Jへの届かぬ想いに心を痛める楊洋(ヤンヤン)。台湾にも沖縄にも居場所を見つけられない彼女は、亡き祖母との記憶を手繰り寄せながら、自らの未来を模索する。「私が、私であるために」ーー母国と似た風の中で、彼女は立ち上がる。台湾と沖縄に、絶望と希望に、私とあなたに、手を伸ばす……。

「二二八事件の犠牲者は台湾人だけじゃない。琉球人も確かにここにいたんだ」
歴史と文化を、そして植民地化された悲しみを共有している台湾と琉球。それぞれの歴史と人を見つめることで、楊洋(ヤンヤン)は台湾人としてのアイデンティティを確立していく……。フリースタイル「THE BEST MANGA 2023 このマンガを読め!」第2位&宝島社「このマンガがすごい!2023」オトコ編・第9位ランクイン、『緑の歌 - 収集群風 -』で鮮烈なデビューを飾った高妍(ガオ イェン)が贈る、あなたへの手紙。超厚【234ページ】の第3巻。

●高妍(ガオ イェン)好評既刊
『緑の歌 - 収集群風 -』上・下

●コミックビーム 公式X(Twitter)
@COMIC_BEAM

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

歴史とアイデンティティの葛藤を描いたこの作品は、主人公ヤンが沖縄での大学生活を通じて自らの過去と向き合い、台湾と琉球の深い関係性を再発見する物語です。彼女は、かつての交流や歴史的な悲しみを知ることで、...

感想・レビュー・書評

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  •  『隙間』第3巻です。ヤンは、沖縄での仲間との交流で大学生活を謳歌するなか、自分が過去に囚われいつも過去に生きていたことに気づいていきます。
     と同時に、かつて台湾と琉球が交流し、台湾の事件で琉球人にも犠牲があったことを初めて知り、互いに悲しみを共有している事実に気づくのでした。そして、間もなく帰る台湾の未来を案じてしまいます。

     高妍さん自身が沖縄に留学した2018~2019年が、そのまま作品の舞台になっています。高妍さんと主人公のヤン、現実と虚構が交錯していき、人と人、さらには個人を遥かに超越した複雑で割り切れない関係性を描いていきます。まさにタイトルの『隙間』は、とても深い意味合いをもっています。

     歴史とアイデンティティの葛藤を中心に、メッセージ・物語性の観点で文学的な要素が多く、それらを主人公ヤンの青春譚の中に巧みに落とし込む手法が秀逸だと思いました。

     巻末のコラムの文末が胸に深く響きます。「歴史の流れの中で消えてしまった母語と文化を、私たち自身の手で必ず取り戻し、大切に守ることーこれが台湾人としての私の覚悟です。あなたの守りたいものは、なんですか?」自分に覚悟なんかあったかな…

  • 文学作品として一級品。
    沖縄が舞台であることが重要だったことに3巻にしてようやか気づく…。

  • 台湾と沖縄の関係、何気なく歌っていた聞いていたあの曲もこの曲も歴史があったんだな。*もし僕たちが本当に台湾のことを理解したいのなら、台湾から台湾を見ているだけじゃダメなんだ 世界からも見なければ…ダメなんだ

  • 第3巻の冒頭、お世話になった大学職員の退職をきっかけに、楊洋(ヤン・ヤン)は「誤解されること」について考える。
    人は誰しも誤解されることに怯えながら、自分も誰かを誤解している。
    楊洋自身も、言いたいことをはっきりと伝えられないことがある。
    無意識に言葉選びを間違えて誰かを傷つけてしまったこと。期待を寄せるべきではない相手に期待しまったこと。口下手が招く誤解もある。

    6月になり、楊洋は青梅の砂糖漬けにチャレンジする。毎年、祖母が作っていたが、仕込みの様子をきちんと見たことがなかった。
    青梅の砂糖漬けには手間も時間もかかる。時間も大切な「食材」なのだと楊洋は気づく。

    学園祭も成功し、本音で話ができる友だちもできて、楊洋は台湾では経験できなかった大学生活や交遊関係を楽しむ。
    1年間の短期留学も残すところあとひと月となる。大学やゲストハウスの仲間たちとの別れが近づいている。台湾では総統選挙が迫っている。

    第3巻の終盤から最終の第4巻にかけて、楊洋は濃密な1カ月を過ごすことになる。
    留学や旅行をきっかけに自分の「知らなさ」に気づき、旅の終盤や旅のあとになってから慌てて学び始めることはよくある。現地でしか見られないものや現地でしか受けられない刺激もある。楊洋もここからラストスパートをかけていく。
    『隙間』では、楊洋が台湾と沖縄を結びつけて歴史や文化を考察していく過程が面白かった。
    自分もそれぞれの歴史やニュースについて断片的な知識は持っていたが、それらを結びつけて考えたことはなかった。

    さまざまな国から支配され、言葉や文化を奪われてきた両国の共通点。
    歌を通じて言葉を守り、独自のアイデンティティーを表現していくこと。歌声でコミュニケーションをとるクジラのように、人も音楽を通じて語り合うことができる。

    そして、ニニ八事件の流れの中で、社寮島(和平島)の現地住民と琉球漁民との間で起こった悲劇についても第3巻には書かれている。
    社寮島の虐殺については、事件そのものを知らなかった。さらに台湾政府が慰霊碑にきちんとした経緯の説明や謝罪の言葉を刻んでいないことも知った。
    このエピソードを読んで、関東大震災における朝鮮人をはじめとした外国人犠牲者に向き合おうとしない政治家を思い出した。

    ニニ八事件の犠牲者は台湾人だけではなかった。
    楊洋はかつてJに言われた言葉を思い出す。
    「本当のことを知りたいなら中(台湾)から台湾を見ているだけじゃダメなんだ。外(世界)からも見なければダメなんだ」

    帯文の言葉も印象に残っている。
    「見ないふりが上手になってしまった人にこそ触れてほしい。無視しない人生を選ぶことは確かな生きる力を得るということ。この物語はそんなきっかけをくれます」(吉岡里帆)

    見て見ぬふりをしていると認めるのは辛いことだが、やはり日々の生活において、何かの問題に対して直視できている時期もあれば、そうでない時期もある。
    長い間、忘却してしまっているものもある。エネルギー不足で逃げていた時期もある。
    誰しもそういうオンとオフの周期を繰り返しているだろう。
    そして、見ぬふりをしている時期に、物語や歌、芸術作品は人に刺激を与え、再び立ち上がるエネルギーを与えてくれる。
    この『隙間』もそうした作品のひとつだと思う。

  • 映画を観た後のような余韻に包まれる、頭と感性を使う感じ
    今この作品が本屋に並び、読めることに感謝
    表現の自由を掴み取る過渡期を生きていたエドワード・ヤンの映画作品をまた観たくなったし、テレサ・テンの曲をちゃんと聴きたくなった きっと違う世界が見える

    この漫画はいつか映画化されるやろなぁ思う反面、たった2.3時間でストーリーと歴史や文化を伝えるのって難しいやろなぁ 

  • 時間が必要な梅をつける話。
    大学のイベント、青春はなんだかハチクロを思い出してしまった。

    全てが答えが出るわけではないけど、これが人生と一緒なんだと思う。
    全部統一してしまえというのは、知らない文化を認めずに失うことになる。言葉がなくてももっと紡げる感情。何のために学ぶのかわからなくなった時に読みたい。

  • 3巻も美しい装丁と,最後の力強い文章。決意表明。オルグ。
    さまざまな音楽や映画や本。

    鯨詠、旋律で伝える。言葉にならないことを。
    おばあちゃんが毎年していたように、見様見真似で梅を漬ける。
    友達との触れ合い,温かい手を感じたり、自分が赤くなったり熱くなるのを感じたりする表現がガオヤンさんの力量発揮部分だと思う,繊細で熱い。
    バニラスカイ、大好きなJが1番好きな映画、、,トムクルーズ王道ハリウッド映画?と思いスルーしていたがトレイラー見て興味持った。
    Jという人のことは、ヤンちゃんの目線でしか語られないからわからないけど、世の中に真摯に向き合うグッドガイグッドパーソンなのにヤンちゃんにはどうしてこうなのか、ヤンちゃんもどうしてそんなに好きなのかなって思ってしまうモヤモヤがあるけど沖縄や台湾の政治や歴史の事ばかりではなくJのことも大事なトピックなので見守る。
    バニラスカイを一緒に見てくれない彼。恋人ではない彼。 空気が読めないと他の留学生から嫌われている大学職員が退職、なにか事情がありそう、ヤンちゃんは流れや留学生仲間の空気に流されず同調しない、そしてきちんと自分はそう思わないと表明する。
    映画フラワーウォールの話、
    大学祭で,シネマカフェをやる。ドライブに行き、フラワーウォールの子たちが夜のドライブでボウイのヒーローズをかけながら疾走する自分たちの人生を感じるシーンを追体験。

    おばあちゃんは文字を習っていないけど好きな歌テレサテンが歌う歌の文字を書き記す。
    知らなかった基隆に移住し虐殺された琉球漁民のこと。Jが
    台湾を本当に知ろうと思ったら台湾からだけではダメ外から台湾をみなければ、とヤンちゃんに話す。
    私たちも同じ。そのことがあまりにもないがしろにされ、近視的で愚劣な言説がいかに多いことか。




    ヤンちゃん,そしてガオヤンさんがこれまで育んできた自分が、自分を構成するものが常にふわふわと風船のように浮かんだり、思い余って破裂したりする。

    最後の,エッセイというには高尚すぎて、とにかくこの文章がほんとにすごい。

    琉球と台湾、どちらも言語と文化を奪われた歴史を経てきたが、被害者の一面だけを振り返っても現状は変えられない。悲しみによって自らを語るのではなく、これまでのすべての闘争を自由への探求と権力への反抗として捉えるべきなのだ。私たちは、国家にある暴力の単なる犠牲者ではなく、それ以上に能動的な抵抗者なのだ。歴史を忘れないために、私たちは書き,描き、歌う。
    とガオヤンさんは、強く表明する。失われた文化,歴史,言葉,言語,音楽全てを取り戻すのだ、と。台湾,琉球だけではなく、身近に取り戻さねば永遠に失われてなかったことにされる文化,言葉、人々が、どんなに多いことか。
    改めて若いガオヤンさんのマニフェストに震える。

  • ・クジラは歌声で会話する、人間も音楽で対話する
    ・過去や未来ではなく今を生きる。朝起きたら天気が良かった、美味しいご飯を食べたこと,目の前の些細な幸せに目を向ける
    ・時間も大切な食材

  • あと1ヶ月で台湾へ帰るヤン。大学での生活、他人の噂、祖母との思い出に浸る。友人たちとの日々と切ない思いの揺れ動き。

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