魔界水滸伝 (12) (カドカワノベルズ)

  • 角川書店 (1987年5月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (228ページ) / ISBN・EAN: 9784047709126

みんなの感想まとめ

物語の中で繰り広げられるキャラクターたちの微妙な関係性や温度差が印象的で、特に雄介と多一郎のやり取りは読者に笑いをもたらします。全体的に事件の数は多くないものの、登場人物たちの個性や感情が丁寧に描かれ...

感想・レビュー・書評

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  • 余計な事を書くとまた長くなるんですが言わずにおれない…
    今回の表紙、パンチが効きすぎてる!図書館で書庫から渡して頂いた時、思わず吹いてしまいました。
    永井先生、すみません、これは強すぎます。
    しかし中身はヘビー!(蛇だけに)
    頼れる兄貴と心で読んでいる雄介までしょんぼりしてるし、多一郎さんは心配になるほど病んでるし…2人とも元気だして!!涙

    今回は1年後の地球が舞台。
    のっけからかなりややこしい世界勢力図がバーッと提示されますので、なるべく纏めようと思いますが、前回蛇2人の活躍でなんとか全滅は逃れたものの、世界はもう核の影響とクトゥルー達の侵略で正に世紀末。文明社会は終わりを遂げました。(この核攻撃はニューヨークに侵略したクトゥルーの仕業だそうです)
    未だに生き残った人間も居るには居ますが、戦力としては絶望的。
    アークに乗っている400人の雄介軍団は『地球軍』(ひねりゼロ)と命名されてますが、現在地球は以下のようになっています。

    米ソ、東京はクトゥルー達にほぼ占領されて(これらの勢力を作中と同じく以下ダークパワーと呼びます)
    全く無事なのはオーストラリアのみ。
    既に米首脳陣は優秀な人類を選び月の基地に逃げています。
    この勢力は未だ地球の覇権を狙っており、『WWSA月基地軍』と名乗っています。
    妖怪さん達はみづち派、火の民派、中立の3つに別れ残された聖域で隠密中。

    加賀としては妖怪さんと手を取り、妖怪さんにエスパー部隊の訓練をして欲しいと考えてますが現状は絶望的。
    雄介も1年前に本格的な修行に出てて不在。

    そんな中、月のWWSAから脅しのような通達が。てめーらわしらの傘下に入れや、さもないとまたミサイルぶち込むぞ、と。
    更にアーク内でも元葛城軍の面々はアメリカ人が多いので日本人に主導権があるのと、雄介の不在が続いてるせいでちょっとイライラしてまして、アーク内も2つの派閥に別れ仲が悪くなり、クーデターの恐れが出てきてます。加賀は今は下らない争いをしてる場合では無いのに、人類は何故愚かな事ばかり繰り返し反省をしないのかと嘆きます。大変…

    一刻を争うので加賀は雄介に戻れないかと会いに行く事に。
    雄介は山奥で髭ボウボウになって修行僧みたいな状態。禍津神として目覚めるには自身の精神世界で完全に雄介という我を捨てなくてはならないとの事。
    しかし雄介は現世に色々思う所があるので中々我を捨てきれない。
    もう俺には無理だと諦めようとして、しょんぼりモード突入!

    涼が死んだのは自分のせいだとずっと自身を責めている雄介。自分がアラブに彼を連れて行かねば多一郎に攫われてあんな惨い死に方をせずにすんだ。更に彬子様も秀英も玲林も自分のせいで死んだ。
    しかしこのまま目覚めなければアークで待ってる皆を失望させるし、クトゥルーにも勝てずまた皆が命を落とすかも知れない…
    もうこのまま山奥に引きこもって野鳥でも取って食べて生きて行った方が良いのではないか…

    お兄ちゃん!!涙
    元気だして!加賀が来るから!

    と、こっちまで辛くなっていましたが、精神世界で謎の美少女と出会います。彼女が何者か分からないのですが、湖に鎖で繋がれてる所を雄介が助けます。
    あまりにも幻想的で美しい彼女にしょんぼりモードも忘れる雄介。立ち直り早かった…
    その後彼女は頭を下げてどっかに消えてしまった。ここは良く分からないのですが、雄介の師匠、役行者によると「雄介は我に対する執着が強すぎてダメだ。心の拠り所が必要なんだ」との事なので、雄介の我の執着の具現化?少女趣味…?と頭を捻りますが一先ず置いとく。

    ちなみに同じく修業していた弟のゴリラは人間味溢れる執着とか情緒とか一切無いのでスーパーパワーを手に入れ岩1つ位なら指先1つで破壊できる程に。

    さて加賀が到着し、どうやら雄介は目覚めないと役行者から聞かされます。もう連れて帰れとの事。
    ついでに加賀はみづちと手を組みたいので役行者から頼んでくれないかと何気に頼みますが「やーだね、お前が自分で頼めよ」と拒否。
    役行者は何でもお見通しの凄い人(幽霊?)なので、多一郎がまだ涼に執着してる事を知っています。
    蛇族は今までの伝説にあるように人間に思いを寄せやすく、1度執着すると先に死なれようと余所見が出来ない性質。そのせいで身を滅ぼし始めるので、多一郎も終わりの始まりが来ているのかも知れないと加賀に話します。
    こんなに蛇の伝説ってあるんですね。

    件の多一郎ですが、涼を失ってから情緒不安定で、一人の時は涼を想ってしょんぼりするし、小さな事で切れやすくなって鬼や狐に当たり散らしてます。
    しかも嫁のニョロニョロ華子が夜這いに来るストレスも相まって酒呑童子が茨木童子に「お前のせいで若が病んでしまったんだぞ!」と怒鳴るほどの病みっぷり。
    ちなみに茨木童子は殺されはしなかったもののフル無視されてて彼女もしょんぼり。

    持ち帰った涼の生首を飾ってたらどうしよう、と冷や冷やしてましたが、ちゃんと清めて埋めてあげたそうです。常識蛇で良かった…
    多一郎さんと涼君の話になると栗本さんの筆に熱が入り、かなりのページを使うのですが(女性から支持の多いキャラ同士だから仕方ないけど)後半部分ほぼ多一郎さんが病的に涼を探し回る話でした…可哀想…

    華子の夜這いから逃げるという名目で(ここは一族皆多一郎に同情的)毎晩のように世界中あちこち飛び回って涼を探し回っています。
    それだけではなく、長く人間と暮らしていたので人間を虫けらのように思ってるし死んでもなんとも思わないけど基本的に人間が傍に居ないと落ち着かず恋しいとの事。ツンデレ多一郎さん。
    その日降り立ったのはヨーロッパのパリ、だった場所。ここは絶望大陸と呼ばれていてそれはもう魔窟になってます。

    核のせいで降り注いだ死の灰がじわじわと流れてきており、人々は身体を蝕まれ食べる物に困り、子供の肉や死体を貪り、麻薬や売春も横行、ランプを灯す油は人間の油…
    なんというじめじめ感!!ヨーロッパという所がまた絶妙なロケーション…。

    そんな中、涼に似てると思ってしまった男娼を買ってしまったがよく見ると全く似てなくて後悔する多一郎さん。男娼そっちのけで物思いに耽ります。
    失ってから益々涼への思いを募らせる多一郎は、茨木にも怒りを抱いてますが、それ以上に彼を迎えに行って守ってやらなかった自分に1番腹を立てています。
    この時、雄介との二千年に渡る確執も思い出すのですが、雄介は転生しているので多一郎と争った記憶はありません。多一郎はずーっと生きてるので、常に1人の女性を巡り争い、常に負けていた事を全て覚えていますが、涼も最初は天敵の雄介が可愛がっているようだから雄介を苦しめる為に麻薬付けにして酷い目に合わせていただけだったのに、気付けば涼ほど想いを募らせた相手は二千年で初めてだと。
    転生したとしても涼だと分かる自信がある程。

    先住民としての己の寿命がいつなのか分かり兼ねる多一郎ですが「一族の未来より大事なものが出来てしまった。僕はいよいよもうダメかも知れない…」と役行者が気にしていた事を本人までもが言い出す始末…。
    あまりの可哀想さに一度本を閉じたのですが、別の場所へと飛びつつ、霊魂でも良いから会いに来てくれたら良いのに、そこまでの情愛はないのか、プンプン、と涼に文句を言ってる姿にちょっと安心しました。

    その後また山の方で隠れ住んでた家族と出会い、黒髪と黒目の大人しそうな少年に涼の面影を重ねてしまう多一郎さん。連れて帰ろうかと悩む多一郎さん。病的なレヴェル!落ち着いて!
    そこの家族は人肉を食らうヒャッハー軍団『レッドブッチャー』(だせぇ!!)とそこと縄張り争いをしてる『ブラック・デビル』(だせぇ!!)達に、お魚の両方を恐れています。
    旅人と勘違いして多一郎に優しくした家族、一瞬多一郎が離れた隙にこの『レッドブッチャー』軍団にヒャッハーされて餌食に…。
    まだ喰らわれず捕まっていた黒髪少年ネルロだけ間に合ったので助けます。
    その帰り道、お魚登場!ヒャッハー達をぐちゃぐちゃドロドロに!!地獄絵図!
    それを高みの見物した後、結局はネルロを連れて帰ってしまいました。

    私に吹き出させた表紙の彼、なんとルシファーでした。悪魔族もおわした。多一郎と仲良しだったらしい彼もなんやかんや人間が好きで「魚たちの仕業を全部俺らのせいにするけど、俺は悪戯すんのが楽しいのによ」と迷惑そうでした。可愛い。
    結局ルシファーさんも地球に見切りをつけて宇宙に飛んでってしまいました。

    そして今回鳥肌が立ったのが多一郎の嫁、地這いの姫華子の真の姿。
    地這い族は人型をとってる時は見えないですが、実は元々1つらしく、ニョロニョロと触手で全員繋がってるそうです…
    なので多一郎が華子といたした場合、地這い族全員といたす事になるという…
    逃げてー!!
    嫁はこんなだし、鬼の女は怖いし礼津婆様は気性荒いし、多一郎さん女が嫌になってるようです。
    まあ…そらあんなんしか周りにいなければ男に走るよね…涼君大人しいしな。

    ここまで読んで来て思うのですが、栗本さんはプロットを考えずに何処までも話を広げていく作風なので所々やっぱり矛盾も生じてるしキャラ設定も変わりますが、それでも面白いと思わせる筆力と世界観があり細かい事はどうでも良くなります。
    あと、栗本さんはBL界の先駆者なので(おびのりさんに教えて頂きました)どうしても多一郎さんと涼の話が多くなるので、この2点が無理な方にはとことん無理なんだろうなとは感じています。
    しかし1980年代にこれを書いて、そして男女問わず人気の作品にしたという事実。早くにお亡くなりになられた事が悔やまれますが、本作も折り返し。
    楽しんで行きたいと思います。

    長々と毎回お読み頂き感謝しか無いのですが、最後に私の悲劇だけ書かせて下さい。

    偶々検索に引っかかったのですが『honto』のサイトとブクログが提携しているらしく、hontoで購入を検討している方にブクログのレビューも見れるみたいで…
    ん?この文章どっかで…とポチッとしてみると私のほぼ全ネタバレが長々と載っていました…購買減ったかも…
    何より、蛇!蛇!とか言ってるのが全部晒されてるのが…

    庭に穴掘って埋まってきます…

    • yukimisakeさん
      ところで、そのかわい子ちゃんはどなたですか?!
      ところで、そのかわい子ちゃんはどなたですか?!
      2024/03/29
    • ゆーき本さん
      キラキラおめめ羨ましすぎるっ
      JAPANJAMもビバラも日帰りはキツいと言われ諦めた(> <。) ツアーも近くに来ない!笑 ロッキンにか...
      キラキラおめめ羨ましすぎるっ
      JAPANJAMもビバラも日帰りはキツいと言われ諦めた(> <。) ツアーも近くに来ない!笑 ロッキンにかけるっ!!出演者してくれ!!

      きゃわわなこの子は次男(⁎⁍̴̛ᴗ⁍̴̛⁎)♡
      2024/03/29
    • yukimisakeさん
      ゆーきさん、遠征になると色々厳しいですよね(>_<)
      ロッキン祈っときます(*>人<)

      次男くん?!女の子かと思った!!めちゃきゃわ!!(...
      ゆーきさん、遠征になると色々厳しいですよね(>_<)
      ロッキン祈っときます(*>人<)

      次男くん?!女の子かと思った!!めちゃきゃわ!!(>_<)キラキラおめめ…(´✪ω✪`)
      2024/03/30
  • 読み終えた時点で書けなかったこともあるんだが、内容を忘れてしまっている。 そんなに事件はなかった気もするが、忘れるほど内容がなかったわけでもなかったはずだが、なぜだろう。

  • 雄介さんと多一郎さんの、涼ちんを思い出す温度差おもろいな…。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早大卒。江戸川乱歩賞、吉川英治文学新人賞受賞。中島梓の筆名で群像新人賞受賞。『魔界水滸伝』『グイン・サーガ』等著書多数。ミュージカルの脚本・演出等、各方面でも活躍。

「2019年 『キャバレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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