魔界水滸伝 (17) (カドカワノベルズ)

  • 角川書店 (1990年1月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (228ページ) / ISBN・EAN: 9784047709171

感想・レビュー・書評

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  • まさかここに来て爆笑するとは…。もうクトゥルーも雄介達もお友達になれば良いじゃない。
    この辺が真のクトゥルーファンの方に不評をかっているようですが、私は好きですよ。

    今回は地球に残された忍達からスタート。

    ぼんやりと空を見上げて加賀先生帰ってこないなーと物思いに耽る忍。毎日そうやって加賀に思いを馳せていたのでやっぱりそういう事?と思っていたらいつの間にやら超能力者のたまこと付き合ってラブラブでした。
    あれ…?片思いなの勘違い?どっちなんだ!
    まあどっちでも良いのですが、そんな忍に大変な報告が舞い込んできます。先住者達は魔界に引っ込んでいるのですが、その魔界が人間界と徐々に距離を離しているとの事。
    先住者達はそもそも地球の大地と繋がって生きる精神生命体なので、人間界と離れてしまうとお互いの世界がどうなるか皆目検討もつかないらしく、忍達は焦ります。
    こうなったら魔界に出向いて、あわよくば連絡を断ってしまった先生達を探す、と決めた忍は、忍が行くなら私も死んでも一緒に行くわというたまこと、小角、小角とこれまたいつの間にかラブラブの柴、役行者の5人で赴く事に。

    そもそも役行者おじいちゃんが居なくては魔界に行けないのですが、一行は無事に魔界へ。
    先住者達の住む魔界はいつも美しい日本の自然に囲まれた静かな場所でした。ところが今や見る影もなく砂漠のような状態に。火の民の宮などは屋敷の形を保つエネルギーが無いらしく単なる火の玉と化しています。
    とにかく礼津おばあちゃんのいるみづち一族の拠点の不二の宮へ。
    礼津の力は桁違いなのでそこだけはかろうじて元の姿を保っており、逃げ延びた妖怪さんたちが集まっています。
    礼津おばあちゃんは珍客に暫く遊んで行きな、と粋に忍達を迎えますが、今回の異変は全て雄介達のせいだと述べます。

    多一郎を救うために無理やりいくつもの次元の狭間をそのパワーでぶち破ったせいで均衡が崩れ魔界も別の次元へと流れて行きそうになっているご様子。
    離れてしまった後は再び人間界と交わるのは5億年後という事実に忍達は愕然。
    礼津にもどうしようもないし雄介達を探す所では無いしオワタと落ち込む忍達の事は露知らず、加賀たちはルルイエ散歩をしていました。
    そこは水の中の帝国で、思ったよりもどぎつい世界じゃないな、何なら今の地上よりもまともかも、とクトゥルー神殿に向かう一行ですが、途中でモアイ像を発見。これは後の伏線なのでまあ置いておいて。

    ふとぅぐん、いあーいあー!!
    懐かしのアレが響き渡り遂に、今回の萌えキャラ、クトゥルー登場!クラーケンと呼ばれた事もある蛸のようなニュルニュルです。(表紙のお方)
    古の者達の住んでいた次元が消滅しかけていたので(理由はクトゥルーにも分からんようで)元いた地球に引越ししたい。だから先住者もそもそも我々の派生系に思えるし、人間も皆配下に入って仲良く暮らそうよ、的な事を言うクトゥルー。
    加賀先生が、あんたらは時間も超越するのに消滅なんか関係ないだろ、遡って防げよと突っ込みますが、有機生物じゃないから滅びが来たら滅びるんだよ、いっそ有機生物になりたいよ…とどことなくしょんぼり。

    でもクトゥルーは多一郎に質問して結局満足のいく答えが得られなかった事が気になるので加賀と雄介に質問を。禍津神とはなんなんだよ?
    この辺りですね、加賀を殺そうとしたりお魚を簡単に殺して加賀達を脅したりとラスボス感溢れてたんですよ。人間語もたどたどしい感じで古の神の風格もあったのに、この後から萌えキャラ化して行きます。

    加賀先生、教えてやるから多一郎に会わせろよ。と持ちかけます。禍津神の正体は僕にはなんとなく察しているし、多一郎と雄介を対面させれば僕の確信が確かなものになる筈だ、と。
    勿論、助けるための口実なのですがクトゥルー信じちゃう。しかも会わせるには準備がいるからちょっと待っててね、とデートに行く前のギャルみたいな事を言い出す。おじいちゃん!詐欺に合ってますよ!
    加賀に、長虫を捕らえてカバヤキにでもするつもりかと言われて「長虫…?カバヤキ…?」と知らない単語にはてなとなるおじいちゃん…可愛いな、おい…。

    結局雄介と加賀にだけ多一郎を会わせる事になり、おめかしをして黒衣を身にまとったクトゥルーたんと共に多一郎のいる別空間へ。
    そこはまあ趣向が凝らされた中世の洋館のような所で、魔女狩りの時代に拷問をしていたような場所を想像して頂ければ良いのですが、実際に拷問器具が並んだとんでもな場所。
    そこの一角に拘束され額にずーっと水滴を落とされる拷問を受けている多一郎さんが!
    万一にでも配下にされては堪らないと自らのスイッチをオフにした多一郎は記憶も全てオフってるらしく廃人状態。
    加賀達は「しっかりしろー!」と呼びかけるも無駄。加賀がまたおじいちゃんに、会わせろと言ったけどこれでは見てるだけだ、起こせと詰め寄ります。
    起こして雄介と対峙させないと禍津神の正体が何か確信が持てないと詭弁を弄する加賀にまたしても萌えキャラ言う事を聞いてしまう。
    無理矢理クトゥルーの力で起こした途端、加賀曰くゾンビ状態のように両手を前に突き出し暴走し始める多一郎。しーらね、と逃げるおじいちゃん。
    多一郎はそもそも先住者一のパワーの持ち主なので制御されない状態では手も付けられず、辺りにいたお魚は一瞬で瞬殺、部屋も崩して行く。

    ここからコントの始まり。
    襲い来るゾンビ多一郎を飛んで避けたり逃げ回りながら「正気にもどんなさい!えーいこのヘビおやじ!ニョロニョロ!」と悪口言いながら目を覚まさせようとする加賀、遂に切れ出して「多一郎を助けに来たのであって、戦う為に来たんじゃないぞ、クトゥルーも加賀先生も無責任すぎる!」と同じく逃げ回る雄介。
    クトゥルーにこのままではこの次元もやばいぞとなんとかしてくれと頼みますが「しらんしらん、お前が禍津神の正体が分かると言ったんだろうが」と責任の擦り付け合い。挙句に襲ってくる多一郎に恐れをなして「うわぁ…来た!!」と逃げる萌えキャラ…

    さっきまで日本語もたどたどしかったのに、うわぁって…学習能力凄いな…。あなたグレートオールドワンズの長でしょうよ…
    居合わせていたダゴン様も右往左往してないでなんとかしなさいよ…。情けないぞ!
    ちなみに、前回のダゴン様に関する矛盾ですが、ちょっとだけ説明がありました。なるほどね…まあ納得してあげましょう(偉そうに)

    周りのエネルギーを吸収してどんどんパワーアップして行く多一郎についに加賀、伝家の宝刀。「伊吹涼が待ってるぞ!」
    「おい先生、涼はもう…」と焦る雄介ですが一瞬止まる多一郎さん。しかも泣いちゃう多一郎さん…可哀想、もうやめたって!

    正気に戻るかと期待した2人ですが完全に火に油。涼が死んだ事は覚えているらしく、こんちくしょー!!と更に暴走。雄介がこれは駄目だと遂に戦う覚悟を決めます。

    長くなってきましたので(何時もですが)駆け足で纏めます。
    結局、加賀先生は本当に禍津神の正体を見極めました。禍津神とはプラスエネルギーの先住者とは双極を成すマイナスエネルギーの思念体、ブラックホールらしいです。ブラックホールに自我を持たせたのが誰かはまだ謎ですが(3部で分かる予定だったなこれは…)とにかくとんでもないエネルギー同士がぶつかり合う羽目に。

    一方、残された風太達ですが、それぞれ調べた所、今いる所はなんと地球だと言うことが判明。外は海底であり風太が沈んだ遺跡を発見します。そこにはやはりモアイ像が。なんだってー?!となる訳ですが多一郎と雄介のビッグバンのせいで崩れ出すルルイエ。逃げ遅れた華子が重大な事を発見し、最後に全員に伝えます。
    「セイヤの居場所が分かった、ここは地球…。セイヤはアトラン大陸に居る…多一郎さまとの子が欲しかったあぁ…」茨木が助けようとするも間に合わず、華子は崩れゆくルルイエと共に虚無の海へと散って行きました。
    華子、お疲れ!となるかと思いきや、なんかちょっと淋しい…。愛着湧いてたのかな…笑わせてくれてたから…。
    ところでアトラン大陸ってアトランタですかね?

    このビッグバンのせいで人間界も魔界もえらいこっちゃの大騒ぎ!
    多一郎が雄介と、白と黒のエネルギー体となってぶつかり合いながら無意識に己のテリトリーの不二の宮に帰ろうとするので、魔界は灼熱地獄のどろどろ状態。その間にも様々なエネルギーを吸収して礼津婆ちゃんの力をも超えようというパワーを持ち始めているので、このまま萌えキャラの作り出した異次元(ルルイエでは無いです)から落ちて来たら全滅どころか地球さよならです。
    下等の妖怪さんたち意外にも死にたくない!と騒ぎ立て、礼津おばあちゃんに助けてと口々に頼みます。
    その姿に情けないと呆れるおばあちゃんでしたが、結局意を決して黄金の巨蛇の姿に戻り孫を止めるべく飛び立つ…!!
    今の多一郎には勝てないかも知れないと、役行者とお別れをするおばあちゃん…礼津が死んだら華子どころのショックでは無いので頼むから次巻では無事で居て欲しい…涙
    おばあちゃんも好きなんです…

    いよいよ盛り上がって参りましたが、グレートオールドワンズ共よ…何をサボっているのだね?
    このままでは多一郎さんがラスボスになってしまうよ…?
    まあこれはこれで私は面白いですけれどね。

    • ultraman719さん
      σ(´~`*)ムシャムシャ
      σ(´~`*)ムシャムシャ
      2024/04/21
    • 1Q84O1さん
      オエェェェェェェェ〜
      (~O~;)
      オエェェェェェェェ〜
      (~O~;)
      2024/04/22
    • yukimisakeさん
      たんと召し上がれ…_(:3」∠…
      たんと召し上がれ…_(:3」∠…
      2024/04/22
  • 次元を超えるための次元回廊があったはずだけど、クトゥルーは自分で越えられる。イメージがわからない。 しかし、八岐の暴走は想像できなかったのだろうか。途中でなんとなくそうなるような気がしていたのだが。 さて、いったいどう収まったのか、収まらないのか。先がきになります。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早大卒。江戸川乱歩賞、吉川英治文学新人賞受賞。中島梓の筆名で群像新人賞受賞。『魔界水滸伝』『グイン・サーガ』等著書多数。ミュージカルの脚本・演出等、各方面でも活躍。

「2019年 『キャバレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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