魔界水滸伝 (18) (カドカワノベルズ)

  • 角川書店 (1990年6月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (228ページ) / ISBN・EAN: 9784047709188

感想・レビュー・書評

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  • 今回、ちょっとややこしい話になって来ました。
    話自体は全然進んでいません。
    心配していた礼津おばあちゃん、一切の出番無し…。

    前回からの続きで胸熱バトルの始まりかと思いきや、傍から見える壮絶な雄介vs多一郎は実際はどうなっていたのか、というお話。
    結論から言うと逃げてたクトゥルーおじいちゃん達がこれ幸いとばかりにまたもや2人に精神攻撃をかけて、陥れようと頑張っていました。
    今回は主に雄介に対しての精神攻撃がずーっと描かれます。本当に最後までこれ。
    その中で色々と雄介が悟ったり、古の物をしれっと一体倒したりと一応進展はあるのですが確実に第3部への布石がゴロゴロと…

    雄介はずっと自分が本当は誰なのか悩んでいました。この弱点をついて雄介を色んな時間軸で過去に戻し、その度に雄介が何者かを忘れさせ「俺は誰だ?」となっているままに過去に雄介が禍津神として憑依していた人物となってその人生を追体験させて行きます。そしてクトゥルー側が手下などを使って最終的に雄介を闇堕ちさせようと攻撃。そこで雄介なにくそー!!と我に返り抵抗してはまた新しい人生の始まり。「私は誰?ここはどこ?」状態。
    これの繰り返しです。

    こう書いてしまうと簡単なのですが、これが結構しんどそうです。
    先ずはよく名前の出てきた『スサノオノミコト』としての人生。クシナダと会ってその日のうちにイチャイチャといたした後にヤマタノオロチ、多一郎さんと戦うのですがこれが勿論、本物ではなくニャルラトホテプちゃんです。突然ニャルニャルしに来た。
    ずっと私は誰?状態だったのですが、ヤマタノオロチ討伐に向かう暗黒の洞窟のような場所に足を踏み入れた時には既に自分が誰かは思い出していました。
    この洞窟で懐かしい面々が亡者となって雄介に襲いかかってきます。秀英に玲林、学生運動時代の仲間、カミンスキー少佐…。心を強くもって雄介はこれを薙ぎ払って行きますが、涼が首を抱えて現れたのには流石に手が出せません。

    この頃、雄介は涼と同じように従順にひっそりと自分を思ってくれるクシナダに愛される事により、漸く多一郎の気持ちが分かり、またスサノオノミコトとして生きるうちに禍津神として精神生命体である事への理解もむしろ深まっていました。
    俺たちなんで戦ってるんだよ?!ずっ友になれるよ!とまで思ってる。
    止めようとするかのように見つめてくる涼の亡霊を振り切り多一郎の姿をしたニャルとご対面。
    「楽になれ、全て身を私に委ねろ」と闇堕ちさせてこようとするニャル多一郎が偽物だと見抜き、ニャルを草薙剣で一刀両断。

    ニャルちゃん…弱すぎん…??もう少し頑張りなよ…

    ともかく第1の精神攻撃から逃れ自我を取り戻した雄介は宇宙空間に戻り、遠くで倒れている本物の多一郎を発見。
    呼びかけて起こしますがまだ多一郎さん暴走中。ずっと精神世界で涼を追い続けているので戻ってきません。しかし雄介が宿敵だという念は消えないようで無条件に攻撃してきます。
    本来なら2人は手を取り合い古の者達を倒さねばならない。2人が手を組むと驚異になるので、古の者達が2人を争うように仕向けていたと言う事に気付いた雄介は、多一郎の攻撃を受けながら必死に呼びかけます。恋慕にも似た感情、というまさかのここで胸熱のブラザーフッドバトルがスタート。
    「正気に戻れ!涼を覚えているか、涼は俺とお前が争う事を望んでいないぞ!」
    しかし雄介よりも長い間精神攻撃を受けて自分のスイッチをオフにした多一郎は中々手強い。
    こうしている間にも2人のパワーがぶつかり合い魔界が破滅の危機に。

    ここでまた雄介がクトゥルーの精神攻撃に捕まり「私は誰?」状態に逆戻り。ですが自分の事は忘れてるものの多一郎の事は覚えているのでマシだと思いはしますが、また自我を取り戻す事のやり直しです。
    今度はインドのシッダールタ。天上天下唯我独尊のあのお方です。あの方も栗本さんの手にかかれば禍津神化です。
    ここで攻撃してくるのはクトゥルーの配下となっていた阿修羅王です。いやアシュラちゃん!
    たわわな果実を丸見せにしてエロテロリストしてくる!やめて!エッチすぎるから!!
    中学生には読ませられませんね、けしからん。

    しかしここでもシッダールタ雄介強い!強固な意志を持って跳ね除けます。唯一覚えている多一郎の行方を訊ねると「あやつは稚児を追ってヨミに下っていった。あやつはしょせんラーのとりこよ」と案外親切に教えてくれるアシュラちゃん。
    しかし「ラー」と言う言葉に雄介は引っかかります。何処かで聞いた事がある。

    思い出しかけつつ、多一郎どこだー!と探し始めた所に「私は誰?」ループ。
    次はなんとイエス・キリスト、ジーザス。
    ここでは懐かしのルシファーさん登場。クトゥルー達に配下になれと誘われて、面白そうだから雄介達を精神攻撃に嵌める手伝いをしていたが、どうもあのニョロニョロ共はやはり馬が合わないし、地球には思い入れがあるとの事で、要は雄介に助言をしに来てくれたのでした。

    ジーザスだった頃の雄介とルシファーは馴染みがあるらしく、気安く話をしていましたが、冥王星で考え込んでいたルシファーさん、とある考えに行き着いたそうです。
    これがかなりややこしく、書いてみますがあまり私も理解していません。なんとなく、そっか、程度で良いと思います。

    クトゥルー達は時空移動も出来るので過去に飛ぶ事が出来ますが、その時間軸によってやはり制限のようなものがあり、クトゥルー達は移動先ではその制限内の存在になります。
    従って、過去の1部として時間軸は認識するのでもし雄介達が過去に飛べたとして、侵略を防いだとすると今のこの世界は無いかも知れないという事。
    α世界線ではなくβ世界線になってしまうので、別の世界になる。(シュタインズ・ゲート風に言うと)
    なので、この侵略は今の世界線を存続させるには必要な侵略だったのであり、防ぐべきでは無いかも知れないが、防がなければこの世界線の人類(もうあんまり居ないけど)と先住者達は壊滅する。
    どうするよ、ジーザス?と楽しそうなルシファーさん、どこかに消えてしまいました。

    頭が…頭が痛い!!!今だけオカリンになりたい!!

    また新事実を手に入れて悩ましくなる雄介ジーザス。でも基本的に頼れる兄貴なので「そうだとしても未来がある!」と希望を捨てずに立ち上がった所に、例の私は誰ループ。
    今度は織田信長。しかもいきなり本能寺の変からスタート!ヘビーすぎ!
    傍らに居たのは森蘭丸。逃げろと再三伝えるも、蘭丸は頑なに信長と共に死ぬ、と言って聞きません。ついに折れた信長は蘭丸の腹を自ら刀で貫き、その後に首を切りますが、首からは血が出ずに転がった後、涼の首に変わります。

    なんでじゃ!とまた我に返る雄介。
    ここらで雄介また新たな事実に気付きます。何故、多一郎のウィークポイントである涼が自分の所にこうも現れてくるのか。
    自分は多一郎ほど涼と深い関係ではなかったのに。
    アシュラちゃんの言っていた「ラー」が気になる雄介。何か勝敗に関わるキーワードが潜んでいる筈だ。

    と思いつくのですがまだまだループが止まらない。次は由比正雪となり世直し失敗。これは斜め上の人が出てきてびっくり。その次はいよいよ一番雄介にとって思い出深い学生運動時代、世直しまっしぐらの青春時代に戻されます。
    仲間だったのに今は命を散らしてしまっているカメレオンや岡田達が元気に雄介に話しかけてきます。
    正雪の時にそろそろ精神が壊れかけてきていた雄介、もうやめてくれ!!と心で叫びます。
    そして雄介が警察に逮捕されるまでの当時を辿らされた頃には限界近くまで追い詰められますが雄介頑張る!
    「俺は、敗けぬー」
    あと一歩でクトゥルー達が恐れるキーワードに手が届く。亡者どもよ去れー
    念じながらも雄介は再び暗黒の闇に堕ちて行くのでした。

    いよいよ第2章が確実に終わりに近付いて来ていますね。礼津おばあちゃん、早く助けて!もう2人とも限界ですよ!!
    そして結局、涼くん君何者なの?!多一郎さんが大変なんだからそろそろ助けに来て!!

    • ultraman719さん
      長い感想も、これだけに集約できるんや〜!w
      長い感想も、これだけに集約できるんや〜!w
      2024/05/03
    • 1Q84O1さん
      今後、ユッキーさんはレビュー50文字以内で!w
      今後、ユッキーさんはレビュー50文字以内で!w
      2024/05/03
    • yukimisakeさん
      お姉様が8行でまとめてしまった!爆笑
      50文字?!前置きだけで終わります(≧▽≦)
      お姉様が8行でまとめてしまった!爆笑
      50文字?!前置きだけで終わります(≧▽≦)
      2024/05/03
  • この巻って17巻の続きですよね。過去の出来事を再度体験させられている。だとするクトゥルーに拷問されている?のか。17巻の後はどうなったんだろう。 ところでクトゥルーが主張している「自分たちが先に地球にいてお前たち(先住者や人間)に追い出されたから自分たちに住む権利がある」というのはパレスチナ問題そのもの。さて、そこまで何か考えがあったのだろうか。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早大卒。江戸川乱歩賞、吉川英治文学新人賞受賞。中島梓の筆名で群像新人賞受賞。『魔界水滸伝』『グイン・サーガ』等著書多数。ミュージカルの脚本・演出等、各方面でも活躍。

「2019年 『キャバレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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