秋に墓標を

  • 角川書店 (2004年11月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784047881716

作品紹介・あらすじ

愛犬と静かな生活を送っていた松原龍は、浜辺で見知らぬ命を狙われている女・内村杏奈と出会う。龍は捨て去っていた恋愛感情が呼び戻されるのを感じてしまう。そして消えてしまった杏奈を追い、静かな男の激しい闘い

みんなの感想まとめ

孤独を選んだ男が、思いがけない出会いを通じて変わっていく様子が描かれた作品です。主人公は、静かな生活を送る中で、逃げる美しい女性との出会いによって再び恋愛感情を呼び起こされます。物語は、勝浦の海や釣り...

感想・レビュー・書評

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  • 大沢在昌お得意の、昔はちょっとは「ならして」いたが、故あって今は孤独をかこっている男が主人公の、極太のハードボイルド。
    とはいえ、鮫シリーズやアルバイト探偵シリーズのような派手なものではなく、佐久間シリーズ(しかも後期の)のような、感傷的でしっとりとした作品となっている。

    公安からCIAまでが出てくるのだが、アクションらしいアクションはラストまでほとんど出てこない。
    前半はひたすら勝浦の海や釣りの描写が続く(大沢氏の別宅は勝浦で、夏などは釣りを楽しんでいるらしい)。
    いかに主人公が孤独であるか、そしてその孤独を望んでいるかが書き込まれている。
    まあ正直、釣りの薀蓄なんかは蛇足かなーという気もしなくはないのだけれど。ただ、釣り糸を垂れること、海に向かい合うことで、主人公の心境を表現しているので、多少は多めに見よう。

    そこへ、お約束のようにやってくる美しい女性。しかもいわくありげな謎を持った女性。
    さて、彼女の素性は?
    何故彼女は逃げていたのか?
    主人公、リュウの元から消えてしまった彼女を、リュウは探し出すことができるのか?

    帯には「春に彼女と出会い、夏に熱い感情を覚え、そして秋に、過ぎ去った夏を想う」とある。
    このコピーは、実にうまく本作を表している。

    墓標とは、誰のものか、何の意味を持つのか。

    人は時に、思いがけない出会いを経験するのかもしれない。
    こんな墓標は、できれば欲しくはないけれど。


    オーソドックスなストーリーであるが、だがその王道のストーリーをここまで緻密に、男の孤独感と女性を求める純粋な気持ちを軸に書けるのは、さすがの一言。
    大沢氏は、実は派手なアクション物よりも、こういう作品のほうがうまいんじゃないかと、密かに思ったりもする。
    もちろん、ハードアクション物もうまいのだけれども。

    佐久間シリーズが好きな人にはオススメ。
    孤独を無理に選んだ男の恋愛物が好きな人にもオススメ。
    男と男の友情物が好きな人にもオススメ。

    うじうじした男が嫌いな人にはオススメしません(笑)。
    (リュウの名誉のために付け加えると、リュウはうじうじ考えるけれど、結局は自らの目で確かめたい、と行動に移す男らしい男です)

  •  うん、非常に渋い。渋過ぎる。<BR>
     なんで、最後にそうなるのぉと青い私は少々混乱しました。また、40代とかに読んでみたい作品。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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