- Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047912748
感想・レビュー・書評
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クムランの洞窟で死海文書が発見されてから半世紀。その文書が盗まれ殺人事件が起こる。考古学者のダビッドと息子のアリーが事件の調査を始める。連続する犠牲者。バチカンが封印する死海文書の謎。古代ユダヤの預言書に書かれるイエスの姿は…。非常に読みづらい。ストーリーを楽しむよりもほとんど死海文書の解説書だと思って読んだ方が良い。それくらいの情報量が入っている。
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何せ読みづらい文章。言い回しが面倒くさくて文章読解能力が必要。でも本当かもしれないと思わせる説得力がある。
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驚愕の真相。
謎の鍵は語り手にあり。
ただし、あまりにも意外な語り手の正体は、推理不能。 -
これは小説なんだが、内容がやたらに詳しい。
どこまでが本当で、どこからが著者の想像・創作なのか、読んでいると全くわからない。
ユダヤ教の内部から見た模写が秀逸。
しかし、日本人にはこういった小説は書けないだろうな、というほど緻密で精細な模写。
ただし、私のように何日もかけてゆっくり読む人間にとっては、前に読んだ内容がどんどん忘れ去られていくので、筋を追うのが至難の業、という欠点も。
<追記>
この小説を読んでいるとき、たまたま昨夜観た映画はその名も「Angels and Demons」というもので、こちらは、ダビンチコードの続編らしいが、古代から続くイルムナルティーという秘密結社と現キリスト教との話を映画化したもので、どうもこの手のものに意図せず集中しているきらいがあるなあ、などと思いながら・・・。
ここの解説にもあるように、1947年のクムランの洞窟で発見されたエッセネ派のものと思われる「死海文書」を題材にした、なんというか、サスペンス小説です。
著者は、若干26歳の哲学科教授で、しかもすごい美人!
って、関係ないですが、しかし、この小説、ものすごく読みにくい。
理由は、その情景模写や心情記述がすごく詳細かつ綿密で、しかもユダヤ教やらキリスト教の言葉が随所に現れ、読んでいても意味不明な文章がえんえんと続く。
たとえて言えば、原始仏教を題材にした小説で、その中に仏教用語がふんだんに現れるような感じ。それらの言葉を知らないとほとんど意味を成さない。
下手をすると、どこかの風景を描くのに、そのためだけに数ページにわたって書かれていて、だんだん読むのが億劫になってきて、最後には、ざっと見て、その内容が本筋とはあまり関係がない、と判断すると、そこを読み飛ばす、という仕方で読んで、それでも一週間ほどかかった。
しかし、この著者、この若さで、こんな小説、キリスト教とユダヤ教、そして、その大元にあったと思われるユダヤ教諸派や、エッセネ派やグノーシス派が入り乱れ、初期の原始キリスト教の立ち上がりにかけての紀元前数世紀から紀元後1世紀ぐらいまでの史実を織り交ぜながら展開していく、これほどの物語がよくかけるなあ、というのが最大の印象。
浅学な私には、初めに書いたように、どこまでが「史実」で、どこからが著者の「フィクション」か、わからないぐらい、少なくとも私の知っている死海文書の発見から現在までの経緯にかかわるいろいろな「事件」を使用している。
思うに、死海文書が発見されてから、国際チームなるものが組織されたにもかかわらず、数十年にわたってその内容が公表されないできた、という事実そのものが、こういった「あらぬ想像」をもたらし、その想像からこの小説が出来たのではないか、と思える。
そこに展開される「主題」は、「イエスは存在したのか?」とか、「イエスはユダヤ教徒だったか?」「洗礼のヨハネ」との関係は? 「エッセネ派との関係は?」と、未だに多くの謎を秘めている原始キリスト教の「謎」に置かれ、この著者は、この死海文書の「失われた巻物」を通して、次第に驚愕の真実が暴かれてゆく、という筋立てにしている。
この著者がユダヤ教徒なのかどうか知らないが、(少なくともキリスト教徒ではないだろう、と思う。なぜなら、小説とは言え、この内容は、キリスト教徒に言わせれば「冒涜的」と言う以上に、キリスト教そのものの根幹にかかわる「異説」だからだ)、ここまで小説として書くことのできる「筆力」に驚嘆する。
この本はフランスでベストセラーになった、と本の帯には書かれているが、なんとなくうなずける。それだけの「衝撃性」を持った小説なのだから。 -
174夜
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なぜか、この類のテーマを扱う作品は皆、一様にミステリー仕立てである。
(この項、書きかけ)
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出版社/著者からの内容紹介
誰が何のためにキリストを殺したのか--。恐るべき真実に触れた「死海文書」をめぐって頻発する連続殺人。哲学と神学を横断する衝撃のエンタテイメント。若き哲学者が放つ驚愕の処女小説。