王子と乞食

  • 角川書店
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本棚登録 : 75
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (526ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047914469

作品紹介・あらすじ

素直でやんちゃな乞食のトムと、利発で思いやりあふれるエドワード王子。二人が出会い、たわむれに入れ替わると瓜二つ。本物の王子は乞食として追い払われ、乞食は王子として宮殿で生活する羽目に。運命のいたずらが、少年たちに、大人たちにもたらしたものは-。子供の姿を通して幸福の根源を描きつづけた、マーク・トウェインの代表的傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 昔教育テレビで見てました。<br>
    名作。

  • ★2.5

    装丁のデザインが良い。

    舞台は16世紀半ばのイギリス。一卵性双生児のような王子と乞食が衣装を取り替えたことを契機に事故的に入れ替わり、それぞれの極端な環境に順応せざるを得なくなる話。

    ストーリーは児童向けらしく啓蒙的な勧善懲悪。大人向けとしては内面描写や人間模様、政治や統治の諸々の描写が乏しいが、笑えるシーンが結構あってそこそこ楽しめた。靴下のバケツリレーとか食事中に鼻が痒くなったときのエチケットとかヘンドンが暴れるラバに乗ろうと"神さまも貴様だけは創らなかったぞ!"と罵声あびせかけたりとか。コミカルな部分は大人の読書にも耐え得る。
    まるでだれかに話しかけるみたいにひとり言を堂々と発する演劇っぽい演出もコミカルといえるかもしれない。これが古典系に多いのは昔は演劇が主流で大衆と馴染んでいたからなのだろうか。

    宮廷劇にせよ浮浪生活にせよ単純なタッチで描かれていくのだが、王子の治世が数年しかもたなかったというオチだけは史実通りにピリッと締めている。
    王子のモデルとなった史実のエドワード6世は生まれつき病弱であるが、本作の架空のエドワード王子はわんぱくで元気な少年として描かれているため、その若死には浮浪生活の道程で病気をもらったかなにかしたのだろうか、という妙な想像が頭をよぎった。

    ちょっと不可解なのは、玉璽の在処がわかるほうがホンモノサイバンで場所を思い出そうとするエドワードをトムが手伝うシーン。見ようによっては頭の病気の王子がいつもの妄想でサギ師に歩調を合わせてるという見方もできてしまうのだが、伯父を始めとする宮廷の人間たちは誰も疑義を持たず、あっちがサギ師でないならそっちがサギ師という具合にコロコロ態度が変わる。エドワードサイドの大人たちにとっては結局どちらでもいいという風にも窺える。なんだかんだトムは政務をうまくこなしていたこともあり、それも日毎に向上してるとあらば便宜の上では別段取り替える必要もない。
    トムは母親が気づいたが、エドワードのほうは伯父はもちろん愛してくれていたはずの父親ですら気づかない。ヘンドンはトムを見ていないのでここには含まれない。エドワードをエドワードたらしめたのは玉璽であって、言動は何の役にも立たなかった。浮浪生活で感じた王子の孤独は、外面的に解消されたに過ぎず、本質的には初めから最後まで孤独であることに変わりはない。元から孤独だったことを、身分を剥奪され物理的に周囲からひとがいなくなったことで気づいたともいえる。

    作中ではトムとエドワードが入れ替わっていることに気づかない大人たちによってその言動を病気として処理されることで整合性を取っているのだが、現実にはこの手の精神疾患が実在し、その治療法は未だ発見されていないことを考えると笑ってばかりではいられない。

    読書中、挿絵の顔のバランスがページによって随分違うのが気になっていたのだが、巻末の解説で挿絵画家が3人いて人物画はそのうち2人で分担しているという説明で腑に落ちた。

  • 子供向けの本なのに、苦戦しました。
    なんで?と思ったら、この話が初めて翻訳されたのは明治32(1899)年で、その後数十種類にのぼる数多くの日本語訳が出版されてきたのですが、原作の全容を正確に伝えたのはこの2003年版が初めてなのだそうです。
    それまでは抄訳だったり、削除箇所が多かったり、いい加減な挿絵や注釈を書き入れたり、あるいはまったく児童向きに書き直したり。
    私が軽い気持ちでこの本を予約してしまったのは、こういうことによる誤解が原因だったのでしょう。


    さて、登場人物の多くがこの本のでる340年前にイングランドで実在した人物。王子エドワードはヘンリー8世の息子。母親のちがう姉がブラッディ・メアリーとエリザベス一世という、イギリス史の面白い時代。「マーク・トウェインはこの作品を通して、子供の目線で見た16世紀のイングランドの世情を痛烈に皮肉った」とWIKIに書かれています。

    DVDで見ようかな。そのほうがいいみたい。調べたら1977年のが面白そう。余談ですが王子役のマークレスターはマイケルジャクソンと親友で、マイケルに精子提供をしたこともあると発言し、マイケルの娘パリスは自分の子供だと思うと語っているそうです。そっちのほうが面白そうだ!

  • 「物語」として最高の作品の一つだと思う。二人の少年が人との出会いを通して成長してゆき、最終的に悪が裁かれ善が報われると言う、爽快エンディング。

    …でも星新一の「なりそこない王子」だと…

  • ときどき意味わからんくなる笑!
    面白いけどひきこまれないなぁ、!!
    昔は怖いー!!!

  • 素直な気持ちで読める本。
    挿絵も多くて、雰囲気も素敵で楽しめました。

  • 高校の頃、ちょうどこの新しいのが出たところで図書室で借りて読んだもの。
    装丁に何となく惹かれるものがあって手に取ったのだけど、予想以上に読みごたえがあった。さすがトウェインだなぁ。こういうおはなしの語り方って、感覚の部分で体得していないと難しいことだろうなと思う。
    実は、トム・ソーヤやハックルベリー・フィンは半端にしか読んだことがなかったり。今度、読みたいな。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    素直でやんちゃな乞食のトムと、利発で思いやりあふれるエドワード王子。二人が出会い、たわむれに入れ替わると瓜二つ。本物の王子は乞食として追い払われ、乞食は王子として宮殿で生活する羽目に。運命のいたずらが、少年たちに、大人たちにもたらしたものは―。子供の姿を通して幸福の根源を描きつづけた、マーク・トウェインの代表的傑作

  • 下町の貧しい少年と王子様は瓜二つの容姿。戯れにお互いの衣装をとりかえたことから大変なことに・・・! 子供向けの本で読んだきりだったのを新訳・完全版が出たと知り、買いました。面白いだけでなくいろいろと考えさせられる、大人も子供も楽しめるお話だと思います。

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著者プロフィール

Mark Twain 1835年-1910年.
邦訳された自伝に、
時系列順に並べられている
『マーク・トウェイン自伝 〈上・下〉 ちくま文庫 』
(マーク トウェイン 著、勝浦吉雄 訳、筑摩書房、1989年)
や、トウェインの意図どおり、執筆順に配置され、
自伝のために書かれた全ての原稿が収録されている
『マーク・トウェイン 完全なる自伝 Volume 1〜3 』
(マーク トウェイン 著、
カリフォルニア大学マークトウェインプロジェクト 編、
和栗了・山本祐子 訳、[Vo.2]渡邊眞理子 訳、
[Vo.1]市川博彬、永原誠、浜本隆三 訳、
柏書房、2013年、2015年、2018年)などがある。



「2020年 『〈連載版〉マーク・トウェイン自伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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