- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047916098
作品紹介・あらすじ
アヌビスは葬儀屋に、ランプの精はタクシー運転手になった。テクノロジーが蔓延する社会で身を寄せ合う古の神々が今、動き出す。
感想・レビュー・書評
-
『グッド・オーメンズ』もそうだったのだけど、大きな力に巻き込まれた小さな人間への、ニール・ゲイマンの眼差しが温かくて安心する。
だいぶ血も流れる話なんだけど。
シャドウがすごく好き。
彼が善良かというと肯定をためらうけど、善くあろうとする人になったのは確かで、その姿にグッと来た。
周囲のキャラクターも、味方も敵も魅力的。
私がもっと世界の神話に詳しかったらなー!
一層楽しめたんだろうに。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公シャドウがよいなぁ。
「それにしても、でかいな」と、会う人ごとに言われる大男。あわてず騒がず、来る者拒まず。子どもとみれば、得意のコインマジックを披露して楽しませてやらずにはいられない。気は優しくて力持ち。それでいてどこか見捨てられた子犬のような風情があって、「あら、あら、あら」とシャドウの後を付いてまわっているうちに、読み終えてしまったという感じ。
移民とともにアメリカに渡ってきたものの、今では崇められることもなく人々に忘れられ、力を失った古い神々の造型も楽しい。かつかつの生活を送るそれらの神々の姿を、ゲイマンは愛情(多分)込めて魅力的に描き出してみせる。それに対し、現代生活の進歩とともに誕生したITテクノロジーの神、テレビの神、ハイウェーの神といった、いわば新参者の神々は、薄っぺらで軽薄で、なんだかなおざりな描かれ方で、それもまた面白い。
これらの神々の姿を通して、アメリカという国の成り立ち方や人間の心の移ろいやすさ、なんてことを読み取ることもできそうだ。
所々に挿入された、トト神描くところのアメリカ史は、それだけとっても読み応え十分。また、“現代人、神に遭遇す”とでも題されるようないくつかのエピソードのうち、アラブの青年とタクシー運転手との出会いが、妙に心に残った。
シャドウとの不思議な因縁を感じさせる、“女の子のサム”も魅力的。
3回ほど登場シーンがあるのに、正体不明の神が一人。この、人々の記憶に残らない、チャコールグレーのスーツ姿の神が誰なのかについては、海外のサイトでも、様々な推測をして楽しんでるようだ。スーツ姿の神を描いた英詩ってなかったかしらん。
ちょうど網野善彦の著作を読んでいるところだったので、アイヌの交易に関するくだりには、おぉ、と驚いた。
American Gods by Neil Gaiman -
信仰のない神は忘れ去られ
信仰のない人間は孤独
全ては大地と共にあり、大地は続いていく
結構長かったけど回収は上手かった -
変わらず痛い
八百万の神々
最後はまあそうなるか -
心に女神転生を持たないイギリス人が描くんだから凄い神々の一大衝突。ゲイマンの中でもかなり暗いトーンで、不幸に捕らわれるか負け犬か苦境に身を任せるか、登場人物の大半がみじめさを背負った寂寥感はそれでいて静謐な美しさもある。そこから長い冬の明けるラストが爽やか。
-
2013.12.5
-
神話関係には疎いのでいまいちピンとこないところもあり、面白さを充分に味わえなかったように思う。
合間合間の挿話は楽しく読めた。 -
年末年始の休みで途中が空いてしまったので若干追えなくなったところもあったけど一気に読めばもっと面白かったと思う。ダークファンタジー。女神転生シリーズ好きな人はそういう楽しみもあります。ゲームでお馴染みの悪魔や神様多数登場。
-
新大陸「アメリカ」に渡って来た、
いまは忘れ去られつつある旧世界の神々と、
今現在の神々が戦いを繰り広げるという、
荒唐無稽とも思えるカルト・ダークファンタジー。
ものすごく面白い。
メインストーリーの合間の挿話が、
これまた楽しい。
世界にはこんなに妖精・神々が。
何せ巻末に、登場した神・妖精のアイウエオ順一覧があるし。
2002 年 ヒューゴー賞長編小説部門受賞作品。
2002 年 ローカス賞ファンタジイ長篇部門受賞作品。
2002 年 ネビュラ賞長篇小説部門受賞作品。
2002 年 ブラム・ストーカー賞最優秀長編賞受賞作品。