- Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047916203
作品紹介・あらすじ
ベイカー街の名探偵が挑む、緑の血が飛び散る殺人事件、ひとりの女性が忽然と消えた、いかがわしく謎めいたサーカス、パーティで女の子に話しかけようと奮闘する男の子の純真…。ほんのちょっぴり、何かがおかしな、ゲイマンのマジック・ワールド!生涯、忘れられない一冊との出会い。すべての予想を鮮やかに裏切る、傑作短編集。
感想・レビュー・書評
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奇妙な味の短編集
翠色の習作:ホームズが活躍。被害者の血は緑色,怪奇ミステリー。
10月の集まり:12月の物語,死霊と家出少年
苦いコーヒー:ゾンビ
よい子にはご褒美を:奇跡の演奏
食う者,食わせる者:悪夢詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かったです。ミステリ、SF、怪奇小説、詩…とバラエティに富んでいました。
ラヴクラフトの世界でシャーロック・ホームズな「翠色の習作」、とても楽しかったです。ワトスン君がアフガニスタンで戦ってきた者も、事件で殺される王族も、それ旧支配者か何かでは……。でもちゃんとシャーロック・ホームズですごい。
「形見と宝」「食う者、食わせる者」「サンバード」がお話では好きでした。詩は「円盤がきた日」。円盤がきた日のカオスな世界が好きです、結末もいい。
元ネタ?がわからない作品もあったので、手元に置きたくなりました。確か文庫が出てたはず。 -
ブラッドベリは逝ってしまった。当たり前のことだけど、人は永遠には生きられない。壊れやすく儚く脆い。世界が「安っぽい見かけ倒しのにせもの(byゴリアテ)」に見えるのは、この脆さを隠して、さも永遠に続くかのように見せているから。明日が今日の続きかどうか、誰も知らないのに。
「今日」と「明日」の間のいつでもない時どこでもない場所に「物語の種」が隠してあって、ブラッドベリやニール・ゲイマンのような人々はその種を育てることが出来る。その種から育ったきらきらとしたものが彼らの本に埋め込まれている。
壊れやすい世界の中にあっても、物語の中にある輝きは永遠だ。
・・・って、「レビュー」じゃないなこれ。ま、いっか。 -
2010/4/6 借りる、 4/16 読み始める、5/5 短編集なので途中でおしまいにする。
2010年2月19日公開の 映画「コララインとボタンの魔女 3D」をみようかなと思って、先に原作の本を読んだ。
⇒ コララインとボタンの魔女
原作はニール・ゲイマンの同名ベストセラー小説。
結局 映画は見に行かなかったが、
ニール・ゲイマンの本を読んでみたくなった。
あまり怖くないホラー、ストーリーもイマイチ、途中で飽きてしまった。
内容 :
ベイカー街の名探偵が挑む、緑の血が飛び散る殺人事件。
ひとりの女性が忽然と消えた、いかがわしく謎めいたサーカス。
パーティで女の子に話しかけようと奮闘する男の子の純真…。
すべての予想を鮮やかに裏切る短編集。
著者 : ニール・ゲイマン
イギリス生まれ。アメリカン・コミック「サンドマン」の原作者。
世界幻想文学大賞、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ブラム・ストーカー賞などを受賞。著書に「アナンシの血脈」など。 -
『コラライン』の作者ファンタジー作家のニール・ゲイマンだが、指輪のようなハイファンタジーでもなく、ハリポタのようなエブリデイ・マジックでもない、ブラッドベリ的な独特の世界が詰まった短編集。その世界自体は好き。しかし、翻訳者が嫌い。何度読み返しても日本語として辻褄が合わない部分があるし、「本書について」の訳では、現在活躍中の作家マイケル・シェイボンをチャボンと表記するなど、信じられない訳をしている。本当に英米文学の教授ですか?と思う。ネット検索ですぐ出て来るのだから調査を怠っているとしか思えないし、例えシェイボンを知らなかったとしても、チャボンと読むことは英語として有り得ないのではないか?
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一回読み終えた時点でお気に入りのもの.
『ハーレクインのヴァレンタイン』,『スーザンの問題』,『指示』,『最後に』,『ゴリアテ』,『円盤が来た日』.
『メモリー・レーンの燧石』は,色彩がもっとも頭に残った.
『ヴァンパイア・タロット』は全部読んでみたい.
『十月の集まり』は他の月の話を聞いてみたい.
『オクラホマ州タルサとケンタッキー州ルイヴィルのあいだのどこかで,グレイハウンド・バスに置き忘れられた靴箱の中の,日記の数ページ』は,言葉ひとつひとつがとても印象的だった.
詩とか特にそうだけれど,ぜひ原書でぜひ読んでみたいですね.
妄想が膨らむ一冊. -
好きな読書家さんがおすすめしてて、衝動買いして、読んでなかったけどやっと読めた。
私もその方と同じく翠色の習作が一番好き!!
ネタばれなしで読んでもらいたい。
元ネタがわかってるとほんとにきゃっきゃしたくなるというかほんとにもうきゅんきゅんですよ。
あとは十月の集まりと、他人と形見と宝と指示とサンバードがすごく好きだった。
引用は苦いコーヒーのものなんだけど、読んだ瞬間机をたたいて、その通りだ!!と心の中で諸手を挙げて賛同した。
日本は生きるのに苦労しないから、どうも生への執着が生まれにくくて、生きてることがどうもめんどくさい。
そして生きてる間は行きたいところにどうやったってたどり着けないから早く死にたいんだけど、自殺はちょっと事情があってできないし、となると死ぬのもめんどくさいし。
ままならない。
短篇通してこの人は、生も死もつながっていて、生きる上での食べることもセックスすることも苦しむことも全部灰色(あるいは藍色)がかって見てるように見える。
きちんと色がついてみえたのはサンバードで鳥が飛んできた一瞬くらいだった気がするな。
なんというか、イギリス生まれ、といわれてすごく納得できる文章の色だった。
それがどれくらい金原さん野沢さんのフィルターがかかってるのかわかんないけど、読んで良かったと思う。
この間、ある映画を見てから、あたまの中で「flesh,flesh!!」と歌う声が鳴り響いて離れないんだけれども、私はミンチにはなりたくなくて。
でも一枚肉で美味しく食べてもらうには少し運動が足りないかなと思ってすごく反省していた。
この本の中ででてきたひとは、あんまり他人の味は気にしないみたいね。
私はどうせなら、一枚肉で、きちんと調理して食べてほしい。
ただの栄養源ではなくて、きちんと口にするのに値するものだと記憶してほしいと思うので、もうちょっと健康管理に気をつけようと思う。 -
「翠色の習作」が好き。
ホームズ ミーツ ラブクラフト。 -
「物語も、人々やチョウや鳴き鳥の卵や人間の心や夢と・・・
同じように壊れやすい」ってなことを作者が“本書について”の中で書いてます。奇想怪奇天外、コミカル、ブラック、スリラー、ミステリー、スプラッター、スラップスティック、そしてペイガン・ポエトリーと、ありとあらゆる要素の詰まった短編集です。
なお本書はブラッドベリ、ハーラン・エリスン(「世界の中心で愛を叫んだけもの」)、ロバート・シェクリイ(?)に捧げられています。結構分厚い一冊ですが、手にしてみれば、装丁(鈴木久美)は粋ですし色合いも素敵だから、いつでも持っていたい気にさせます。