短くて恐ろしいフィルの時代

  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047916449

感想・レビュー・書評

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  • シニカルでコミカルで面白かったです。ボリス・ヴィアン的シュールな描写にはニタニタでした。そんな一見ポップでキッチュな文面からじわじわと恐ろしさが滲んできます。人間はかくも滑稽にジェノサイドに走るのでしょうか。繰り返すのでしょうか。ひやっとするラストでした。誰にもそうなる芽があるのなら自戒せめねばなりませぬ。

  • 初読。
    読書会で紹介され、興味をもった本。

    ヘンテコな世界の、ヘンテコな人々の、ヘンテコな物語と見るか、独裁やマイノリティへの弾圧といった世界の縮図とみるかで、だいぶイメージが違います。
    大統領の登場場面は、おかしくなったヒトラーを思いおこしましたが、フィルもまたヒトラーを連想しました。
    でも、ユニークなおとぎ話と思いながら読むのも正解の1つだと思います。

  • 独裁者のでき方。

    道理で判断せずに、自分の利益になる人につく。正しい事をする人を見殺しにする。状況の悪化を過小評価して何も行動を起こそうとしない。
    そんな事をしていると、できる。

  • 表現方法は違うが間違いなくフィルはいるな 私の中に...(-"-)ムー

  • 4/10読了

  •  登場人物……と言っていいのかどうか分からないけど、とにかく登場人物の描写を読んでも全くどんなものか想像できなかった(これは私の想像力が足りないせいだろうと思う)。

     物語の設定も突飛で、読者に想像力を使わせようとしているような気がする。寓話というものは、その物語の寓意を読みとる必要があるので、当然と言えば当然かもしれないが。

     短いけど、中々体力を使う本だった。

  • 第2回(2012年度)受賞作 海外編 第8位

  • 生物なのに機械でもあり得る人達。一度の1人しか入れないほど狭い国。
    映像では味わえない、<小説>の魅力に溢れた一冊。独裁、虐殺、権力。寓話ではあるけど余り分析しないで、想像でモヤモヤしている中に漂うことを楽しんで読み終えた。このモヤモヤが読者1人1人違うのかと思うと本当に多彩なお話なんだなあと思う。内容はとってもグレーだけど。

  • 自分の固定観念を外して読んでみる。意外と軽快に読めてしまうかも。

  • 年末のELLEの本特集で知って、気になっていた1冊。
    翻訳というより、これはセッション。アメリカ人が英語で読む原書より、日本人が日本語で読むこの本のほうが面白いのでは。息継ぎの音さえ聞こえてきそうな、ノリノリの語りは、落語や歌舞伎にしても良さそうな、華のある荒唐無稽さに溢れている。もちろん毒のある風刺小説なので、これはなんのメタファー、とか考えながら読むと深いのだろうが、読んでるうちにそんなことはどうでもよくなってしまった。訳者あとがきで、岸本さんもそれでもいいと書いてくださっていたので、嬉しくなった。

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著者プロフィール

1958年テキサス州生まれ。なにげない日常を奇妙な想像力で描く、現代アメリカを代表する作家。おもな小説に、『短くて恐ろしいフィルの時代』、『リンカーンとさまよえる霊魂たち』(ブッカー賞)など。

「2023年 『十二月の十日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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