全自動お茶汲みマシーンマミコ (1)

  • KADOKAWA (2024年9月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784048113304

作品紹介・あらすじ

「女の地獄って地続きなんだよね。」
恋愛・結婚・親子関係・不倫・友情・美容・美醜――
あらゆることに絶望しながらあらゆることを諦めて
それでも希望を捨てきれない女性たちを
新進気鋭の作家 白井瑶が描く短編オムニバス小説。
『死者とセックス』『まだ「女の子」やってるの?』ほか
著者ブログで連載の短編小説に加え、
SNSで話題「全自動お茶汲みマシーンマミコ」
シリーズ完結の新作書き下ろしストーリーを収録。

みんなの感想まとめ

女性たちの複雑な感情や社会的な役割を描いた短編オムニバス小説は、軽快な文章でありながらも、笑えないエピソードを通じて深い共感を呼び起こします。主人公マミコは、職場のルーティンや社会の期待に応えながらも...

感想・レビュー・書評

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  • 軽くて読みやすい文章なのに、笑えないエピソードもちらほらとあり、女友達とカフェかどこかで話しているような気分で読みました。

    マミコのおすすめのコスメたち、自分も持ってるものが出てくると「それいいよね〜」と共感できるし、「今度使ってみよう!」と思えるものもあって楽しかったです。

  • なんで女ばかりがこういう思いをさせられるんだろう。職場のお茶くみは若い女性がやるというクソルーティン、お菓子をあげれば若い女性は喜ぶというバカバカしい思想…他にも数えあげればキリがない。マミコはこんなバカバカしいルーティンを全部素直に受け入れて、流している。
    通常、私はマミコのような女は嫌いである。こういう女がいる限り、クソルーティンは変わらないし、自分がクソ上司どもに気に入られる行動ができないのを自覚しているので、それを笑顔でこなすマミコには邪魔だという気持ちしか湧かないだろう。
    しかし、マミコは違う。自分の本当の気持ちを無理やり閉じ込めるために、全自動マシーンになっているのだ。それが文章の端々から伝わってきて、少し切なくなり、マミコのことが嫌いにはなれない。

    マミコはずっとずっと、我慢して生きてきた。自分のためだけに可愛いコスメを使って、ゆっくり時間を過ごせる日はそう遠くないだろう。

    …それにしても、紹介されているコスメ、数も種類も多過ぎる。見ていてワクワクする人が羨ましい。

  • 幸せの基準ってなんだろう。
    ステータスが高いパートナーを見つけること?
    誰かと比べて、自分の生活の方が充実してると自信に思うこと?
    自分のことを理解してくれるパートナーと一緒にいること?
    そういった、多面的な価値観が、ヒロインと登場人物の視点で描かれていて、非常に面白かった。

    都合のいい人間を演じないといけなくなった時に、そこから抜け出せず、永遠と繰り返すことは確かに辛いなと感じた。

    辛いことがあった時に、好きな事(人以外)が支えてくれる時があるの何となく分かります。

  • 人間なのに、全自動お茶汲みマシーンとして、はたまた既婚者用の性処理マシーンとしてヘラヘラして過ごすマミコがなんだか痛々しいような、それでもちゃんと感情があって腹の中ではボロクソに他人をこきおろすところが(決して口には出さないが)マシーンになりきれてない感じがして目が離せなかった。クソな男に対抗する口裂け女がいい味出てましたね(笑)

  • 面白かった。嫌なこと、悲しいことがあるときは、マシーンになるのもいいかもと思った。

  • 痛快でありながらちょっとせつなかったり、ドロドロだったり、かなり面白かった。
    マミコみたいな女性側にいたら嫌だけど、読みながら応援してる自分に気づいた。

    友達にも読むように勧めてみよう。どう思うかな

  • 夢中で読んじゃった。

  • 各話色んな実在コスメが登場して
    小説の内容とは違う次元の楽しさもあって
    読書体験としても新しく、面白かった。

    それぞれの話が短めでサクッと読めるので
    とても読みやすく、1日で読んでしまった。

    様々な女性の物語がオムニバス形式で
    綴られ、それらの緩やかな繋がりが感じられる構成。それぞれの主人公たちと私が共通する部分はそんなに無いんだけど、「わかる」って思う部分が多くて、「女性としての役割」をやってきた人なら共感できると思いました。

    男性もこれ読んで「ほぇ〜そうなんや〜」って
    異なる立場の追体験をしてみては?

  • 面白かったです。読み進めるに連れてマミコに共感する部分がどんどん増えていきました!
    「恋愛関係なんて、たまたまお腹が空いていて、看板が目に入って、予算の都合がついたレストランみたいなものだとマミコは思う。」に笑いました。

  • 20代の頃を思い出しながら読んだ。大学生の頃か社会人なりたてくらいの、もっと若い頃に出会いたかった小説。といっても、2024年に発売されたのだからそれは不可能なのだけれども。わたしも社会人なりたての頃にお茶汲みをしていたけれど、それがわたしの仕事だということに何の疑問も持たなかった。その時に読んでいたらガラッと価値観が変わっていたかもしれない。世間一般の当たり前に何の疑いも持たずに生きてきた。今ようやく少しずつ洗脳から解放されていっている。マミコは嫌なことをされてもマシーンだから傷つかないなんて言ってたけれど、最後の最後に感情をもたないマシーンから感情をもつ人間に戻れてよかったね。

  • 心の機敏をできるだけ無くすように、自分を守っているんだろうなと思った。色々と経てマミコが心を取り戻せたみたいでよかった。
    気分が上がるコスメって大事!!

    結局人には人の地獄があって、他人が羨ましくみえるから自分の手持ちのカードで生きていくしかないよね。結婚やパートナーがいること=幸せ、の価値観が薄まっていきますように。

  • 衝撃的なタイトル。だが、なんと、中身はもっと衝撃的なのだ。
    おそるべし、全自動お茶汲みマシーンマミコ。

    この本は全自動お茶汲みマシーンマミコが主役の短編シリーズと、十三の読切作品で構成されている。
    マミコは東京の中小企業に勤務する二十代のOLだ。マミコが勤務するその会社には「『一番若い事務員が』『自主的に』『誰の評価も求めずに』行うことを期待される昭和の残り汁に漬けたボロ雑巾のようなクソルーティン」がある。
    一時間前に出社して行うゴミ出しやデスクの拭き掃除、朝のお茶汲み、飲み会でのお酌。それらにはパワハラセクハラすれすれの(つまり、本人が申し立てれば明らかにそうなる)ものも含まれている。マミコはそのたびに全自動お茶汲みマシーンになったり、全自動お酌マシーンになったりして、人間だったら怒ったり傷ついたりもやもやしたりする出来事を受け入れてこなしていく。
    たとえば、こんな風に。
    『マミコは1㎜の好意もない男に不意に身体的接触をされても鳥肌が立たない機能をオフにしていた油断を悔いたが、1㎜の好意もない男に不意に身体的接触をされても不快感を表に出さずに可愛らしいリアクションをとる機能のスイッチはオンになっていたので事なきを得た。』
    ーーこれは営業部長のお土産のケーキを食べていたところ、美味しそうに食べるねと頭をポンポンと撫でられた時に描写されるマミコの心情(機能?)。

    マミコには現在、付き合っている男が五人いて、しかもそのうち一人は既婚者だ。「若くて可愛い」しか取り柄が無いマミコは、男にすがって生きていかなければならないと思っている。それなのに、男のことは嫌いでみんな馬鹿に見えてしまい、本気で婚活をする気になれない。後々、登場する本命のテツくんも中島健人似の顔と大企業勤めのプロフィールだけが好き。だが、彼の方だって本命の自立した彼女がありながら、都合よくマミコに甘えて搾取する。マミコはここでは全自動性欲処理マシーンになる。大変だなあ。

    この本にはそんなマミコが傷つき、擦り切れて故障し、ついには人間に戻ることを選ぶまでが描かれている。マシーンの殻はとても便利で、彼女は色んな機能をオフにしたりオンにしたりして傷つかずに生きていた。でも、そんな風にして向き合うべき事をごまかして過ごしたツケは確実に積み上がり、マミコの心は決壊するのだ。

    確かにマシーンになれば楽だよなあ、と思う。求められることだけして、それが不公平でも怒りを感じる機能はオフにして、給料が安くても疑問に思う機能をオフにして、無理な押し付けに笑顔を返す機能をオンにするなど。
    マミコの物語はいろんな場面で少しずつ、自分と重なる。
    彼女が勇気を出したように、わたしも勇気を出せればいいなあと思う。

    他にもDV男から離れられずにいる友人に対する憤りと悲しみや、サブスクのように養っていた男との決別の風景など、味わい深い読切がずらり。文体も軽やかでそれでいて時折毒が入り、素敵。
    個人的には口裂け女に返り討ちになる加害男の話がイイです。

  • 【あらすじ】
    「女の地獄って地続きなんだよね。」

    「女の地獄って地続きなんだよね。」
    恋愛・結婚・親子関係・不倫・友情・美容・美醜――
    あらゆることに絶望しながらあらゆることを諦めて
    それでも希望を捨てきれない女性たちを
    新進気鋭の作家 白井瑶が描く短編オムニバス小説。
    『死者とセックス』『まだ「女の子」やってるの?』ほか
    著者ブログで連載の短編小説に加え、
    SNSで話題「全自動お茶汲みマシーンマミコ」
    シリーズ完結の新作書き下ろしストーリーを収録。

    『そうですね。幸せの形は人それぞれで、本人にしかわからない。あなたが幸せなのだと言うのなら、見守るべきかもしれません。何も強制できない『友達』であるわたしたちは、受け入れるか、離れるかしか道はない。』

    『マミコは選んでほしかった。自由で、頭が良くて、自立していて、仕事ができる彼女より、マミコが良いと言ってほしい。いつ別れるの?なんてマミコは聞けない。彼の前で服は脱げるのに、言える言葉はとても少ない。』

    『マミコはテツくんに選んでほしいが、選んでくれないなら死んでほしい。』

    『最初は、いちいち張り合ってこない素直さを好ましく思った。変にアドバイスをしようとせず、人の話を最後まで聴いて、無理に結論を出そうとしないところには思慮深さを感じたし、わたしの考えを尊重してくれるやさしさに惹かれた。でも今は、それらすべてが鬱陶しくて彼氏をたびたび殴っている。』

    『わたしには愛される才能がない。許されることでしか愛を実感できない。相手を傷つけ、許されることで自分の心は満たされても、相手の心の傷は癒えずに血を流し続ける。それに気付いていなかったのではない。血を流しながらそばにいてくれることこそ愛だと倍じていた。今のわたしには、許されるどころか謝る道すら絶たれている。』

    『本命彼女という存在は、その男に一番執着している女ではない。・・・・マミコはそんな当たり前のことを、今あらためて実感した。その男をいつでも手放せることこそが、本命彼女の条件なのかもしれない。縋らず、泣かず、プライドを捨てず。嫌なら突き放せる自信があるヒト。』

    【個人的な感想】
    すっごく共感できる話と、そうじゃない話の落差は大きかったが、共感できる話がすごく刺さった。
    意味不明で、理解不能で逆に面白い短編もあった。

  • 女性として社会で生きる時に感じるモヤモヤや、飲み込む不満など、無意識下にあった感情が描かれていて、スッキリしたような、気づかない方が良かったような、、、思ってたことを言語化してくれる本は好きです!

  • それぞれの立場での考え方、受け取り方って色々あるけど、本当にこんな感じの時のってあるよね。のような共感が多い。

  • イラスト:MIKEMORIさん
    ブックデザイン:krranさん

  • ウサギとカメの話が好きです。
    お店での会話を通して、それぞれの心の内が語られています。
    同じ場面をウサギちゃん視点、カメちゃん視点で読むことができて、二度楽しい物語でした。
    相手に有って、自分に無いものを羨ましく思う気持ちはよく分かります。
    このウサギとカメの物語は、自分の価値観に沿って生きることの大切さを教えてくれているのかもしれない。

    作品全体で、登場人物の辛辣さを交えたユーモアのある言葉が爽快で面白かったです。
    残念なのは、この作品に出てくるような口裂け女さんが現実には居ないことです。
    私が遭遇してないだけかもしれないですが。

  • WEB版も全部読んでるけど、加筆されて全ての話が繋がっていく感じ、まさに全員の世界が地続きで良かった。麻美子、私とも美味しい肉とか食べに行こうね

  • すっごく面白かった!!
    この世界観はなんだろう。
    スキップしてるくらい軽やかで柔らかい雰囲気なのに、登場人物の心情や人間味がリアルで心がぎゅっとなる。
    マミコの魅力も含めて、この世界観に魅了される。

    しかもただの短編じゃない。
    最初から最後までちゃんと繋がってる。
    色んな人物の色んな恋愛模様や人生観が色んなところで繋がってる。

    それもすごく面白い。

    女ってめんどくさくて健気でまっすぐで馬鹿で本当に最高ですね。
    まるで女の子の聖書だ。

  • 書店員から転職して、今度新しい職場で事務員になる。事務という仕事が未経験で何か参考になるかとこの本を手に取ってみたが、何とも凄い。

    全自動お茶汲みマシーンから全自動お酌マシーンになり全自動既婚者性欲処理マシーンになる。でもマシーンだから傷つかない。

    と言う最初の話の文章から釘付けになる。

    赤裸々〜

    リンクする短編の途中に入る主人公のお気に入りコスメ情報も今を生きている感じがして、実在している自分や自分達に似た女子感が凄い。

    生っぽさがパッキングした秀逸な話。

    読後悪くない!

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