9番目の音を探して 47歳からのニューヨークジャズ留学

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 73
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048120036

作品紹介・あらすじ

ポップミュージシャンだった大江千里。ジャズピアニストを志し、47歳の時、愛犬と共にニューヨークのジャズ大学ニュースクールへ留学。落ちこぼれからジャズアルバムをリリースするまでにいたる感動の4年間を綴る

感想・レビュー・書評

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  • 1990年代後半に社費留学でNYに行った。同じくNYの同じ大学に留学した同期から、「今の自分と同じ47歳でNYにJAZZを勉強しに行ったストーリー」と紹介された。色々な人生がまだまだあるはずやのにな、と言われてとても気になって手に取った。

    47歳で海を渡った人の名前は大江千里。自分の世代では結構有名なポップシンガーだった。「ワラビー脱ぎ捨てて」や「格好悪い振られ方」などのメロディーはまだ耳に残っている。50歳間近になって、これから20代に交じってJAZZを学ぶというのは、ずいぶんと「格好悪い」はずだ。そのことを著者は隠してはいない。

    こういうことができることはうらやましい。性格もあるのだろうし、環境がそれを許すのかということもあると思う。一方、それだけの熱量を何かに対して持つことができるだろうかと思う。

    NYにいたあの頃、本当にチャレンジすることはなかった。楽しい思い出だけれども、それだけなのかもしれない。ずっと、人生で本当にチャレンジすることがあったのだろうかと反省する。

    長い本だけれど、自分にとってはぐっとくる内容だった。

  • 2018.6.20 読了。図書館で借りた。

    図書館で予約したのを受け取って初めてこの本を見たら、分厚い二段組の本だった。期限内に読めるのかと不安になったが、10日ぐらいで読んだ。

    4年半の留学の日々をつづっているので長くなるのは当然。芸能人の本は表面的で字が大きいものだという先入観は吹っ飛んだ。

    学校の日々、夏休みのドライブ旅行、NYでのぴ(ダックスフンド)との生活、とても濃い。まだ何倍も書けるのを、ぐっと縮めたのかもしれない。ワンちゃんと留学なんて、一般人にはなかなか出来ないけど、読んでるだけで楽しい。学校の日々は大変そうだけど!

    卒業後の話も本として出して欲しい。また書こう、とあったので。


  • 大江さんって、とても文才があるのね。
    いい本だった。

  • 日本で成功を収めて確固たる地位も築きながら所縁も無き土地へ単身乗り込む、47歳の再挑戦。年端もゆかぬ若者から「ジャズをしていない」と謗りを受け、ポップの癖が抜けずに悪戦苦闘と足踏みを繰り返し、ストレスで原因不明の痺れに悩まされ、それでも日々何かに気付き発見し感謝し成長していく。

    「もし自分だったら」と読んでいて内臓がきゅーっとなる箇所も多々ある。大江千里氏はなぜそこまで頑張れるのか。志と信念を持って何かを捨てる勇気が何かを掴むきっかけになることを教えてくれる本だ。人は幾つになっても輝ける。大江千里氏は素晴らしいエンターティナーだ。

  • ポップスのシンガーソングライターである大江千里は2008年に国内での音楽活動を休止し、ジャズピアニストになるべく単身ニューヨークに渡り、ジャズの音楽大学へ入学する。そして大学を卒業し、ジャズピアニストとして一人立ちするまでを描いた自伝的ノンフィクションが本作である。

    彼が入学したThe New School For Jazz and Contemporary Musicは非常にレベルの高い音楽大学であり、21世紀ジャズを代表する三羽烏とも言えるBrad Mehldau(Pf)、Robert Glasper(Pf)、Avishai Cohen(Ba)を輩出したことでも知られる超一流校である。当然、ここに入学する学生もレベルは高いわけで、世界各国からジャズミュージシャンを志す20歳前後の若者が入学してくる。

    その中で彼は47歳。日本でポップスの演奏はこなれているものの、初めてのジャズを演奏する中で、同級生とのセッションにおいて「ピアノの奴がジャズをわかってないから、俺はこれ以上演奏できない」と言われたり、教授から厳しく叱責されるなどの苦労を経て、猛練習の末に徐々にジャズピアノを体得し、教授や同級生たちに認められる様子には強く心を動かされるものがある。

    音楽をやっている人はここで繰り広げられる音楽模様や教育のレベルの高さに強い関心を持つだろうし(個人的には、ドラムについても興味を持っていた彼が、Weather Report等の活躍で知られる名ドラマー、ピーター・アースキンの個人レッスンを受ける場面にワクワクさせられた)、やっていない人でも47歳から自らのキャリアをゼロリセットして新たなチャレンジを行うという点に感銘を受けるのは間違いないと思う。

  • 大江千里、名前だけ知っているだけで、和ポップスの曲一曲も知らない。47歳からのニューヨークジャズ留学というタイトルに引かれて読もうと思った。つまらなかったら止めれば良いと思いつつ367ページ2段組を読みきってしまった。音楽は知りませんが(JAZZも)楽しく読ませてくれました。

  • 凡百のフィクションが束になってかかっても太刀打ちできない圧倒的な情熱と衝動の熱量。停滞する時代と社会の狭間で挑戦する気持ちを持て余す全ての人に読んでほしい。

  • 47歳という年齢から夢を追いかけるために苦労を買う。NYで若い学生と張り合い切磋琢磨していくことがどれだけ大変なことかが想像できる。でも、ものすごく充実した4年間を過ごし、それから得たものも大きいことがよくわかる。今の大江千里がどのようにして生まれたかよくわかる。こんな人生の一時を過ごせるなんてうらやましい。そして、その世界に飛び込んだ勇気に脱帽。

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プロフィール

1960年9月6日、大阪生まれ。1983年にシンガーソングライターとしてデビュー以来、日本の音楽シーンで不動の地位を固める一方、俳優としても数多くの映画やテレビドラマに出演。さらに、テレビ番組の司会、ラジオ番組のパーソナリティー、エッセイ執筆など幅広い分野で活躍。2008年、20代からの目標であったジャズ・ピアニストを目指し、日本でのキャリアを捨て、単身ニューヨークに移住。初心に戻り音楽をゼロから学ぶ傍ら、ビッグバンド「モーニング息子。」のピアニストとして実力を養う。

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