癒しの葉 第8巻 (あすかコミックスDX)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048532884

感想・レビュー・書評

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  • 全巻読了。
    (今巻以外のネタバレもやや含みます)

    久しぶりに読み返したが、やはり面白かった。
    ストーリーの骨子、大ネタはわりとオーソドックスともいえる。だが、紫堂作品におけるそれは、誰もが抱える悩み、全人類に共通する壮大なテーマとして好意的に捉えられるものだ。
    「傷つかずに、苦しまずに癒されることはできない」。一見、矛盾するように見えるこのフレーズは、物語の中で長く戦い、葛藤を乗り越えた「彼」の口から語られてこそ、初めて読者にもすんなりと了解されうるのだろう。我々の心の複雑さ、そこにある傷や歪みの本質を突いている。
    「自分を苦しめているのは自分自身の心」。一文にしてしまえば単純なメッセージだが、その「自分」を構築している諸要素もまた複雑で、容易に分解できるものではなかったりする。「彼女」の吐露したように、「何が幸せかもよくわからない」という事態も珍しくはなく、「彼」が陥ったように、自分が幸福であることの陰で、大切な人を傷つけてしまうことさえあり得るのだ。
    あまりにも不完全な存在として、それでも人は自分なりの幸福を望み、もがき続ける。
    そしてそんな姿を、語られる物語を見て一喜一憂し、涙することさえできることが、読み手が求める「幸福」の、一つの答えを示してくれているとも思えるのだ。

    なお、この作者さんは、ご本人もどこかで仰っていたように決して絵がすごく上手いとはいえないと思う(失礼!)。
    のだが、今作における「影の民」の姿など、幻想的でとても雰囲気のある表現をされるのが魅力的だ。
    劇画チックな絵柄を食わず嫌いせず、手に取ってほしい作家さんである。

  • 副題は「迷いながら行こう」。

    完結。
    決闘の結末は?
    オルフェ王子の新たなたくらみは?
    物語はどのように終わりを迎えるのか?
    すべての登場人物に癒しはおとずれるのか?

    (2006年03月19日読了)

  • 紫堂さんの話はどれも大好きです。

  • 紫堂さんが書かれる話は、いつでも意味がある。<br>特にこの『癒しの葉』はそう感じました。<br>救いを求める人々に、どのような形でそれが与えられるのか。<br>形は異なれど傷を負った人々がどう受け止めるのか。<br>特に主人公ユーリグの懐の深さと、セレスの進化には目を瞠るものがあります。<br>何度でも読みたい、胸に残る物語でした。

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