秋日子かく語りき

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (135ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048537087

感想・レビュー・書評

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  • 大島弓子のオムニバスは色々あるけれど、わたしはこれが一番好き。ゆうても漫画は表題と、『ロングロングケーキ』の二作のみですが。すきだなあ。

  • 表題作も、収録作のロングロングケーキも、数多くある大島弓子作品の中で一二を争う大好きな作品です。
    特にロングロングケーキは度々読み返してしまいます。大島弓子ならではのSFで、独特の世界観があります。タイトルの由来の理論上ケーキは無くならないという話と夢の中の幾多にも及ぶパラレルワールドというコンセプトが本当にたまりません。
    これまでの作品を振り返る内容のあとがきも読み応えがあります。
    これから大島弓子未読の方がいれば是非これをオススメしたいと思います。
    宇宙人の宇さん、うちに来てくれないかな!

  • 「秋日子かく語りき」は秋日子は全然出てこないけれど、薬子の心の中から秋日子の人物像がよく出ていました。おばさんが秋日子も面白かった。死んだ後の家族の様子を見て、悲しくも、つんともなったけど、最後賭けにでてよかったなあって。
    人は死んだらみんな好きなものに生まれ変わるけれど、ひとつのものに人気が集中すれば、みんなで一人の人になる、すてきでしょ
    というのが、とても大島さんらしい。とてもすてきでしょ、だ!

    ロングロングケーキも最後びっくり、みんなさいご幸せならそれでいいじゃんね!

  • 死んでしまったオバサンと女子高生の秋日子。天国に行く前にオバサンは残した家族の愛を確かめるように秋日子になって地上に戻る。おばさん化した秋日子に親友は疑いを持つが...。

    六回もの連続ドラマとは結構違ったけど、こっちの友人目線の話も悪くなかった。

    宇宙人のウさんの話も良かった。

  • (2012.04.11読了)(2012.04.11借入)
    うちのかみさんは、大島弓子のファンです。映画「グーグーだって猫である」も見ました。
    この本は、大分前に渡されたのですが、積読の山に埋もれていました。
    崩れた本を整理していたら出てきたので、この際読んでしまうことにしました。
    (崩れた中でゆがんでしまってました)

    【収録作品】
    「秋日子かく語りき」1987年1月発表
    「ロングロングケーキ」1987年6月発表
    「吉本バナナが聞く大島弓子への50の質問」1990年10月
    「本人自身による作品解説」1990年10月
    「個人的夢判断」1993年6月
    「あとがきマンガ」

    ●「秋日子かく語りき」
    他人の身体を借りて、意識だけ自分という物語はいくつかあります。
    他人の人間関係の中に入り込むので、対応や言葉遣いが、かみ合わなくなるし、自分の知っている人たちのところへ行くと、自分は相手のことをよく知っているのですが、相手から見ると外見が知らない他人なので、こちらもうまくかみ合いません。
    書く人にとっては、その辺がおもしろいのかもしれません。
    高校2年生の天城秋日子さんと54歳の久留竜子さんは、交通事故に遭いました。
    一人は助かり、一人は死亡ということです。
    二人とも蓮池のところで待っていたら、神様の使いがやってきて、天城秋日子さんにはまだ死ぬ予定ではないので、戻るように指示し、久留竜子さんは、死亡したので一緒に連れてゆこうとします。久留さんは、1週間だけでいいから猶予を呉れと頼み、天城さんの身体を借ります。
    久留さんは、秋日子さんとして生活しながら、自分の主人と大学生の息子と小学六年生の娘の様子を見に行き面倒を見ようとするのですが。
    面倒を見ていた植物のことも気になります。(ベンジャミン)
    久留さんは、1週間を目いっぱい使い、思い残すことなく、あの世へと旅立ちました。
    ●「ロングロングケーキ」
    大学生の小太郎君のところに宇宙人がやってきました。この宇宙人は、
    「相手のイメージを物体化することができます
    既成物体の疑似化ができます
    物体移動をやります」
    というのです。
    小太郎君は、宇宙人に自分の姿になってもらい、学校へ行ってもらったり、同人誌の原稿を書いてもらったり、楽な暮らしになりました。
    宇宙人に自分の代わりをしてもらっている間のことを聞いてみると、都合のいいことばかりではなさそうです。
    仕方がないので、自分で行ってみると、あれこれとわからないことに遭遇してしまいます。
    (これ以上は、うまく表現できませんのでここまで)
    ●「吉本バナナが聞く大島弓子への50の質問」
    質問:日本人に生まれてよかったと思うことは何ですか?
    大島:日本語を使えることかな。
    質問:最近、嬉しかったことは?
    大島:猫の手で、朝ゆり起こされるのって、いつもながらうれしい。あの肉球で。
    質問:運動不足解消法は何ですか?
    大島:睡眠中寝返りをうつこと。

    ちょっと他の人では味わえない独特の面白さがある作家ですね。どう面白いかいえるようになるといいのですが。
    (2012年4月11日・記)

  • つまるところ大島弓子は常に「死」を描いているんだな。
    そう思ったら、またひとつ靄が晴れていくような気がした。

    『秋日子かく語りき』では、死そのものを。
    『ロングロングケーキ』では、コタの心の死を。
    (少なくとも周りから彼はそう思われている)

    『秋日子かく語りき』の中で薬子さんは秋日子の話を信じてはいない。
    『ロングロングケーキ』でも宇さんが本当にいたのかはわからない。
    いたのかもしれないし、最初から全てが妄想だったのかもしれない。
    けれど、そんなことは大した問題ではないのだ。

    彼女の作品に流れている「死生観」はひめやかで心地が良い。
    だが、そこには常にある種の絶望や孤独が渦を巻いている。

    決してやさしいばかりではない、人間の深淵がここにはある、
    そんな気がするのだ。

  • 大好きな大島弓子さんの作品の一つです。
    題名になっている「秋日子かく語りき」は哀しいけれどもあたたかいお話しでおすすめです。
    宮崎あおいちゃんと泉ピン子さんがNHKでドラマをされていましたね。このドラマもとても良かったです。毎回泣かされてました。
    巻末によしもとばななさんから大島さんへの50の質問、というコーナーもあるので、ばななさんファンにとってもうれしいですね。

  • 寝る前にちょこっと読もうと思ったら、夢中になって全部読んでしまった。
    ので寝不足です。
    うちには宇さんはいないので、自分で仕事へ行きました。

  • 表題作のあらすじを人に説明しながら泣いてしまった事があります。多分、一番好きな漫画。

  • 秋日子かく語りき―――絶妙なタイトル。タイトルの指す“秋日子”とはどちらなのであろうか。

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著者プロフィール

栃木県生まれ。短大在学中に『ポーラの涙』でデビュー。昭和53年より「月刊ララ」に掲載された『綿の国星』は、独特の豊かな感性で描かれ、大きな反響を呼ぶ。『ミモザ館でつかまえて』『夏のおわりのト短調』『パスカルの群』など著書多数。

「2011年 『グーグーだって猫である6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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