アンラッキーヤングメン (1) (単行本C)

  • 角川書店 (2007年7月24日発売)
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  • 本 ・マンガ (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048537247

作品紹介・あらすじ

新宿のジャズ喫茶で、連続射殺魔のN、コメディアンを目指すK、学生運動家のヨーコが出会った。やがて彼らは3億円の強奪計画を立て、実行する…。日本が一番熱かった1968年を駆け抜けた若者たちの青春ドラマ!

感想・レビュー・書評

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  • 大塚英志と藤原カムイのおそらく初めての顔合わせではないでしょうか。角川の「野生時代」というエセ文芸誌に連載されてるんですが、ストーリーはなかなか秀逸で、60年代に起こった3億円事件などの実際の事件や時事ネタを通して、当時の若者(ヤングメン)のなんだかもどかしい日常が描かれます。

    これまで柳田国男や折口信夫のサーガをやってきましたので、この辺の話はお得意ですね。

    日本赤軍の永田洋子や三島由紀夫などの実在する人物を下敷きにしていますが、タイトルの元ネタは大江の「われらの時代」に出てくるジャズバンドの名前らしく、ここでも大江健三郎がネタとして使われています。

    この作品はこれまでの大塚作品の中でもっとも大人っぽい作品となりそうです。かなり文学的で、石川啄木の詩を引用するあたりは、他の大塚作品にない雰囲気さえあります。しかし、1話のページ数の少なさで一気に読まないとわかりづらいストーリー展開のため、ぜひ早く単行本で見たいものです。

    藤原カムイいわく、「いよいよ物語も終盤を迎え、残すところあと数話」らしいので楽しみに待ちたいものです。

  • 70年代青年群像。

    もっとドロドロじゃないのかねぇ現実は。せっかくの3億円事件もあまり意味をなしていないような。学生共闘の話のほうがいいな。

  • 息子用

  • 実際の事件、実際の人物をモデルにした人も出てくるフィクション、ノンフィクションが複雑に入り組んだ小説のようなマンガ。時代背景は暗い感じだがスラスラと読めた

  • 大塚英志の最高傑作なのでは。

  • う〜ん。なんつーかオサレすぎる。
    小綺麗というか。

    石川啄木の詩を引用するのは良いとして、登場人物がみな清潔感漂ってて俺の思ってる昭和と違う…

    三億円事件といえば初期のこち亀にそれを題材としたエピソードがあり、あの時代特有の重苦しさが印象深い。
    青酸コーラ無差別殺人事件ネタとか、今では掲載不可なあの感じ好きだったなぁ。

    時代設定的に8mmフィルムが出てくるのだが、最近大学の同期に聞いた話によると未だに実習で使ってるらしい。

    とか関係ないことばかり連想させるマンガ。タケシの撮る映画にはもう感動しないのかとか、三島由紀夫を介錯した人を介錯しようとした人は腕が悪くてなかなか死ねなかったとか。

    そういう意味では面白かった。

  • いや、もうスゴイよ。圧倒的な画力とストーリー。この時代テーマにした作品には何故か惹かれ続けとる。

  • 脚本の通り動く。でも現実はそうはいかない。
    しかし現実には裏がある。果たしてどっちがフェイク=脚本か。

    石川啄木をチェックしてみよう。

  • アタシはアタシの世界から脱出する度いろんなものを置いてきた。それは信仰だったり思想だったりする。無知を知る度にアタシは揺らいでただの「大人」になった。
    学生運動のことは知らない。だけど。

    まだ芝居を続けてたら、私の人生はどんなだったのだろう。

  • 時代を感じる…

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著者プロフィール

●漫画家。1959年、東京に生まれる。桑沢デザイン研究所卒業。子どものころから漫画を描きはじめ、1979年、第18回手塚賞佳作でデビュー。ペンネームの「カムイ」は、アイヌ語で神や森羅万象を表す。漫画のほか、イラスト、デザイン、ゲームなど幅広く活躍。漫画作品に『精霊の守り人』(原作・上橋菜穂子)、ドラゴンクエストシリーズなどがある。

「2022年 『ノーベル 未来へのメッセージ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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