南都あやかし帖 ~君よ知るや、ファールスの地~ (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2015年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048650700
作品紹介・あらすじ
南都。京の都のごとく栄えるこの都市に、異国の血を引く青年妖術師・天竺ムスルがいた。彼のもとには、あやかしに関わる刀剣や事件が舞い込んで――古都を舞台に紡がれる、ジャパネスク・ファンタジー。
感想・レビュー・書評
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室町時代のペルシャと日本人の混血の妖術師兼金貸しのムスルとその使え女葉月のちょっと不思議な物語。主従関係なんだろうが、非常に緩い関係でほんわかしているのがいい。インコのタラッサもいいね。刀の精や龍田姫、海に落ちて死んだ少年の霊の話のそれぞれがわりと面白いよ。ムスリという人物は実際にいたらしい。
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実在したという天竺ムスルという人物が主人公の和風ファンタジー。話の雰囲気が好み。ムスルと葉月の関係をもどかしく思いながら読みました。また鳥のタラサがとても可愛らしく、和みます。
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思っていたよりも読みやすくてすらすら読めた
コラムもついてて理解深まる
続きそうな終わりかただったから出るといいなぁ。 -
再読。
著作を全部読んでいますが、この作者さんの作品は、現代ものより歴史もののほうが好きです。登場人物同士の関係の描き方も、そちらのほうが自然でムードがある気がします。
またデビュー作みたいな作品を書いてくれないかな。 -
「天竺ムスル」
仕えることになった主人は変わり者で。
どれだけ美しくあろうと、刀として生まれてきたからには戦に出たいと思うのは当たり前なのだろうな。
インテリアとして飾り大切にするのもいいが、その物が作られた意味通りに使ってあげるのが一番なのかもしれないな…。
「墓所の法理」
死してなお恨みは消えず蟲と体を融合させた男。
騙され殺された時に芽生える相手への恨みは、想像を絶するものだろうな。
蟲に魂を預けてまで仕返しを考えるというのは、流石にやりすぎなような…。
「海とシャルバート」
海に落ちて亡くなった子供の亡霊。
どんな状況であれ、自分の手に負えないであろう物に軽い気持ちで手を出すのはよくないよな。
幼い子供でなくとも、死んだ後幽霊となり現れた自分に対する扱いは中々受け入れる事が出来ないだろうな…。 -
いつか大陸に渡ることを夢見る、青年妖術師・天竺ムスルと仕え女として働くことになった少女・葉月と個性的な周囲の人々、そして、ムスルが関わるあやかし達の物語。
面白かった。ムスルも葉月も、実在の人物。混沌とする室町時代を背景に、たくましく生きていく人々の様子があちらこちらに見られて。時代の空気を肌で感じられた。
当時の政治や寺の話など、小ネタがいい具合に盛り込まれています。
化け物退治という方向ではなく、あやかし達と会話し、彼らの前に道を作ってやるという感じ。成仏するか、誰かについていくか、新たな道を生きるか。面倒くさいなどと言いながら消してあやかしをないがしろにしないムスルはただのツンデレ(笑)
刀の付喪神?っぽいあやかしもいて、一瞬某オンラインゲームを思い浮かべてしまいました・・・女だったけど。
話が進むにつれて、ムスルが君は甘いと言いながら葉月に心を開いていく様子にもにやにや。
彼らの側にいるタラサもなかなか良いキャラで、有能な突っ込み役ですね!多分にこの中ではタラサが一番強いような気がする。この鳥・・・。
続きがあれば、ムスル激動の生涯、になるのかな?切なくも、ゆるゆると進むのもありだと思うけどれも。 -
おもしろかった! 室町時代の、実在した人物のちょっぴりあやかし物語。すごくよかったです。ムスルと葉月、タラサのやり取りもすてきでした。続きあるといいなあ。
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続編が出てほしい。からくさ図書館シリーズも好きだけど、こっちも展開が楽しめる。
章の間のコラムは、お寺と神社と陰陽師の話が面白かった。 -
こーゆーの大好き。
「からくさ図書館」も良かったけど、こちらもまた良い。あとがきを読むと本作ありきの「からくさ図書館」なのね~。本作もシリーズ化しないだろうか。
大好きな奈良が舞台な話だしツボにはまるはまる。
『天竺ムスル』と『葉月』が実在した人物というのも良い。早々に互いに惹かれ合うようになっている二人の関係も可愛らしいし、ムスルのキャラもよく、章の章の間にある「南都話」もとても良い。 -
【『からくさ図書館来客簿』の仲町六絵が描く、あやかしたちのジャパネスク・ファンタジー】
南都。京の都のごとく栄えるこの都市に、遥か異国の血を引く青年妖術師・天竺ムスルがいた。
緑色の瞳を持ち、喋る紅い鳥を友とする彼には、表の仕事である金貸し以外にもうひとつ裏の顔がある。
不思議な力を秘めた彼のもとには、あやかしに関わる刀剣をはじめ、物騒な事物が次々と舞い込んでくるのだ。
ムスルの構えた通称『天竺屋敷』に奉公に来た少女・葉月は、仕え女として働くうちに、彼とともにあやかしと関わってゆくことになり――。
『からくさ図書館来客簿』シリーズの仲町六絵が描く、ジャパネスク・ファンタジー。