青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない (電撃文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2015年9月10日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048653947
作品紹介・あらすじ
翔子からの「会おう」の手紙で、麻衣さんとのおつきあいに波乱の予感が。そんな中咲太は、おうち大好きな妹のかえでから、「重大発表があります」と告げられ――!? フツーな僕らのフシギ系青春ラブコメ第5弾!
感想・レビュー・書評
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うー涙が止まらないよー。
喪失感が半端ない。
これは泣く。
シリーズ始まった時からいつか描かれるだろうと思った妹話。
今回はいつものようにトンデモ思春期症候群的騒動ではなくて、いやもちろんそれも背景にはあるのだけど、それがなくてもお話的には全然問題ない展開だった。
引きこもりからの脱出を目指すかえでに、簡単な解決法なんかなくて、彼女の苦しさとそれでも頑張る姿にこちらの胸も締め付けられる。
なのにその上、解離性障害ーいわゆる記憶喪失なんて隠し玉まで出てきて……なので途中からは引きこもりの解決とは別の心配も持ち上がってくる。
そして現実になる”かえで”の喪失。
パンダが好きで、お兄ちゃんが好きで、目標を達成しようと頑張って、明日にはお昼の学校に行こうと約束したのに!
なんでいなくなるんだよ!
と言う咲太の叫びは自分の叫びそのものだ。
ラストの彼女の日記がまた卑怯。
こんなん、泣かないわけないだろう。
かえでがお兄ちゃんのことが好きだった理由が今更ながらによくわかる。
そりゃ、自分を自分として観てくれて、それでいいのだと許してくれるただ一人の人ならば、そうなるよね。
そんな大好きなお兄ちゃんを悲しませないために、後悔させないために、いっぱい頑張って目標を達成しようとしたかえで。
ああもう、泣けてくる。
このかえでの姿しか知らないから、彼女がいなくなったことをうまく消化できない。
僕らには翔子さんはいないんだ。
いなくなったかえではどこへ行ってしまったんだろう。
本当にもうどこにもいないんだろうか?
もう二度と会えないのか?
そう思っただけで苦しい。
そうじゃない世界を期待してしまう。
でも、彼女の最後の望みはきっと花楓に引き注がれるんだろう。
実は読んでて「長門有希ちゃんの喪失」を思い出してしまった。
あれも切なかったなあ。
もちろん、咲太と麻衣さんとの会話はニヤニヤだったし、萌絵とのやり取りはいつも通り愉しかった。
前作の主人公の姿もちらっと見えたのもうれしい。
そして、いよいよ翔子さんの登場で、これまたシリーズ最初からの謎にいろいろ想像させられる。
前から彼女は未来からきたんじゃないかと思ってるんだけど、今回の事に対する彼女の言動から、もしかしたら萌絵の時と同じように世界はループしているのかもしれない。
その世界で今度は咲太には記憶はないけど翔子さんにはあるんじゃないか?とか。
さて、その真相は次巻で語られるんだろうか?
読まねば。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
青春ブタ野郎シリーズの第5巻。
今回のヒロインは、妹の「梓川かえで」。これまでも、何故引きこもりになったのかの経緯は触れられてきましたが、本格的にその原因と、引きこもり、記憶喪失の問題に対峙する巻です。
二人の妹「かえで」と「花楓」の間で心が揺れる様が、咲太が如何に良いヤツか、というのが全面に出ています。
かえでの、特殊な環境下で自分を見てくれた兄に対する兄妹愛も凄いなと思うところ。
それにしても、翔子さん、良いところで出てきて、これは惚れてしまいますよねー。
修羅場で終わって、思わせ振りな5巻。 -
展開が読める話だったのでそれほどはまりませんでした。
アニメを見てたら感想は変わってたかもね。
初めから妹が出てきたときから変だと思っていたので。。。 -
アニメ→原作に入った人間なので、この回のアニメを見た時はほんとに号泣してました
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テレビアニメのだいたい11~13話に当たる巻。アニメの最終話を飾るのにふさわしい、クライマックスかつ感動エピソード。王道だろうが定番だろうがキャラクターに血が通っていれば読者は感動する。そして息つく間もなく次のクライマックスへ。
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かえでの日記には感動させられた。青ブタの中で1番いい巻だった。
著者プロフィール
鴨志田一の作品






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