僕が電話をかけていた場所 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
3.97
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本棚登録 : 674
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048654425

作品紹介・あらすじ

ずっと、思っていた。この痣さえなくなれば、初鹿野の心を射止めることができると。「電話の女」はその夢を実現させてくれた。ただし、初鹿野と両想いになれなければ泡となって死ぬという条件つきで。

感想・レビュー・書評

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  • ラスト10ページ目くらいから、惹きつけられる
    次どう来るのか目が離せない
    そして、この上下巻を読む人は人魚の物語をよく頭に入れておいたほうがいい

  • 上巻、下巻ともに設定が甘すぎないだろうか。小説は本を読み頭の中でイメージを作り、それが動き出すものではないのか。全然、動かない。
    冒頭で主人公が登校に電車を使っているのに、それ以降全くでてこない。どうやって帰ったんだと言いたくなる。田舎の設定なのに学校周りに遅くまでいる。どうやってその後帰った?また、他のキャラの家の位置もよくわからない。檜原は徒歩圏内の学校に通っていたのでは?つまり深町の家の近くでは?なのになぜ千草がその辺を通る?田舎の夜に、学校近辺に住んでいる(と思われる)千草を、電車を使う距離まで町内会が呼び出す?私がちゃんと読み切れていないのだろうか?
    さらに、終盤。深町に一度手渡したものが、いつのまにか初鹿野の手に戻っている。意味が分からない。作者は推敲をしていない事が良くわかる。それに結局、初鹿野の痣の原因は放り投げ。深町と初鹿野で痣の位置が違うことも意味なし。深町が泣きぼくろを書いた事も意味なし。必要な描写が無く、意味のない描写ばかりだ。
    感情移入もほぼ出来なかった。急に悪人になりたいと言い出す千草。千草が消えた後、何事もないように初鹿野と過ごす深町。自殺を程よく適度に行う初鹿野。都合よく記憶喪失して過去の罪悪感を認識しているのに、人が違うように深町さえ居れば万事オッケーな初鹿野。そんなバカな。
    物悲しいひと夏の青春を過ごしてるでしょ?っていう作者の妄想にキャラが動かされているよう。まぁ、作者だから当然なんだけど。とにかく、キャラが自分で動いてない。
    良い点として、やっぱり発想は凄い。webの作品は全部読んだけれども、今回も痣を中心に、展開を見せてくれる。泣きぼくろが救難信号という展開は伏線が足りなさすぎるけど、でも良かった。千草が居なくなるシーンも引き込まれた。
    アイデアはあるのに、非常に勿体ない作品でした。

  • 「君が電話をかけていた場所」の後編。
    運命の日8月31日を前に起こる様々な出来事。前作で打ち解けていた4人に急展開。衝撃の連続で動く物語でした。
    電話の女の謎、初鹿野の空白の4日間の謎。迫る期限の中の深町の行動。そして彼の運命。終わりまで一気読みでした。
    最後は落ち着くところに落ち着いたのかなと。
    いい結末だったかなとも思いました。
    全ては夏の幻の彼女の思惑の中。彼女自身も幸せな充実感のもと、結末を迎えられたんでしょうね。

  • ネタバレを避けるため、あえて本書のあとがきから引用させていただく。


    あとがきより

    最近、「サマー・コンプレックス」という造語に関する短い文章を書いたら、驚くほど大きな反響がありました。
    世の中には「自分は一度として『正しい夏』を送ったことがない」という感覚を抱いている人たちがおり、彼らは夏を強く感じさせるものを見るたび、自分の夏と『正しい夏』とがかけ離れていることを痛感して憂鬱を味わっている……。
    こうした傾向を僕は便宜的にサマー・コンプレックスと名付けたのですが、このとき何気なく使った『正しい夏』という一件捉えどころのない言葉が、一部の層の心を掴んだようでした。
    多分、これは『正しい春』でも『正しい秋』でも『正しい冬』でもなく、『正しい夏』だったからこそ多数の参道を得られたのだと思います。


    三秋縋先生はこのように語っており、この物語は、『正しい夏』を巡る先生なりの回答の一つなのだと思う。
    本書を読むと、自分の『正しい夏』とは何か。そう考えずにはいられない。

  • 下巻。上巻はすごく面白かったのに、なんだか急にすごくラノベラノベした流れになってしまってちょっと期待が外れた。
    廃墟に通ってひとりで星を眺める初鹿野のために、深町は檜原裕也と荻上千草を誘って、4人のメンバーで毎日のように天体観測をするようになった。楽しく満ち足りた時間が永遠に続くかのように思われた矢先に、初鹿野が海に飛び込んだ。
    再びの自殺未遂で、記憶喪失になってしまった初鹿野。深町は彼女の勘違いを利用し、檜原のふりをして会い続ける。初鹿野はどんどん好意を寄せてくれるが、それはあくまでも"檜原"に対してである。どうせ残り僅かの命なのだからと、開き直ってその幸福な時間を過ごす深町だが……。
    って、最終兵器・記憶喪失を使うのはズルいよなぁ。

    あとがきで三秋さんが提唱する「サマーコンプレックス」はおおいに支持したい。めちゃくちゃ分かる。私たちは正しい夏を押し付けられすぎている。コンプレックスなんて生ぬるいものではなくむしろハラスメントな気さえする。
    そのサマーコンプレックスを、小説に書き落とすことで癒しているっていうのが好き。

  • あとがきの「サマーコンプレックス」にしっくりきた。理想の夏を満喫できていない感じ。これは理想を頭に思い浮かべて追いかけて、だから追いつけないということなんだね。

  • なるほど。やられたわ。
    いつもこの人の本にはやられっぱなし。
    ちょっぴり悲しいんだけど、ふんわり幸せもある。
    今回も不思議な作品だった。
    また読み返そう…

  • ハッピーエンドではあるのだが、やはりずっと重かったので、しんどさが残った。

  • 誰しも正しい夏が頭の中にあるはず。正しい夏とは「こうだったらよかったのに」の複合体。誰しもそんな夏が頭の中にあるはず。本作は筆者が思う正しい夏の物語。
    コンプレックスは人を弱くも強くもするね。今自分が感じているコンプレックスは自分の知らない所で役立っているかもしれない。この顔の痣があったから彼女に会えた。今の人間関係を形成できた。彼女のコンプレックスの共感の架け橋となることができた。等など。

  • 初鹿野と会話をし、意志の疎通をほんのりできた深町の夏休み。彼女が星が好きなことから、思う存分星を見せてやりたいと願う深町。天体望遠鏡を持つ悪友の檜原と、深町に想いを寄せる千草を誘い、奇妙な4人の天体観測の日々が始まった。だが、目当ての初鹿野が檜原に惹かれていくように見えて…
    天体観測の日々の終わりと、思わずついた嘘に苦しむ深町、そして迎える賭けの期日。
    電話の女がとてもドSな気がする。
    最後に本物の千草と檜原が親しくなる展開は、あまりにもご都合主義に感じた。
    三秋作品には珍しい感じの、普通のハッピーエンドだった気がする。

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著者プロフィール

WEBで小説を発表していた作家

「2015年 『僕が電話をかけていた場所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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