僕が電話をかけていた場所 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.97
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本棚登録 : 1531
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048654425

作品紹介・あらすじ

ずっと、思っていた。この痣さえなくなれば、初鹿野の心を射止めることができると。「電話の女」はその夢を実現させてくれた。ただし、初鹿野と両想いになれなければ泡となって死ぬという条件つきで。

感想・レビュー・書評

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  • 『君が電話をかけていた場所』の後編。深町陽介と初鹿野唯には、最後ハッピーエンド。ただ唯の顔の痣は消えたのかな?千草を演じていた人魚伝説の娘にとっては、ハッピーエンドなんだろうか?宿村さんの妹が見つけた幽霊とは??疑問が残ったままのエンディングでした。

  • 君が電話をかけていた場所
    僕が電話をかけていた場所
    二作合わせて完結する物語
    二作目も読了

    「顔にできた痣」のせいで卑屈に暮らしていた少年と、地域でも目立つ才色兼備のクラスメイトの少女
    二人は孤独を抱える同士として、支え合っていた。
    別々の中学校に進学し
    高校に入ったところから物語が始まる。
    突然鳴り出した公衆電話に出ると……
    「私と賭けをしませんか?」と謎の人物が声をかける。
    痣を消し、想いを寄せる人との恋の成就させられるか?賭けを申し込まれ少年は奔走する。

    主人公のヒロインとの
    記憶の出し方の順番が、本当にこれでよかったのかがわからない。

    思いの強さがわからず、また主人公は結構決意が揺らぐことがある。
    そんなものなのかもしれず、現実味があるのだけど、後から過去のつながりの強さについて読むことになるので
    「何故そんな大事なことを忘れるのか(そして今その想いに沿った行動をしないのか?)」といまいち入り込めず…

    読み終えてから
    どういう順番ならサブヒロインが幸せになれたのかを考えてばかりなのだが…

    結局、後半の展開はちょっと
    あれれ?なんだろ?と違和感を抱えたまま
    主人公とヒロインの二人に対して好感が抱けないまま終わってしまった。

    あとがきの「理想の夏」についても、ちょっと共感が出来ず…
    おっさんには厳しかったです。
    なんかすみません…

    体調と気分の問題なのか
    後半に入ってだんだんと
    頭から物語から離れていった。

    「見た目と切り離して人を見ること」
    について読みながら考えることはあって
    それは良かったのだけど
    タイトルからして
    2冊で対となるような
    大仕掛けを期待してしまっていた。

  • スッキリした内容で良かったです。

  • 物語の期日でもある8月31日に読み終わり。

    他の人の感想にもあるが、一応ハッピーエンドになるのかな。しかし、著者のこれまでの作品的には無理にハッピーエンドにする事もないのでは?とも思った。
    焼身自殺を強要されるシーンには、著者らしさが出てきたか?!えらいサイコでサスペンスな内容になって来た?!とワクワクしたが、最終的にくぐり抜けて幸せになっちゃあ…どうなんだろ?

    おっちゃんは、著者の作風が好きだから星4つ。もっと壊滅的なラストだったら満点にしたい。だけど、そうではなかったから4つにします。

    でも、何だかんだ言って楽しませてもらいました。

  • 「君が電話をかけていた場所」の後編。
    運命の日8月31日を前に起こる様々な出来事。前作で打ち解けていた4人に急展開。衝撃の連続で動く物語でした。
    電話の女の謎、初鹿野の空白の4日間の謎。迫る期限の中の深町の行動。そして彼の運命。終わりまで一気読みでした。
    最後は落ち着くところに落ち着いたのかなと。
    いい結末だったかなとも思いました。
    全ては夏の幻の彼女の思惑の中。彼女自身も幸せな充実感のもと、結末を迎えられたんでしょうね。

  • 深町陽介
    美渚第一高校。顔に痣があったが、消えた。

    初鹿野唯
    美渚第一高校。顔に痣ができた。

    荻上千草
    美渚第一高校。深町の隣席の女子。

    檜原裕也
    陽介の中学時代の友人。美渚南高校。

    初鹿野綾
    唯の姉。

    戸塚雅史
    二十三歳の大学院生。綾と同じ研究室。

    初鹿野芳恵
    唯の祖母。

    船越芽衣
    唯が小学校時代に、同じ塾に通っていた。

    藍田舞子
    唯が小学校時代に、同じ塾に通っていた。

  • ラスト10ページ目くらいから、惹きつけられる
    次どう来るのか目が離せない
    そして、この上下巻を読む人は人魚の物語をよく頭に入れておいたほうがいい

  • 上巻、下巻ともに設定が甘すぎないだろうか。小説は本を読み頭の中でイメージを作り、それが動き出すものではないのか。全然、動かない。
    冒頭で主人公が登校に電車を使っているのに、それ以降全くでてこない。どうやって帰ったんだと言いたくなる。田舎の設定なのに学校周りに遅くまでいる。どうやってその後帰った?また、他のキャラの家の位置もよくわからない。檜原は徒歩圏内の学校に通っていたのでは?つまり深町の家の近くでは?なのになぜ千草がその辺を通る?田舎の夜に、学校近辺に住んでいる(と思われる)千草を、電車を使う距離まで町内会が呼び出す?私がちゃんと読み切れていないのだろうか?
    さらに、終盤。深町に一度手渡したものが、いつのまにか初鹿野の手に戻っている。意味が分からない。作者は推敲をしていない事が良くわかる。それに結局、初鹿野の痣の原因は放り投げ。深町と初鹿野で痣の位置が違うことも意味なし。深町が泣きぼくろを書いた事も意味なし。必要な描写が無く、意味のない描写ばかりだ。
    感情移入もほぼ出来なかった。急に悪人になりたいと言い出す千草。千草が消えた後、何事もないように初鹿野と過ごす深町。自殺を程よく適度に行う初鹿野。都合よく記憶喪失して過去の罪悪感を認識しているのに、人が違うように深町さえ居れば万事オッケーな初鹿野。そんなバカな。
    物悲しいひと夏の青春を過ごしてるでしょ?っていう作者の妄想にキャラが動かされているよう。まぁ、作者だから当然なんだけど。とにかく、キャラが自分で動いてない。
    良い点として、やっぱり発想は凄い。webの作品は全部読んだけれども、今回も痣を中心に、展開を見せてくれる。泣きぼくろが救難信号という展開は伏線が足りなさすぎるけど、でも良かった。千草が居なくなるシーンも引き込まれた。
    アイデアはあるのに、非常に勿体ない作品でした。

  • 2.9

  • 私が初めて三秋縋さんの小説に接したのは多分高校生の時だったと思います。 3日間の幸せのウェブ連載版に夢中になって夜通し読んだ記憶があります。 その後、今回読んだ「~電話をかけてきた場所」を最後に彼の出版書籍は全巻読みましたが、年を取ったせいか短所が先に目に写りました。

    論理的に説明できない超常現象を素材にした以上、これに対する設定は最大限に言及を自制しなければ作品全体の蓋然性を落とします。 ところが、本作で何かの事件が起こるたびに疑問の電話がかかってきて、これは読者の興味をそそるのではなく、むしろ作品への没入を妨げる要素として作用しました。 そこにヒロインの記憶喪失のようなあまりにも突拍子もない事件が起き続け、途中で集中力を曇らせます。 記憶喪失になったキャラクターを見て「またこれか…」と思う人が私一人だけではないでしょう。

    短所だけをずっと指摘しましたが、こうであれああであれ結局この種の本で最も重要なことは「面白いか」であり、その面では悪くない本です。 韓国には不幸ポルノ(英語ではmisery porn)という言葉があります。 検索してみたら日本には感動ポルノという言葉がありましたが、似たような感じの単語です。 もちろんポルノが入いるほど卑下的な意味が強い表現ではありますが、これに対する根強い需要があることを否定してはいけません。 もちろん私もその需要者の一人です。

    本作以後にリリースした「君の物語」以来、三秋縋さんはほぼ5年近いかなり長い休息期を持っています。 長い間構想してきただけに、次の新作ではさらに発展した姿を期待します。

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著者プロフィール

WEBで小説を発表していた作家

「2015年 『僕が電話をかけていた場所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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