セーラー服の歌人 鳥居 拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 115
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048656320

作品紹介・あらすじ

「歌があるから生きられた」目の前での母の自殺、小学校中退、施設での虐待、ホームレス生活。今も複雑性PTSDの病と共に生きる、ある女性歌人の感動的な半生を、鮮烈な短歌を交えて描く。いとうせいこう氏推薦!

感想・レビュー・書評

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  • 以前、記事か何かでこの歌人のことを知り、ずっと気になっていた。
    かなり壮絶な体験の持ち主。解離性障害を負っているというほどの過酷さである。よくぞここまで生きていたとすら感じる。
    彼女自身の体験から紡ぎだされた短歌は、平易な表現でありながらとても心を揺さぶられる。彼女最初の作品集『キリンの子』も一緒に借りたので読んでみるつもり。
    ただ惜しいのは、どうにも本書のノンフィクションとしての仕上がりが今一つなこと。新聞連載をまとめて加筆修正したことがその原因なのか、一冊の本としての読みごたえに不満がのこる。
    構成のせいなのか、エピソードの掘り下げ不足なのか、敬体であるせいなのか、はたまた単に文章力のせいなのか、ここが、とうまく言えないのがもどかしいが、何とも中途半端な感じが否めず残念。

  • 芸術とは、目に見えざる何かの力によって、最も弱いものを救うためにある。

    境界を超えるなにか。

  • 燃やされた戦地の人を知る刹那【せつな】フライドチキンは肉の味する
     鳥 居

     セーラー服姿の女性の写真が表紙。サブタイトルは、「拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語」。新聞記者である岩岡千景によるノンフィクション「セーラー服の歌人 鳥居」が、話題を集めている。

    「鳥居」という名前は、もちろん筆名だ。幼少期に両親が離婚し、母は自死。児童養護施設では虐待を受けるなど、その生い立ちは読むにもつらいものである。「生きづらさ」を抱え、住む部屋を失った一時期もあったが、天運のように短歌という心の「居場所」に出合った。

     2014年、帯広ゆかりの女性歌人の名を冠した「中城ふみ子賞」候補作に選ばれ、歌集「キリンの子」も上梓【じょうし】したばかり。信頼できる大人との出会いは少なかったが、作歌によって、みずからのよりどころが生まれたのだった。

     他者の痛みに敏感で、その想像力、共感力が、作品にもあらわれている。たとえば掲出歌。テレビで目にした戦争犠牲者の肉体を連想した瞬間、「フライドチキン」の肉の味が生々しく口中に残ったという。

     慰【なぐさ】めに「勉強など」と人は言う その勉強がしたかったのです

     家庭の事情で義務教育を一部しか受けられず、ほぼ独学で漢字を覚えた彼女には、つねに「学び」に対する渇望があるという。

     みずいろの色鉛筆で○つける(今日も生きた)を確かめるため

     生き続けるための、水色の「○」マーク。読者にも、生の自己確認を迫る新刊である。
    (2016年5月1日掲載)

  • 幾つかの不遇が重なり、義務教育を受けることができなかった歌人の鳥居の半生。
    何度も涙が拭い、状況を想像しながら読んだ。
    挿入されている短歌に心が鷲掴みになった。
    生活保護受けない理由も書かれている。
    図書館で出会った短歌集が彼女を救った。
    言葉の力に表する言葉が見つからない。
    多くの図書館や図書室に所蔵、彼女が自立の為に本を購入することを切望。

  • 信じがたい事実
    何も言えない
    知ったことを受け止めよう

  • 2016.5/16

  • 何やら誤解を招きそうな表紙だけど、単純に鳥居さんの短歌にはハッとさせられる。言葉がぐさっとくるけど、優しい。
    大変な苦労をしてきたようだが、彼女はそんな風に言われるのは嬉しくないだろうから、感想は書きづらいなあ。
    一度、読んでみて、という感じです。

  • 強烈なインパクトを感じた! しかし、それにしても生い立ちが凄まじ過ぎ。。よくぞ生き残ったものだ。。

  • 本人の著作と早合点。記者の取材だった。本人の文章で読みたかった。

  • 母親が目の前で自死し、児童養護施設に入所したもののそこでひどい虐めにあい学校も不登校になり、まともな教育を受けられないまま中学を卒業した少女が、拾った新聞で文字を覚え、図書館で歌集と出会い、短歌を詠むことで生きる支えを得た少女の話。
    ・・・・いろいろ衝撃的でした。
    そして社会復帰を目指していく上で義務教育内容を身につけられなかった人が改めて勉強し直したくても、その場がないということに考えさせられました。
    そして彼女が図書館で短歌に出会ったということに、図書館は貧しくても知識や文化に出会える場なんだなあと、改めて考えさせられました。

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