不動産男子のワケあり物件 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 147
感想 : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048656764

作品紹介・あらすじ

「不動産屋って、その人の人生の居場所とか、幸せまで探せる仕事なんじゃないですか?」

「不動産屋を見たら、まずは詐欺師だと疑え」
俺はそう断言できる。ウチの社長は平気で客を事故物件とか悪条件の部屋にぶち込もうとする。でも、本当に幸せになれる物件を宛てがうことが俺たちの仕事じゃないのか? お客さんが本当に満足できる物件がほかにもあったかもしれないのに、不動産屋の都合で部屋を押しつけるなんて……。
そんな想いを抱えるものの、自分も身元を偽って面接を受けた研修中の身。就職活動がうまく行かなかったとはいえ、本当にこんな不動産に就職して良いのだろうか?
物件探しにも役立つ、不動産業界の裏を描いた青春物語。

感想・レビュー・書評

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  • こんな突っ込みどころ満載の話も珍しいですね。
    主人公は三流大学を卒業見込みで、就職活動に苦戦しているところをたまたまある不動産会社の面接を、一流大学の優秀な学生と間違えられてパスしてしまいます。
    そして、魅力的な事務の女性に近づきたいがために卒業するまでの三か月間、バイトをすることに。

    いやいや、バイトでしょ、インターンじゃないんだよ。
    しっかり八時間働いているし。だったら当然給料発生するのに、どうやってお給料払うの?
    間違えられた学生と主人公は友達でも何でもないんだから、協力してもらうこともできないし。
    結局、店長とかお店側は知っていた、って話だったけど税務上どうやって処理していたのか。。。

    主人公はどこにでもいる熱血率直タイプで、確かに店長のやり方にも問題あるけど、この子のやり方だと多くのお客さんはさばけないよね?って感じ。まぁ、この手のお仕事小説にリアリティを求めても仕方ないんだけど。
    事務の女性がコスプレ?なのか何なのか、しょっちゅう髪型や服の趣味を変えるのも、意味ありげに引っ張った割には種明かし無しだし。
    次回は買わないですね。

  • 題材良し、設定の強引さは好みが分かれそう。
    不動産屋に対するブラックな印象が強く残ってしまったのが自分的には惜しかったかな。ベタかもしれないけど、この題材での「良い話」的な物語も読んでみたいですね。主人公の数年・数十年後の続編?スピンオフ?とか、そんな感じで出ないかな。

    ともかく、不動産屋に不信感を持てる1冊です(笑)

  •  成田名璃子 著「不動産男子のワケあり物件」、2015.12発行。五流大の濱田充は帝都大卒須藤健一になりすまし不動産会社のバイトに(3か月間試用採用)。美人の帝都大卒片岡杏奈に憧れつつ不動産業務の裏表を学んでゆく物語。部屋に住む人のために一生懸命になる愛すべき性格の彼は、不動産業に馴染めるのか。結構楽しく読み終えました。また、会社を騙してたつもりの彼が、実際は会社に騙されていたというオチも。

  • お祈りされ続けている主人公は、人間違いで面接へ。
    そして本採用までの3か月間、バイトをする事に。

    ものすごく社長あくどいです。
    不動産ってこんなに!? と驚くほどに。
    確かに地方からやってきたりすると土地勘がないので
    鴨になってしまいそうですが。
    物件色々見て回ったりしますけど、早い者勝ちですけど
    これはすごいというか、本当に!? と疑うほど。

    そもそも、間違えられての面接してバイト、なので
    一体いつそれがばれるのか、とひやひや。
    3話目に至っては、ついに!? という状態。
    とはいえ、社長分かりやすく『仕事』してます。
    最後まで読んだら、なんだか全員いい人な感じで
    大団円で終わってますけど。

    ストーリーというよりも、不動産屋ってまさか…と
    考えてしまう内容でした。
    どの仕事も、利益あげないといけない、とはいえ
    ここまでは…してるのでしょうか?

  • これは「ラノベ」なのかな。

    さいきん、いろいろ職業モノが流行りみたいだけど、「不動産屋」っていう設定にすごいキョーミそそられて読んだ。
    するるっと読めて、おもしろかった、って読後におもえたんだけど。

    人物描写が浅すぎてストーリーに深みがないから、大団円な終わりかたが軽すぎて、読みおえた瞬間になにひとつ残らないかんじ。

    小説には「人物描写」がだいじ、ってすごいわかる。
    女の人に惹かれる理由も、ただ外見だけじゃ、読者まで魅了できないよねー。

    これは、就活がぜんぜんダメで内定がぜんぜん取れてない主人公が、あることがきっかけで実在するエリート学生になりすまして、不動産屋さんに採用されちゃう、っていう話。
    こんな設定で、ずーーーーーーっとひっかかってたことがある。

    お給料はどうやって受け取ってたんだろ。

    手渡しなのかとおもったら、銀行振り込みだったんだよね。
    口座の開設まで他人になりすますことなんてできないから、いったいどうやって「銀行振り込み」のお給料を受け取れていたのか、さいごまでナゾのままだった。

    他人の履歴書をじぶんのもののように利用して他人になりすまして就職する、っていうのは、違法にはならないのかな。

    ものすごい「人のこころ」をだいじにする主人公なのに、じぶんが勝手になりすました実在する相手の人格権侵害には無頓着なのが、だいたい設定として違和感がある。
    もっとリアリティがある設定なら、題材としてぜったいおもしろいのにー。

  • 【どうかその住まいがあなたの憩いの場所となりますように】

    モテない、金ない、覇気がないと負の三拍子が揃った苦学生·充の内定が決まった不動産会社の物語。

    個人のお客様が住む場所を探して斡旋する、人生の大切な岐路に立ち会いたいと。
    そんな大志を抱けども会社の方針は違うようで。
    本命物件と比較物件を紹介してお客の度量を計るような業界の汚さ。
    それは極めてシビアな利害関係と客の争奪戦。
    お客を格好のカモにして搾取するやり方には辟易とするが、業界の闇を抱えた会社も枚挙に暇がない。

    それでも人としての人情味を忘れてはならないのだ。

  • つまらなすぎて読み進めるのが苦痛で挫折。

  • すぐ読める一冊。

  • なんか、題材はいいんだけど、物足りない。
    あまり、面白いとは思わなかった。

  • 献本企画で当選した一冊。ありがとうございます。
    「不動産業界の裏を描いた青春物語」の触れ込みで、不動産業界の裏はよく描かれている。だが、その一方で青春物語としては「主人公が真っ向から青臭い正義をかざして権力に挑む」には動機付けがちょっと弱く、人物描写などに少々踏み込みが足らないように感じる。
    同作者の他の著作は読んでいないので正しい評価はまだできないけど、この作品に関してはて不完全燃焼気味で残念。

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著者プロフィール

1975年青森県生まれ。東京外国語大学卒業。『月だけが、私のしていることを見おろしていた。』で電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し作家デビュー。シリーズに『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』がある。著書に『ベンチウォーマーズ』『ハレのヒ食堂の朝ごはん』『坊さんのくるぶし 鎌倉三光寺の諸行無常な日常』『世はすべて美しい織物』『時かけラジオ 鎌倉なみおとFMの奇跡』『いつかみんなGを殺す』などがある。

「2023年 『月はまた昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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