マグダラで眠れ (8) (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 137
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048657518

作品紹介・あらすじ

眠らない錬金術師クースラは、旅路の果てに“マグダラ”のその先を見つける――

クラジウス騎士団の追っ手が迫る中、クースラたちは、フェネシスの一族“白き者”たちが起こした大爆発により、一夜で滅んだという旧アッバスに向かうことに。
空からやってきたという白き者の真相を明らかにすることで、クースラたちは彼らの行方を探ろうとする。空を飛ぶ方法、なぜ町が滅んだのか――全ての謎を解き、真理のさらに奥へ。そしてその先にある、理想の世界「マグダラの地」を目指して。
仲間たちとの実験と研鑽の日々に、心地よさを覚えるクースラ。だが、クースラたちの持つ新たな技術を狙ってアイルゼンが現れたのだった――。

感想・レビュー・書評

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  • 1回話の区切りがつく本巻。
    色々なプロットの集大成だけあって、今までの作品以上に何回も盤面をひっくり返してくる息を付かせぬ展開を見せてくれる。最後の最後の結論は頭に疑問符が浮かんだこともないのだけれども、想像の枠外の決着を見せてくれたという点ではスゴイと思った。
    それにしても、主人公がフェネシスにデレデレなのは、もうしょうがないのかな。最初は全然違う作品だったのに。

  • 白き者たちの足跡をたどる実験。実験して失敗してまた考えて実験して。皆好奇心旺盛だ。先人たちの知恵、周囲の手助け。一人では何もできないということ。アイルゼンの狡猾さと柔軟性に驚く。クースラとフェネシスはかなりおおっぴらにいちゃついてるのだけどまだ食べてないのかクースラ・・・。同衾までしておいて。胸やけしそうに甘いのに・・・。とりあえず一区切り。続刊出てないようだけど、出るのかなー。

  • 「覚めてはいけない夢から覚めてしまった」場面では、ここまで書くのかとちょっと驚いた。ラノベでは、ここまで「大人になる」ことは触れないものだよね……。
    このお話って、女の子ではなく、クースラの成長物語だったのだな~と、もはや親戚のおばさんのよーな温かい目で見守ってしまう。
    最後のオチはなかなか予想外で、自然科学史みたいでおもしろかった!
    巨人のカーテンの壮麗さと、クースラが次の目標を見つけられたワクワク感が、いいクライマックスだった。
    それにしても、このシリーズはもうすぐ終了ですね。

  • 一部完。的な展開。

    北に北にと向かった一行だけど、最後に方向転換。
    第2部は砂漠かなぁ?
    とするとヒロインがかつていた場所でもあるし、色々とありそう。

    とはいえ、人物関係が落ち着いたせいでそこらがちょっとな。
    結局主人公がツンデレしたわけで。

  • 単純に理系研究者の生き方と喜びをファンタジー世界で描く小説だと思っていたし、今でもそうだと思っている。けれど今回のオチを見て別の側面があるように思えた。それはこれが支倉凍砂による科学史の物語化だということ。現実世界の歴史を土台にしてそれを一部改変した世界を描く創作物の流れなんだなと。正直科学史にはあまり興味を持てなかった人間なので、あれを物語にできると発想したところに感動する。マグダラはものすごく新しいというか斬新な物語なのではなかろうか。私が他の例を知らないだけかもしれんけど。

  • 私もクースラと同じく、そちらばかり気を取られていた・・・。そして、中世風ファンタジーという概念にとらわれ、「この世界も同じ構成の世界」とまでは考えていなかった。読んでいて、「あああっ!!」となりました。と、いうことは・・・北から南・・・ってことはあれですよね、はい。続き待っています。

  • 4月5日読了。図書館。

  • 白き天使の伝説を追う3話目。
    もうクースラがデレデレなのがなんともはや(笑)いや、愉しいけど。

    前巻同様、中盤まで伝説を再現した高揚にクースラとフェネシスのいちゃいちゃでなんともハッピィな雰囲気が満ちていて、きっとこういう時はそのあとに落とし穴があるんだと思っていた(意地悪)
    その予想は当たったけれど、前巻ほどの苦境には陥らなかったので、ちょっと不満だ(もっと意地悪)

    ハイライトはフェネシスが泡を集めて風船を飛ばす所。
    その高揚感は理系人間の至福の時だ。
    ただし、フェネシスがクースラに「あなたがいればどこでも構いません」と告げる場面も捨てがたいなあ。

    そして町を吹き飛ばした大爆発の真相のどんでん返し。
    個人的にはあれは水素爆発ではないかと思っていてので、ちょっと意外。
    クースラのあまりの勢いにその場では納得しちゃったけど(笑)、よく考えたらちょっとどうなの?
    だって隕石落下なら、空に火球が飛ぶのが見えたはずだし、地震も起こったんじゃないのかな?
    逆に地上はそんなに激しく燃えただろうか?
    いやまあ、そんな検証はとりあえずいいのだけど。

    ラストはこれで最終回でもいいような終わり方だった。
    でもまだ続くのは嬉しいところ。
    この先、さらに白き天使たちの足跡を追っていくのだろう。
    そして、いつかフェネシスの同族に出会う時が来るのかどうか?
    某ホロは間に合わなかったので、フェネシスにはそんな未来があってほしいと思う。

  • この物語は壮大なツンデレ話だったのか。1巻読んでた頃はこんな風になるなんて予想できただろうか。ともあれ白き者を追い続け、謎を自分たちなりに解き明かして第一部は完結。人類の歴史においていろいろな謎を解き明かして技術を確立していくってこんな感じだったんだろうか。そう考えると錬金術師と科学者って似たようなものだったのかな。全体を通して新しいものを解き明かしていく、そんなワクワク感もあった話だったと思います。第二部も楽しみに待ちます。あ、もちろんイチャイチャは続けてくださいね(笑)

  • ひとまず一区切りがついた。活劇はあまりないけど、渋く世界の謎の探索はまだまだ続くという感じで終わる。せせこましく終わらなくてよかった。

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著者プロフィール

第12回電撃小説大賞《銀賞》を受賞し、電撃文庫『狼と香辛料』にて2006年にデビュー。

「2023年 『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙IX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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