ゴールデンタイム (7) I'll Be Back (電撃文庫)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 263
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048660594

作品紹介・あらすじ

夏休みの終盤、実家に戻って同窓会にも参加し、記憶を失う前の過去としっかりと向き合えた万里は、新学期にあわせ晴れ晴れとした心で東京に帰ってくる。一方、万里が不在の間に、香子や柳澤、千波もそれぞれ新たなステップへと向かう気持ちを固めていた。自作のエッフェル塔、焼肉、阿波踊り、そしてまた焼肉…。たくさんの出来事を経ながらみんなの関係も移ろっていくが、そんな中で万里の身に思わぬ事態が起こり!?竹宮ゆゆこ&駒都えーじが贈る青春ラブコメ、佳境に突入の第7弾!

感想・レビュー・書評

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  • 怒涛の展開。面白くなってきましたなぁ。記憶喪失の回復は、喪失期間の人格の消滅に等しいと聞いたことがあるが、それをうまく物語に昇華している。確かに本書の状況設定は、ラノベ的荒唐無稽さが残存するものの、本著者は、心の襞や揺れを、特に女の子の微妙なそれを上手く掬い上げ、誰もが少しずつ善悪を持つという、等身大の人間描写を展開してきた。それが本巻の万里の底知れぬ恐怖とその発露(そして、おそらく香子の別れの言葉に繋がっているのだろう)に結びついているようにも。「とらドラ」作者は伊達ではないことを雄弁に語る一書か。

  • 静岡の実家から東京に帰る直前、
    地元の同級生のメイコからもらった手作りパン。
    母親からは独身時代に買った指輪を貰って帰ってくる。

    パンを抱えて帰ってきた万里。
    万里を迎えたのは香子一人ではなく、いつものメンバー。
    一旦部屋に戻り荷物を置き、一同食べ放題の焼肉屋へ。
    千波と香子は仲良く連れ立ってアイスクリーム等を取りに行く。
    二次元君はキレキレの焼き肉軍曹を名乗り。
    やなはついにリンダが好きな事を皆に報告。
    焼き肉終了後。
    香子は万里を待つ間にオブジェを創作。
    『エッフェル塔』というが…。
    そして、ついに部屋に戻り、万里を襲う香子は自ら作った『エッフェル塔』が頭部に当たり初体験未遂で終わる。

    やなは映研の取材にかこつけて、おまけんを取材申し込み。
    無事OKもらうも、リンダは嫌な顔を隠せない。
    万里を呼び出し文句。
    が。
    仲良くしている場面を千波に見られ、『最低』と言われる万里。
    全く意味が理解出来ない万里は唖然。

    ある日曜日。
    おまけん総勢で街の阿波踊りに参加。
    その本番真っ只中、万里は以前の万里に引き戻される。
    突然ぶっ飛ぶ意識。違和感だらけの実感。
    すぐに元の万里に戻るが…
    踊りが終わり着替えていると、私学連の本部長登場。
      私学連で踊ってくれるな  と通達。
    万里だけではなく、踊れてない人があまりのも多いとの事。
    衣装も全て返納し、お通夜よろしく日々が流れる。

    香子に『抗不安剤』を飲んでいる事を知られ。
    彼女は彼女なりの思いで万里をサポートしようと。
    万里が何に怯えているのか?
    そして、万里をサポートするごとく微妙な千波との仲を取り持つべく香子は動く。
    焼肉大会しつつ、万里の過去を連んでる奴らに話す。
    予定を立てて行動。
    来てくれるかわからない千波にもメルを送り。
    当日。
    時間よりも早く千波登場。
    千波は自分の『嫌な部分』を万里に押し付けたと泣いて詫びる。
    万里も千波に自分のこれから言おうとしている事を告げようとして…
    錯乱した。
    千波のオカメラを録画状態にしたまま、全てを録画されている。
    錯乱して、それでも『香子にだけは言わないでくれ』と叫ぶ万里。
    千波は隣のNANA&リンダに助けを求める。
    NANA先輩に横っ面を叩かれて正気に戻るも、部屋を駆け出していく万里。
    たまたま街でやなに出会い、ケータイで連絡受けたらしく万里を追走。
    上手く巻いたと思ったら二次元君にホットプレートにて一発をくらい逃走劇終了。
    ヤナと二次元に ワケが解らない なりに説明。
    それでも『任せろ』と言われ、安心する万里。

    香子は千波から『詮索しないように』と言い含めらえて。
    万里はオカメラに今の状況、今ある事がなくなっても記録媒体として残す事を千波に託す。
    そして…
    香子は万里に別れを告げる。
    万里が母親から受け取った小さな指輪を渡そうとしたその時に。
    万里は一切が解らなくなり。体は動かなくなった…

  • 記憶喪失ネタ必須の展開といえばそう。
    ここまでメインにくるとは思わなかったが。

    それもあっての最後の引きなんだけど、確かにこれはきっついな。

  • 序盤では意味があるのかよくわからなかった設定が、ここへ来て俄然メインテーマに躍り出た感じ。サブキャラにも色々と動きが出てきて、こりゃあいよいよ山場か、と思わせるような引き方。焦らすねぇ、っていうか焦れる!!(笑)

    ホントこのシリーズはポップでありながら読み手の内面に刺さるわー。

  • ゆゆこ様必殺の、前半中盤で楽しくニヤニヤさせ、後半のシリアスで読者をドン底に叩き落す。
    ひさしく外伝や短編が多くて、その本領を味わってなかったので、
    この感覚はたまらない。

    とはいえ、とらドラの時とは違い、最初から漂っている「この話、ハッピーエンドになるんだろうか」という心配は、しばらく続きそう。

  • 万里が…
    自分が消えてしまう存在であることを確信してしまうのは辛いなぁ。

  • 親子仲もまずまずだなぁとほっこりスタートだったが、ついに来るべき時がきてしまった。千波の役割が大きそうかも。

  • 続きが気になりますが…。
    は、早く出てーーー!

  • う~~~ん。この引きはずるい。纏まりそうに思えて最後のどんでん返し。万里と香子がどうなってしまうのか気になってたまらん。8巻が待ち遠しい。

  • 夏休みが終わり、地元で過去との折り合いを付けたつもりの万里と、自分の気持ちを再認識したつもりの東京居残り組がまた合流したところから。本音を隠したり誤解したりで、少しずつ綻び始める彼らに、さらに1巻から暖めてきた伏線をようやくぶっ込む。着地点が全く見えないところが恐ろしい。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『心臓の王国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

竹宮ゆゆこの作品

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