青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
4.04
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  • (6)
本棚登録 : 1285
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048664875

作品紹介・あらすじ

図書館にバニーガールは棲息していない。その常識を覆し、梓川咲太は野生のバニーガールに出会った。しかも彼女はただのバニーではない。咲太の高校の上級生にして、活動休止中の人気タレント桜島麻衣先輩だ。数日前から彼女の姿が周囲の人間に見えないという事象が起こり、図書館でその検証をしていたらしい。これはネットで噂の不思議現象"思春期症候群"と関係があるのか。原因を探る名目で麻衣とお近づきになった咲太は、謎の解決に乗り出す。しかし事態は思わぬ方向に進み-?空と海に囲まれた町で、僕と彼女の恋にまつわる物語が始まる。『さくら荘』コンビが贈る、新たな青春ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • アニメから入りましたが、人間として弱く苦しい時期の表現がたまらなく好きです。
    「思春期症候群」なんて得体の知れない現象に巻き込まれてる人に対し、自身の関わりがあるといえど、必死になれる主人公の咲太もたまらなく好きですし、そこに魅力を感じます。

  • 青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
    著作者:鴨志田一
    発行者:KADOKAWA/アスキーメディアワークス
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    思春期の揺れる心を描く不思議系ラブ。

  • 中学生の頃に色んなライトノベルを読んで、ふとまたこのジャンルを読んでみたいなぁと思って読んだ本書。
    アニメは見ていないが、ライトノベル特有のキャラクター立ての旨さや、ユーモラスな表現はとても面白かった。
    ライトノベルは所詮、漫画と同じで娯楽に過ぎず、学ぶものは何もないと考える人もいるが、僕はライトノベルの独特な表現や既存の枠を超えた設定には大きな魅力があると思う。
    主人公がちょっと変わっているため、ライトノベル初心者とかだともしかしたら避けるべきかもしれない。

  • 点数を付けること自体おこがましい事かもしれないのであるが、この作品は100点満点中2兆点、某作品の例に倣えば「100万点」である。もはや点数を付けるという事自体が無意味と思われる程に圧倒的、そして絶対的と言い切れる程に高評価である。

    作品のあらすじであるとか、(文学上の?)講評であるとか、登場人物が魅力的(例えば双葉理央に「ブタ野郎」と言われたい)であるとか、それらは既に多く語られており、あえて私が触れるのは無意味かと思われるのでそこには触れずに、私がこの作品のどこを評価し、そして何故オススメしたいかを書いていきたいと思う。

    書いていくにあたって、私は学問としての哲学を学んでいるわけでは無いので、講学上の哲学とは少し違うこと、間違っている可能性があること、そして少しのネタバレがあることについて予め断っておきたい。



    *****



    個人的な哲学、世界観の話で申し訳無いのだが、この作品に出会うまで、私が持つ世界感というものは

    「「私」が認識していないもの(事物)は、存在していない(ものと同意である)。」

    「唯一認識し得る「私」が観測しているものこそ世界だ」

    という独我論的(あるいは唯心論的)なものであった。

    そもそも、これを強く感じるようになったのは、中学生時分に「死」や「死後」について考えており、その最中に『涼宮ハルヒ』シリーズを読み(アニメを観て)、作中に出てくる「人間原理」がそれらの答え(「観測者である「私」の死とはすなわち、世界の終わり」)から来ているのであるのだが、以降10年来この独我論的な世界観(個人の哲学)によって私の思考は定義づけられてきた。

    しかし、この作品においては、思春期症候群に罹った桜島麻衣に対する認識は一度消失しても存在そのものは消えず、桜島麻衣を再認識した梓川咲太によって再度全人類にその存在が再び認識せられるというように、事物の存在は観測している人の認識に関わらず、事物は認識の消滅によって(認識可能な)世界(あるいは、桜島麻衣という固有の時間が(認識可能な)共有している時間)から切り離されながらも存在していたのであった。

    一般的(?)な考えであれば、事物の存在は認識しようがしまいが、存在しているものと扱われるのかもしれないのであるが、先述の通り

    「誰にも認識してもらえなければ、この世に存在していないのと同じ」(p.268)

    のような、「私」(観測者)の認識が事物の存在を定めるという哲学・世界感であったため、この存在の絶対性という概念は非常に衝撃的であった。『涼宮ハルヒ』で「人間原理」を知り、「私=世界」であると感じた時と同じぐらいの衝撃度合いであった。

    このインパクトはおそらくそういった私個人の歴史的背景や哲学・世界観からくるものであり、読んだ人間が必ずそうなる(自分以外の人間がそう思う)とはよもや思わないし、また作者の鴨志田一さんはどこまで意識されていたかは定かではないが、個人の哲学や世界観を変える(影響を与える)だけのポテンシャルがある作品であり、現に私がそうであったと主張し、故にこの作品を評価し、強く勧める所存である。

  • 評価:☆4.5

    ずっと人々の注目を浴びてきた超人気アイドルの麻衣の身に降りかかる不思議な現象。それは周りの人達から認識されなくなるという「思春期症候群」だった――。


    さくら荘コンビが送る新シリーズということで始まった本作。
    タイトルは軽い感じですが内容的には若干重いかも?
    というかそんなにブタ野郎要素もバニーガール要素もないw

    覚えている人がどんどん減っていっていくのは切なかった。
    ・・・切なかったんだけど、どうしても展開的にCLANNDの風子√が頭に浮かんでしまうのよねw

    まぁ何といっても麻衣さんの可愛さが大きかった。

    「……ダメとは言ってない」

    年上っぽく振舞おうとしてるけど初心なところとか可愛すぎるw

    また新たな問題で引きと、続刊が気になるところ。

    「君にはまだ私が見えてるんだ」
    「ああいうのは、慣れても何かが擦り減るもんでしょ」
    「ま、でも、私たちの世界なんて、告白ひとつでがらっと変わってしまうくらいに、単純なのかもね。梓川が証明したようにさ」

  • 結局気になって作者買い。今回のお話も青春っぽいけど割とエグい人間関係な気がしてちょっと引いた。ただそれを補って余りある麻衣のかわいらしさがありました。何この可愛い先輩。そして最後はド直球の青春エピソード。やっぱり“あの”さくら荘の作者だよなぁとあらためて思えました。会話の軽快さや面白さも良い感じ。前作既読としては前のキャラも名前出てきて嬉しい。これできっちり終わり…と思ってたら、え、いきなり1巻目から続く感じなの?

  • 思春期症候群という不思議な現象に巻き込まれるヒロインたちと、それを助ける咲太の関係がとても感動的でした。特に、麻衣と咲太のカップルは、お互いに信頼し合っていて、素直に愛情を表現していて、とても微笑ましかったです。麻衣がバニーガールのコスプレをして咲太に会いに行くシーンや、咲太が麻衣のために学校で告白するシーンなどは、胸がキュンとしました。他のヒロインたちも、それぞれに魅力的でした。古賀朋絵は、咲太の幼なじみでありながら、彼のことを想って自分を犠牲にする姿が切なかったです。如月かえでは、咲太の妹でありながら、彼のことを恋愛対象として見てしまう姿が可哀想でした。牧之原翔子は、咲太の先輩でありながら、彼のことをライバルとして認める姿がかっこよかったです。梓川花楓は、咲太の双子の姉でありながら、彼のことを守ろうとする姿が優しかったです。この作品は、思春期症候群というファンタジー要素と、リアルな青春ドラマという対比が魅力的な作品です。ヒロインたちの個性や魅力も豊かで、視聴者や読者の心をつかんで離しません。

  • 【再読(2023/05/16)】やはり名作だなあ。『思春期症候群』というオカルトとラブコメディがしっかり協調し合って作品を盛り上げている感じがさすがです。咲太と麻衣さんのボーイミーツガール物語を改めて楽しみました。それにしても咲太の言葉選びのセンスは高校生離れしてますね。大人でもこんなに気の利いた(あえて空気を読まない)発言はなかなかできませんよ…。再読ということで思春期症候群という謎を始めとした伏線が色々張られているのに気が付きます。さて次はプチデビル後輩編。彼女第1巻から登場してたんだ。忘れてました。

  • 地の文は少なめで会話が多く、展開もさくさくとスピーディーでこちらが期待しているラノベだった。ただ、ラノベ濃度は割りと薄めかな?と思った。妹がお兄ちゃんを大好きだったり、ヒロインがテンプレート通りのツンデレだったりするけど、割りと固いストーリー展開だったように思う。

    一点「あれ?」と思ったのが、本作が第1作目なの?ということ。てっきりシリーズものの間の作品かとおもった。というのも、「思春期症候群」なる要素が唐突に、割りと説明少なめに出てきたり、登場人物たちも既出っぽいかんじで出てくるから混乱してしまった。世界観をごちゃごちゃ説明されるのも鬱陶しいけどもうすこし説明がほしかったかな。
    キーワードとなる「思春期症候群」も、分かったような分からんような微妙な説明だった。

    読みやすくてストーリーも楽しめた。ただ、もう1作読みたいかといわれると微妙。中高生だと楽しめるのかな。読書の合間に箸休め的に読むのが自分には合ってるかも。

  • アニメを見ていて面白かったから気になっていました
    職場の方とアニメの話になり持ってるとの事でお借りし初読み!

    湘南エリア個人的には好きな場所なので、それらが舞台なのは嬉しい
    そして、悩みを抱えた少年少女たち
    謎の現象が引き起こされる思春期症候群
    学生時代に身近にいたら、私は信じてあげられただろうか…
    多分無理かなぁ
    そう考えると咲太君の周囲にはちゃんと信じてくれる子達がいるのは良きね
    読んでいて、咲太君の行動力に私がつい照れてしまった
    みんなの前で愛を叫ぶなんて大胆!若いって羨ましい!笑
    麻衣先輩も強気だけどついつい照れてしまうような所がとても可愛らしくて…きゅん

    続きもお借りして読むのが楽しみ

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著者プロフィール

1978年生まれ、神奈川県出身の作家。代表作は『さくら荘のペットな彼女』、『青春ブタ野郎』シリーズなど。

「2023年 『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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