絶対城先輩の妖怪学講座 四 (メディアワークス文庫)

  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048666206

作品紹介・あらすじ

『大日本護法息滅会』。東勢大学で最近問題となっている新興宗教団体だ。織口准教授によると、教祖は理工学部のOBだという。傍観を決め込む絶対城だが、教祖が『憑きもの使い』との情報に、早速教団へ妖怪調査に向かう。しかし普段は協力的な杵松が、今回は別行動を取ると言い出した。仕方なく礼音と二人で訪れた教団で、絶対城は長身痩躯の青年教祖と対峙する。そして教義の矛盾を突き、見事教団の正体を暴いたかに見えたその瞬間、礼音の身体に異変が起こり-?

感想・レビュー・書評

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  • 大学に蔓延る新興宗教の真相を暴き立てるという話だったので、あれあれと思ったのだが、これが結構面白い物語に仕上がっている。憑きもの、トウビョウ、ナメラ筋、一つ目小僧、泥田坊、川坊主、ガイラゴ、のっぺらぼうといった妖怪のことが次々に出てくるのだが、非常に上手く物語の全貌に生かしている。南方熊楠も真っ青の粘菌がなんと事件の首謀者だったとは、驚愕の結末だ。

  • 今までのストーリーに比べると少し異なった内容でしたが、伏線がキレイに回収されて楽しく読めました。
    妖怪学を含め民俗学的な要素と生物学的な科学的要素って地続きなんだなあと思いました。

  • 今までのと比べると、仕掛けには予想がついたものの、粘菌の可能性に恐れおののきました。絶対城先輩、新しいドレス買ってあげてください

  • 居場所も取り戻して平穏な大学生活…のはずが
    今、新興宗教が流行っているらしい。

    しかも妖怪関係という、乗り出さねばな状態。
    乗せられて後出せば、当然付属してくる人…のはずが
    片方は今回参戦せず。
    その謎も、最後の方にはわかってくるわけですが。

    ちょっとドレスアップ状態の二人を
    見てみたかったです。
    想像したくないのは、黒幕。
    あまりに大きくなると、ぐにょんぐにょんも
    怖いどころではなくなりますし。

  • 【感想】
    ・すごいってのじゃないけどお気楽でいい感じで楽しみにしてる。
    ・口絵の杵松さんのキャラがイメージと違ってた。もっとクールっぽくて内に何か隠してて真のラスボスかもしれないとか思ってたけどこれやったらただの人のいい兄ちゃんやなあ。
    ・個人的には高橋留美子さんの絵で漫画化できたらおもろそうとか思う。迫力には欠けるやろうけどええ感じで胡散臭さが出そう。

    【内容】
    ・今回は、憑きもの、ナメラ筋、一つ目小僧、泥田坊、ガイラゴ、宝船。
    ・新興宗教の教祖が使うという「憑きもの」。この話がメイン。
    ・星川再登場。


    ▼文学部四号館四階四十四番資料室についての簡単なメモ(妖怪については基本作中の説明によるので一般的な説とは異なるかも?)

    【アイビー】東勢大学内の喫茶店。第一学生食堂より値段は高く量は少なく客層はおしゃれで華やか。
    【いくち】第二巻に登場。
    【糸倉】大日本護法息滅会のメンバー。じつは・・・
    【馬鬼】第一巻に登場。不慮の事故で死んだ馬の霊が妖怪化し不幸を招く。
    【大百足】第二巻に登場。
    【大蛇】第二巻に登場。
    【織口乃理子】国文科准教授。28歳だが20歳そこそこにしか見えないお嬢様っぽい美女。大学創始者の一族だが今は没落。一時期敵対していたが、後に協力者(?)となる。

    【ガイラゴ】ぶよぶよした肉体の妖怪。第四巻に登場。漠然とした恐ろしい妖怪のひとつ。
    【鎌鼬】第三巻に登場。有名妖怪。民間伝承系でしぶとく生き残っている。真空説はあり得ない。
    【川坊主】ぬめぬめした体表を持つ人型の妖怪。第四巻に登場。河童の亜種。人を見ると襲ってくる。エンドウ豆が苦手。
    【杵松明人】理工学部の三年生。絶対城の友人にして協力者。すごく聞き上手で人あしらいがうまい。元演劇部。「ロマンとセンチメンタリズムは人生を彩る大事な要素だ」第四巻p.317。
    【木村茂吉】小久保荘の営繕担当。節足動物ラヴァー。
    【京極夏彦さんとの違い】京極夏彦さんの作品とものごとを解決させる方向性は近いが、テイストは異なり、こっちはおどろおどろしい感じはほぼなくあっさりと軽くてドタバタしてる。コケオドシがないので好ましくはある。
    【クラウス・インフォレスト】絶対城の師匠。紳士的にだが、美女はとりあえずナンパする。文学部四号館の正式な持ち主。フィールドワークが好み。密教系古武道の達人。正体は自称・・・。「声を荒げた時点であらゆる議論は終了となる」第三巻p.122。
    【光陰】罵王院光陰。大日本護法息滅会のトップ。自称「憑きもの」。昨年まで東勢大学工学部バイオ資源学科の大学院にいた。担当教授は真萱/まがや。今は退職。本名は番場尚敏。
    【コーポ・ネオ苗代】礼音が入居している集合住宅。大学から自転車で二十分。いろいろ不便な位置にあるので家賃はお手頃。
    【小久保日奈美】礼音の友人。今はひなびたしかし通好みの温泉宿小久保荘の若女将。

    【三枝】東勢大学の学生。大日本護法息滅会に関心あり。
    【七人みさき】第二巻にちょっと名前が出てくるけど、個人的には昔からあれがけっこう怖い。なんでかわからないけど。いつかメイン妖怪として出てくるだろうか? まあ、あれを妖怪と呼べるならやけど。
    【しろまくれ】第三巻に登場。はしてないけど名前は出た。それに例えたせいで礼音を怒らせた。
    【真怪】ほんとうの妖怪と分類されるもの。中には怪異を操る「技術としての真怪」というのもある。
    【真怪秘録】幻の本。物語の中心になっていると言える。絶対城が追っているものとも言える。
    【絶対城阿頼耶/ぜったいじょう・あらや】文学部四号館四十四番資料室に住まうワイシャツに黒の羽織で黒色の長身の怪人。妖怪に詳しい学生。バリトンボイス。スポーツは嫌いだがフィールドワークで山歩きには慣れている。改名しているらしく、その名の由来は井上円了の文章のようで、絶対城はあらゆる知識の集まる書庫のこと、阿頼耶は最も深い場所くらいの意。本名というか元の名前は不明。クラウスは知ってるようなので過去にあったらしい出来事のときに変えた可能性が高い。
    【蒼空/そら】小学五年生。礼音が通う市営スポーツセンター二階の柔剣道場で合気道を習う受講仲間。船幽霊を目撃してしまった。礼音のことをコーチと呼ぶ。

    【第一学生食堂】通称「いっしょく」。礼音御用達。
    【大日本護法息滅会】宗教団体。東勢大学から車で二時間半ほどの山間の朽縄町にあり、教祖の光陰は大学のOBで昨年まで理工学部の院にいたらしい。
    【憑きもの】第四巻に登場。大日本護法息滅会のトップ、光陰が使うとされる。飯綱使いとか管キツネなどのこと。光陰はトウビョウ(小蛇の集団)を使うらしい。持ち主の意思を反映して勝手に働いたりする。おおむねいい目にあっているヤツへの社会的制裁として「あいつは憑きもの」だとレッテルを貼る形らしい。「今日はついてる」と言ったりするのはこの憑きまののことなんだとか。
    【付喪神】第一巻に登場。長く使われた道具が変じた妖怪。
    【土蜘蛛】第一巻に登場。人を襲う蜘蛛妖怪。けっこう強力な妖怪として描かれることが多い。
    【手品】妖怪学と近い方向性を持つので絶対城はその手の資料も多く持っている。
    【天狗】第三巻に登場。超ビッグネーム。公的記録にも民間伝承にも現れ、歴史も長く、さまざまな様相で描かれる。絶対城先輩の暴くその正体は・・・
    【東勢大学】舞台となる私立大学。古い施設を流用して創られており怪しい噂がいっぱい。
    【ドレス】礼音が絶対城をしばらく居候させた礼に買ってくれた。礼音いわく《あんな王室主催フラメンコ大会みたいな服》第四巻p.77。
    【泥田坊】第四巻に登場。メジャー妖怪だが鳥山石燕の創作なんだとか。当時の誰かを風刺したものらしいが昔からの伝承と創作妖怪を区別なく並べたために同列に扱われるようになった。ご近所に似たようなのが出没しているらしく小学生の間では「ドロドロ」と呼ばれている。

    【ナメラ筋】位置的な妖怪。超常的な存在が利用する道。ナメラとは一般的には蛇のことを今するらしい。
    【南郷蒼空/なんごう・そら】→蒼空
    【鵺】第三巻に登場。その正体は・・・
    【ぬらりひょん】第一巻に登場。頭が大きくて背丈の低い老人の姿の妖怪。「妖怪の総大将」的な言い方は後付けの設定だとか。
    【粘菌】南方熊楠で有名になった、かなりおもろい生物。第四巻の重要ファクター。
    【のっぺらぼう】メジャー妖怪。闇夜の象徴。意外なところで登場。

    【春田】市営スポーツセンターで合気道を教えている師範。
    【一つ目小僧】メジャー妖怪。第四巻に登場。絶対城は月を擬人化したのではないかと考えている。
    【広人】そらくんの友人。合気道を習っている一人。
    【船幽霊】第二巻に登場。
    【べとべとさん】第一巻に登場。足音だけがついてくる追跡系の妖怪。あるフレーズを唱えることで去ってゆく。
    【星川】海洋生物学専門の小柄で童顔で気弱そうな女子学生。理工学部のバイオ資源学科四年生。船幽霊事件で関わった。見た目に反してイヤなことはテコでもやらない強さも持つ。いつか礼音のライバル? になるかも? 「恐竜とかマンモスとか、単体で強い生物って、意外とあっさり滅びますから……。弱くて小さくて小賢しい方が、結果的には有利なんですよ……?」

    【真萱鋭吉/まがや・えいきち】東勢大学で研究室を持っていた生物学者。粘菌が専門。憑きもの使いの血族らしく、その教え子がトップを務めている大日本護法息滅会と何らかの関わりがありそうな感じ。
    【間刈/まがり】市営スポーツセンターで剣道を教えている警官。厳格で短気な性格。
    【見越し】第二巻に登場。
    【海晴/みはる】蒼空(そら)の友人。小学六年生。市営スポーツセンターで剣道を習う美少女剣士。鎌鼬の被害に遭った。

    【夜行さん】第二巻に登場。
    【山姥/やまうば】第三巻に登場。個人的には「やまんば」と呼んでいたが「やまうば」が正式? 絶対城によると民間で広まった伝承ゆえに鬼や天狗に較べより直接的な怖さがある。恐怖をもたらす者であると同時に善性を抱くこともある不可解な存在。
    【友香/ゆか】礼音と同じ学部の友人。
    【湯ノ山礼音/ゆのやま・あやね】語り手。ヒロイン? 大学一年、経済学部。長身でツルペタ系の女性。たぶん、うまくすれば男装の麗人ふうになれると思う。絶対城先輩はユーレイと呼ぶ。とある妖怪の末裔らしくサンプルとも呼ぶ。能力を解放したら凄いんやけど普段は解放していたくはなく、そのためには絶対城先輩の作る(怪しい)アイテムが必要でほぼ下僕扱いされている。趣味と特技は合気道。
    【妖怪】個人的に考えているだけだが、妖怪は概ね、人間が主に自然(および自然現象)と折り合いをつけるため、そのズレを埋めるために発生したのかなと思っているので絶対城先輩のやり方は本来のありように合ってるんだろうと思う。
    【妖怪学】井上円了がつくった学問。その意図は妖怪という怪しい存在に理性の光を当て、そのバックボーン、背景に隠されたものを探ること。要するに妖怪なんていないと証明したかったってことかと。それは時として不都合なことを隠蔽してきた権力側にとってまずいことでもあり、それゆえに危険でもあった。
    【妖怪学の意義】礼音がいつか誰かの役に立つかもしれないと言って、ある程度絶対城先輩が納得したみたいなのが不思議。そんなもんとはちゃうでしょ? よっぽど弱ってたのかと思ったら、そうでもなかったみたいやし。ちょっとキャラがブレてたかな。
    【妖怪の分類】井上円了が提唱したらしい。生物などを見誤った「誤怪」、捏造された「偽怪」、自然現象などを超自然と思い込む「仮怪」(その中でさらに物理的実体に由来するものを「物怪」、心理的要因に由来するものを「心怪」)、そして「真怪」はほんとうの妖怪。

    【霊】妖怪は自然発生だが霊は人工的なもので深みが違うらしい。それは、ぼくもそう思ってる。
    【わいら】第三巻に登場。名前と姿だけはいくらか流布しているがバックボーンを持たない妖怪。どうやら無名の絵師の創作かもしれない。

    【笑い女】第三巻に名前のみ登場。

  • トラディショナルホラーからバイオホラーへ。

  • あやねと先輩のなかにほっこり。。いい感じになってまいりましたねー。。骨休めーと言わんばかりに1日で読みましたが内容的にもかなりボリューミーでかなり楽しめました。

  • 「憑きもの」
    特定の家系において祀られ、使役される妖怪の総称。
    特殊な技術や体質を有した術者によって使役される、小型の妖怪の総称。
    実際に彼の力を見たが、それ以外の知識の浅さや指摘されたものに対する反応が少し気になるな…。

    「ナメラ筋」
    四国や中国地方に伝わる、神霊や妖怪の通り道のこと。
    『ナメラ』の語源については諸説あるが、一般的には蛇を示す方言だとされている。
    公にできない事を、妖怪のせいにし子供に伝える事は何気に多いのかもしれないな。

    「一つ目小僧」
    関東を中心に、本州のほぼ全域に伝わる。
    「黙っていよ」と言い消える以上の要素は無く、正確な由来は未だ解明されていない。
    常に一緒にいるのが当たり前だったせいで、二人の出会いの話は今覚えば一度も聞いたことがなかったな。

    「泥田坊」
    妖怪絵本「今昔百鬼拾遺」に、泥田から上半身を突き出した痩身の男性の姿で描かれている妖怪。
    夜な夜な田から現れ『田を返せ、田を返せ』と恨み言を述べるとされている。
    実際に目の前であの光景を目の当たりにしたら、いくら知り合いに助けられても冷静でいれる気がしないな…。

    「ガイラゴ」
    山形県などに伝わる正体不明の妖怪。
    カエルやナメクジなどに例えられる、正体不明の巨大妖怪。
    いくらなんでも、あそこまで派手な事をやってしまったら誤魔化すのも大変だろうな…。

    「宝船」
    米俵や財宝とともに七福神が乗った帆掛け舟。
    年の瀬の縁起物である。
    少しずつ距離が縮まってきている二人の今後が気になるな。

  • ちょ・・・、絶対城先輩、なんかすっごい可愛らしく「礼音ラブ」に、なってるんやけど、これって罠?
    そんな分かりやすいラブ展開になんかならへんよね、このシリーズ!?

    借りては返し、返しては借りを繰り返してようやく読めたんやけど、苦労して(?)でも読めてよかった!
    今回は杵松さんと絶対城先輩の出会いも語ってもらえたし、なにより絶対城先輩と礼音の距離感が・・・。
    ふつうの恋人同士みたいになっててどうも座りが悪い・・・!

    イヤ、ええねんよ、この二人はこの二人でイチャコラしてくれはったら!
    礼音ちゃんもかわいいしさ・・・。
    でも、基本的に妖怪ネタだけでこのシリーズはお届けしてもらえるのかと思っていたので、嬉しい誤算で御座いました。
    絶対城先輩よりもつかみどころのない杵松さんは今回でかなりオープンになった様子なので、これ以上のどんでん返しはないかな?

    絶対城先輩を裏切らなくて、よかった(杵松さんが・・・)。

    ・・・。そうやねんなァ、作中でもちょいちょい礼音ちゃんがいうてるけど、杵松さんも絶対城先輩が好きなのね・・・。
    (イヤもうBLとかにあらず)

    ちゅうかむしろ、絶対城先輩が杵松さんのことが好きやねんね。
    それはもう、礼音ちゃんのことを大事に思うのと同じような感じで、杵松さんが大事みたい・・・。

    相変わらず絶対城先輩の過去は明らかになってへんけれども(今回もちょっとだけネタが振られたかな? のっぺらぼうによるネタばらしだけでは、私には何のことやら予想もつかんけど)、それでも絶対城先輩って周囲に愛されすぎやろ。
    何この人、愛されキャラか。
    かまってちゃんならぬ、かまわれちゃんやったのか。
    そういうポジションやったのか。

    それが、この1冊を通して明らかになった事実やな。絶対城先輩は、受けだ。

    (どーん)

    著者の文章は独特やけど、読み始めると面白くてスルスル読んでしまう。
    途中、声に出して笑うくらいノリがよかったりするので、読み始めるとイッキやな。

    今回みたいに、短編連作の構成も大好き。
    杵松さんが出張ったおかげか、絶対城先輩の妖怪うんちくもやや少なかったので、余計にさらさら読めた。

    でも、この本はほんまの(?)怪奇現象が起こってどうという話よりも、人間が何かの欲望に沿ってしでかしてしまったことに、「妖怪のしわざ」と、いう後付けをうまいこと加えるものらしいというのは、過去四冊でわかっていたつもりやけど、その理由が、

    「妬みや悲しみの類の感情が一度根につくとなかなか外れないから、『それは怪異のしわざ』と、外的要因を後付けするもの」

    と、いうことも含まれるらしく、

    「ははあ、なるほどなあ!」

    と、思った。そもそも日本に伝わる怪異の根本がそれなんかもしれへん。
    怪異はやっぱり恐ろしいものやけど、弱い人間が負の感情を自分の中に取り込まないようにするために考え出された策なのだとしたら、それはそれで、昔の人ってうまいこと考えるもんやな、と、思った。

    また、そういうのってまったく何もないところからは生まれないというのも絡んでくると・・・。
    どこまでなら「ほんまにあること」でどこからが「後付けされたもの」なのか、興味深くは、あるなあ・・・。
    そういうのも「妖怪学」の一環なんかな。


    まあそれにしても、絶対城先輩は礼音ちゃんが好きね・・・(二度目)。
    ドレスなんて、プレゼントしてたかしら・・・? と、ちょっとそのへんの展開は忘れちゃってるけれども(ゴメン)、
    「ドレスを着ても似合わない」
    と、いう礼音ちゃんに
    「それ(=似合うかどうか)を判断するのはお前じゃないと言ったろう」
    と、返す絶対城先輩なんて・・・。

    直訳したら、

    「似合ってる」

    の、一言に尽きるよね・・・。どうしてこう、とうへんぼくな言い回ししかできひんのか。
    ほんで、どうしてこう、ニブチンなのか、礼音は!!!

    苛々を通りこして、もはやキュンとしたわ、この二人!! キー(不本意)。

    ほんま、絶対城先輩っておいくつなのかしら。
    そういうところも徐々に明らかになっていく予定? だよね??

    でも、

    「ゆっくり慣れていい」

    って・・・!

    「俺でよければ待っていてやる」

    って・・・!!
    な、なにその殺し文句・・・! キュンで死ねる・・・。

    (しかし礼音ちゃんにはほぼ伝わっていない模様)

    絶対城先輩による礼音ちゃんへのこの執着が、妖怪絡みやったらもう泣くで私。
    ここまでキュン死にさせといて最後まで頭の中が妖怪のみやったら礼音ちゃん以上に私が泣くで!?

    もちろん、妖怪うんちくも面白いし、すぐに続編を読もう。


    でも、次こそは・・・!
    次こそは、ふつうの冬服を着てちょうだい、礼音!!

    深紅のドレスなんてものはいわん。せめて、ふつうにパーカーとジーンズくらいでええんちゃいますのん。
    真冬にタンクトップとショートパンツはないわ。革ジャンを新調せんと、違うなにかかわいいアイテムを、誰か見繕ってあげて!!

    (ああだから絶対城先輩がドレスを・・・)

    その間でなんかお願い。

    ■■■■

    ■糊塗 こと

    [名](スル)一時しのぎにごまかすこと。その場を何とか取り繕うこと。「失態を―する」

    (2016.09.22)

  • 面白かった。あの人が黒幕でなくてよかった。
    ユーレイのドレス姿のイラスト見たかった。

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著者プロフィール

小説家。2008年に『ほうかご百物語』でデビュー。著作に『少年泉鏡花の明治奇談録』『金沢古妖具屋くらがり堂』『今昔ばけもの奇譚』『ゲゲゲの鬼太郎(TVアニメ第6期ノベライズ)』など。予言獣を扱った作品に『ほうかご百物語8』、『絶対城先輩の妖怪学講座 十』(いずれもKADOKAWA)、『アマビエを探しに』(『文芸ラジオ』8号)などがある。
○推し予言獣は「左立領」。中に二人くらい入っていそうなデザインが着ぐるみ怪獣愛好家としてはたまりません。

「2023年 『予言獣大図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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