鳥籠荘の今日も眠たい住人たち(4) (電撃文庫 か 10-14)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048670135

作品紹介・あらすじ

絵のヌードモデル、引きこもり新鋭画家、女装の麗人、ゴスロリ小学生、ネコの着ぐるみ、妄想癖の美女、不気味な双子の老人たち-"鳥篭荘"に棲みついたちょっとおかしな住人たちの、だいたいフツーでだいぶおかしな日常をつづる物語第4弾。-今回のお話は、着ぐるみパパがお見合い!?山田家と加地家を巻きこんだちっちゃな事件簿(第1話)。浅井と由起の弟妹がやってきた。ところが浅井と由起が大喧嘩して…(第2話)。鳥篭荘随一の変人・へれんさんのフィアンセ登場。しかしへれんさんはフィアンセを拉致監禁!?(第3話)。浅井がキズナにモデルの解雇を通告、さらに鳥篭荘から住人立ち退きの噂が-など急展開の全5編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 第4巻後半1冊目ですね。
    山田家と加地家の話と、有生&由起の妹達の話、へれんのフィアンセの話、鳥籠荘の将来の話の4本に挿話として皆子の話が入っています。
    1話目は山田パパがお見合いをするという話で、華乃子がむくれているところで、加持君のママと一緒になっていろいろ解決しちゃいます。
    お見合い自体は山田パパの風貌が風貌なので…お察し。
    紹介してくれた人は見えていないというオチ。
    2話目は有生&由起の妹たち「ひより」と「こかげ」に有生、由起、キズナが振り回されるお話。
    ここで有生と由起が大喧嘩して、それが4話まで引きずられて、更にそのままという…。
    ひよりとこかげは、由起と有生と似たり寄ったり。
    どっちが誰のっていうのは、2巻の内容的にどうなんだろうッて感じですね。(戸籍上のは確定していますが)
    3話目は童話少女のへれんさんの7人目のフィアンセのお話。
    イタズラ大好き(要はかまってほしい)なへれんさんは、フィアンセを病院送りにしまくりますが、このフィアンセが結構図太いというか我慢強い。
    今回のへれんさんのお話は、ミザリーだったので、いろいろとやばかったわけですが。
    巻頭と巻末の語り部もこのフィアンセさんですね。
    4話目は鳥籠荘のオーナー来日で鳥籠荘がやばいのではないかと大騒ぎに。
    その一方で、展覧会の終わった有生はニューヨークへの留学を要望されたり、キズナの保護に来た由起はキズナに怒ってしまったり、そのキズナもイギリスに誘われたりと、物語の終盤へ迫ってくる展開でした。
    シリアスな話が2篇、コメディが2篇(とは言ってもそこそこシリアスな話が入ってくる)というところでしょうか。
    毎回毎回面白いです。
    ショート形式になっているのも読みやすくていいところですね。

  • 絵のヌードモデル、引きこもり新鋭画家、女装の麗人、ゴスロリ小学生、ネコの着ぐるみ、妄想癖の美女、不気味な双子の老人たちーー〈鳥籠荘〉に棲みついたちょっとおかしな住人たちの、だいたいフツーでだいぶおかしな日常をつづる物語第4弾。ーー今回のお話は、着ぐるみパパがお見合い!?山田家と加地家を巻きこんだちっちゃな事件簿(第1話)。浅井と由起の弟妹がやってきた。ところが浅井と由起が大喧嘩して……(第2話)。鳥籠荘随一の変人・へれんさんのフィアンセ登場。しかしへれんさんはフィアンセを拉致監禁!?(第3話)。浅井がキズナにモデルの解雇を通告、さらに鳥籠荘から住人立ち退きの噂がーーなど急展開の全5編を収録。


    ***


    小説を完結まで読む前にコミックの方を読んでしまったので大体の流れは理解してしまったけれども。もうすぐ完結かのような流れです。

    今回の浅井さんと由起とキズナは、由起が積極的。つーかエロい?男の色気も女の色気も出せるなんてずるいよなぁ。
    でも中で指摘されてたように、彼はいろいろと矛盾屋さん。キズナを取り上げたいのか、浅井さんを大切にしたいのか、どっちつかずの行動を取ります。しかしキズナが捕まったって聞いてすぐに駆けつけたり(しかもバイト中の女装姿のままで)慰めたり、甲斐甲斐しく世話を焼いたり、一緒に住もうなんて言ってみたり、それなりに好きだと思うんだけどなぁ。

    ところで野球ドームに無理矢理?ついていこうとした浅井さんとか、キズナに向かって飛んでくるホームランボールを浅井さんと由起、二人で同時に取ったりとか、こかげとひよりから「二人のお嫁さんになってもいいよ」的なことを言われたりしたのには萌えましたので、2対1というのはダメでしょうか。浅井→キズナ←由起で続けるスタンスではダメでしょうか。好きなんだがそういうの!きゅんきゅんしますな!

    浅井さんが段々キズナを気にかけてるのがわかる。でもやっぱり浅井さんの心を占めるのは皆子さんが大体だったりして、由起としては気持ちがはっきりしてないのにキズナをその気にさせないでよとかそう思ってるんだろうな。
    でも浅井さん自身皆子さんが薄れてきてるみたい?嫌がってたけども。いいじゃんね、個展で溜め込んでた思い全部吐き出したんだから、次からはキズナを描けばね。

    留学だとかキズナの渡英だとか、果たして二人の関係はどうなるのかしら(漫画版読んだんじゃなかったんかい)

    後はあれですね、加地くんがかなり華乃子を意識してたのが可愛かった!もし加地ママとパパが結婚とかしちゃったら、加地くん大変そうだなぁ。色々もんもんとしてアレな道に走ったりしないかな。禁断の義理兄妹愛!
    相変わらず気になるのがパパの中身…。明かされるんかなぁ。

    へれんさんのフィアンセ、アヤヒコさんは愛が深い人。毒殺未遂やらなにやらで病院に何度もお世話になってるのに、それでもへれんさんと結婚したんだからすごい。
    段々扱いがこなれてきた感があってよかった!それだけへれんさんは美人なんだろうな。
    ていうか無害な時のへれんさんの微笑みと物語ごっこ中の狂気的なへれんさんとのギャップに落ちたのではないかと私は考える。なんだかんだで顔見てぽわぽわしてたし。あ、身体見てもぽわぽわしてたか。
    でもほら…愛だよ、愛!←

    色々と終わりに向けて加速するお話が気になる!ということで☆5!

  • カバー・口絵・本文イラスト / テクノサマタ
    装丁 / 荻窪 裕司(META+MANIERA)

  • やっとクライマックスに向かって動き出してきたかな?
    5巻が楽しみ★

  • ◇山田パパの見合い話と"お母さん"の話
    ◇個展と浅井上家弟妹の話
    ◇へれんとフィアンセの話
    ◇浅井と皆子の匂いの話
    ◇ホテルのオーナーが視察に来る話

    こんな覚書で内容を思い出せるのかどうか…。
    キズナの居場所を求めてふわふわしている感じがちょっと切ない。

  • どんどん話がラストに向けて盛り上がってきた1冊でした。面白かったです。

  • へれんさんと婚約者のアキヒコさん。
    華乃子と着ぐるみのお父さんと加地くんとおかあさん。
    有生と由起の大喧嘩。ちょっとキズナがかわいそう。


  • ユウとユキの弟&妹登場。
    二人を誘拐したくなるキズナの気持ちわかります。

    話は急展開!
    いい感じに盛り上げてくれます。

  • 2010.10.14
    ひよりとこかげを見て思わず「誘拐したい。」と言ってしまったキズナに同意。あの二人の可愛さは異常。でももうちょっと二人の絡みが読みたかったな。ヘレンとアヤヒコの話は笑えました。何だかんだ言ってバカップルな二人^^

  • 鳥籠荘の、ちょっとおかしな住人たちの物語

    読了日:2008.07.13
    分 類:ライトノベル
    ページ:271P
    価 格:570円
    発行日:2008年4月発行
    出版社:メディアワークス電撃文庫
    評 定:★★★+


    ●作品データ●
    ----------------------------
    主人公 : 衛藤 キズナ ほか
    語り口 : 3人称
    ジャンル : ライトノベル
    対 象 : ヤングアダルト向け
    雰囲気 : 淡々と、フツーじゃないフツーの日常
    結 末 : 一話ごとにオチ、悲喜こもごも
    イラスト : テクノサマタ
    ---------------------------

    ---【100字紹介】----------------------
    ”ホテル・ウィリアムズチャイルドバード”、
    通称・鳥籠荘には、普通の社会になじめない
    一風変わった人々が住み着いている。
    ちょっとおかしな住人たちの、
    だいたいふつーでだいぶおかしな日常をつづる
    連作短編第4作
    -----------------------------------------

    鳥籠荘の第4作。今回もどこから読み始めてもOKらしい全5話(挿話含む)。でも第4話は、ちょっとクライマックスへの道のりでしょうか。

    変な住人ばかりが集まっていると評判の賃貸アパート<鳥籠荘>。元々はヨーロッパの貴族が建てた西洋建築の洒落た別荘で、本名は「ホテル・ウィリアムズチャイルドバード」。住人は実際のところ、一風変わったどころではなく、完全なる「変人」。今回のプロローグとエピローグを読んでいるともう…(笑)。

    今回は話数最多で登場です。プロローグ・エピローグの「病棟にてI」「病棟にてII」は、どこかでつながりがあります。中身を読んでのお楽しみに。

    第1話「Father's Style~エビフライと華乃子の場合」は、前作第1話と同じく、ゴスロリかつスーパー主婦な小学生(何てことだ)の華乃子ちゃんときぐるみパパの山田父娘と、再登場の加地君母子のお話。うーん、部長さん、凄い人だ…。親子愛の物語…なのです、はい。

    第2話「Father's Style~ウサギスープとキズナの場合」は、タイトルから言っても前話と対をなすもの。華乃子ちゃんは、べったりで分かりやすいファザコン(!?)ですが、キズナの場合は果たして…?浅井有生&井上由起の、やんちゃざかりの弟妹も登場し、更に有生&由起が大変なことに、そのときキズナは…!な話。

    第3話「Sadism~フィアンセは愛しく危うく」は、主人公は新キャラのアヤヒコさん。ヒロインは…へれんさん。というか、へれんって本名…?明らかになるへれんさんの身の上。アヤヒコさんは、苦労人というか、むしろ鳥籠荘に住めそうなほど、実は変人なのではないかという気もちょっとしてしまいますね。

    次は挿話。皆子の思い出。徐々に明らかになる皆子像ですね。

    そして第4話「Home~逃げる理由、とどまる意味」は、クライマックスな雰囲気いっぱいの、キズナの物語。どうなってしまうのでしょう、キズナ。由起の学生生活もちょっと見られて、おおお、と。一応、普通にしてれば普通の人なのに、由起…。次回作への大いなる期待を抱かせる最終話でした。


    ---------------------------------
    文章・描写 :★★★★
    展開・結末 :★★★
    キャラクタ :★★★
    独 自 性 :★★★
    読 後 感 :★★★+
    ---------------------------------


    菜の花の一押しキャラ…衛藤 キズナ

    「キズナが頑張ってることを知ってる。
     突風に倒されないように踏ん張って、
     ずっと一人で今まで歩いてきたことを知ってる。
     だからときどき弱くなったっていいんだよ。
     そういうときは俺がそばにいるから。
     ほら、だから今もいるだろ」    (井上 由起)

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著者プロフィール

第9回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞し、2003年『キーリ 死者たちは荒野に眠る』でデビュー。その他の著書に、『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち』(電撃文庫)、『エンドロールまであと、』(小学館)など多数。

「2009年 『NO CALL NO LIFE』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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