とらドラ!〈7〉 (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1426
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048670197

感想・レビュー・書評

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  •  想像以上に登場人物の心理が細かく描かれていることには感心せざるを得なかった。

     難しい展開が続いている。竜児は大河の隠していた見えない傷に触れた事でこの辺りから大河を気に懸ける様になったのだろうか。大河の方は遂に自分の心に気付いてしまい、まさしく『夢は終われど現実は続く』状態だ。クリスマスにはサンタが来るという夢は終わり、自分はずっとそばに居てくれた人間が好きだったという現実にぶち当たる。

     それにしても実乃梨には辛い展開が続くなぁ。本人としては守りたい、心から大切にしたいものがあるからこその行動なんだけど、それが竜児にとっても実乃梨にとっても良い結果を残さない行動になってしまっているからうじうじと悩み続ける。恐らくはストレートにぶつかってしまえばこんなややこしいことにはならずに済むのだろうけど、人は誰しも傷付くことや傷付けてしまうことを怖れてしまう。そうすることで誰かの幸せを守れるのだと信じてしまう。それは決して悪いことではないだろうし、その方法で幸せになれる者もいるかもしれないが少なくとも『とらドラ!』ではそんな上手く生きている人間は居ない。そういった意味では非常に人間臭い作品なのかもしれない。

     壊れてしまったクリスタルの星。あれが竜児達を表しているのは確実だろうが、治るもの治らないもの。彼らどちらに辿り着くのだろうか。

  • これは目が離せない。竜児が前向きに実乃梨の方を向いて恋をしようとするの巻。
    言葉としては出てこなかった、いや竜児と大河の二人だけが気付いてなかったものが表に出る。実乃梨は竜児に惹かれ始めている。実乃梨もそのことは分かっている。実乃梨は大河が竜児のことを必要としていることか分かっている。だから遠慮している。
    大河は親に見捨てられ転んで泣いて喚いてそれでも前へ進もうとする。一人で歩いていこうとする。でも一度暖かさを知ってからは、一人じゃ歩けないのだ。立ってられない、支えが必要なのだ。惚れたはれたの浮かれたラブコメ気分だけじゃなくて、心のどこかでみんな持っている、重くて人には見せられなくて隠れているものが浮き出てくる。
    大河に竜児、北村に実乃梨、亜美にクラスメイトの皆に。我慢したり泣いたり転んだり人生はうまくいかなくてクソッタレでどうしようもないけれど、それでも前へ進んでいかなきゃ「逢坂大河」の道はやっていけない。

  • とらドラ7

  • クリスマスというイベントを経て、ついに大河が竜児への思いに気づく。
    実乃梨はいつから竜児を意識していたのだろう。残りは後三巻。虎と竜が大団円を迎えるのか続きが気になる。

  • 青春は痛い。

  • 閑話休題的な6巻は実は前フリだった・・・という。
    起承転結でいうといよいよ転に来て、盛り上がってきたクリスマス編の7巻。クリスマスを迎えてよいこモードの大河ちゃんと、みのりんへの恋に盛り上がる竜児くん。
    前半~中盤のクリスマス準備のワクワク感は異常ですが、それだけに、クリスマスツリーが倒れた辺りからの展開はドキドキものでした。
    なにこの絶望感・・・なにこのブラッククリスマス。

    とはいえ、ひとりぼっちの大河ちゃんを放っておけない竜児くんのクマサンタのくだりなんかは泣けて、大河ちゃんの自覚がついに来たところはきゅんと来ました。はあ・・・。
    『竜児がいなければ、恋もできない』って。すごいな。
    (ホントは引用したいくらいだけど、清清しいほどのネタバレなのでここに記録しておきます)

    そこをみのりんが見てるとかなんだよ・・・それなんだよ・・・。
    そして亜美ちゃんがどんどんいいキャラになってる件。

  • クリスマス。学校あげてのクリスマスイブパーティ。良い子の大河。一人きりだった彼女だが、竜児の存在でようやく気付く本当の気持ちに気付く。それを知ってみのりは自分の覚悟の弱さを確信する。涙なしには読めない巻。

  • 今回はラブコメ一直線。

    竜児を実乃梨の元へ押し出してしまってから、自分の竜児に対する気持ちを知ってしまった大河。
    そんな大河の姿を見てしまった実乃梨。
    これらの関係に入り込もうとする、おそらく竜児・大河・実乃梨の気持ちを一番理解している亜美。
    そして、先に実乃梨からダメ出しをくらった竜児。と。

    次は修羅場な予感ですよ?w

  • めさめさおもろい。アニメから入ったんですが(どちらかと言うとアニメ派)ですが、やはり心理描写がていねいでわかりやすいです。
    登場人物が多く、それぞれ個性的です。主人公たちにあまり共感できませんので。嫌いではないです。
    にしてもこの作品で自分はやはりツンデレ派なのだと確信できました(笑)

  • いわゆるクリスマス編。
    あーみんの言葉が心に突き刺さります・・・。
    竜児は、大河は、そして実乃梨の選択は。
    「おままごと」の世界から皆の関係が動き出すターニングポイント。
    それぞれの想いが純粋なだけに、痛いです・・・。

著者プロフィール

作家

「2023年 『心臓の王国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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