- アスキー・メディアワークス (2009年2月10日発売)
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感想 : 47件
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784048675185
作品紹介・あらすじ
遠野綾は高校二年生。平凡な日々を送る彼女の一番の幸せは、部活を通して知り合った他校の男子生徒、村瀬一哉と毎日電話で話すことだった。何度も電話をするうちに、互いを友人以上の存在として意識し始めた二人だったが、夏休みの終わりに一哉は事故死してしまう。本来であれば、二人の物語はそれで終わったはずだった。 しかし一哉の通夜の晩、綾のもとに一本の電話がかかる。電話の主は死んだはずの一哉。そして戸惑う彼女にその声は告げた。死んだのはお前の方ではないのかと……。
二人が行き着く真実とは!? 出会えぬ二人の運命は!? 携帯電話が繋ぐパラレル・ラブストーリー。切なさともどかしさが堪らない、第15回電撃小説大賞<金賞>受賞作。
みんなの感想まとめ
テーマは、電話を通じて繋がる二人の切ない運命とパラレルワールドの謎です。高校生の綾は、毎日の電話を楽しむ一哉との関係が、彼の事故死によって一変します。しかし、通夜の晩にかかってきた電話の主は、なんと亡...
感想・レビュー・書評
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哲学の次はどっからどう見ても、一分の隙もなくライトノベルです
我ながら振り幅のエグい本棚ですな( ゚Д゚)y─┛~~
本作は山本弘さんの『BISビブリオバトル部』シリーズで主人公が激推ししていたので読んでみましたよ
いやー電撃文庫やなー
いわゆるパラレルワールドものなんですな
高校生の女の子綾の楽しみは、別の高校に通う一哉との毎日の電話
恋人未満のふたりですが、ある日一哉は事故で亡くなってしまいます
一哉の通夜から帰ってきた綾に、なんと一哉から電話が!
その一哉はパラレルワールドの一哉で、しかもあちらの世界では綾が殺されていると言うのです
こっちの世界では男の子が死んでいて、あっちの世界では女の子が死んでるって
おい!
おいおい!
なんて悲しい設定考えつくんや!
こんな悲しいパラレルワールドやめてあげて!
そして、最後までがっつりライトノベルでした
うん、さらっとは読めた -
山本弘の『世界が終わる前に』のビブリオバトルで紹介されていたので興味を持った。
乙一の『Calling You』を思い出した。
時間的・空間的に離れた相手と電話でつながってしまう話だ。
本作では、綾の世界では一哉が死んでしまい、一哉の世界では綾が死んでしまっているが、二人の間では電話がつながってしまう。
それぞれの死には不可解な点があり、その真相を探ろうとする。
全体としては、電撃大賞金賞なだけあって、よくまとまっている。
似たような世界にいて、同じ場所に立っているはずなのに相手がいないせつなさの描写もうまい。
でも、せっかくパラレルワールドを扱うなら、だんだんと2つの世界のズレが広がっていって、それを上手く使うような謎解きだと面白かったかも。
こっちの世界では通れない道が、あっちの世界では通れるとか。
本作では、基本的に2人とも同じ行動をとるので、答え合わせをしてズレを認識するだけにとどまっているので、もったいない気がする。
でもそれも悩みものか。
実際のラストでは急にズレが出てきて、二つの世界の変化に焦ったし。
ところで、二つの世界に分岐する原因は何だったんだろう?
描写あったかな。
恋愛の面から見ると、あんな別れ方ではなくて、二人がそれぞれの世界で前を向いていけるような、決意を固める瞬間があってもよかったのではないか。 -
やけに展開が分かると思ったら再読だった。
死んだはずの想い人から電話があり、死んだのは自分だと告げられる。
お互いが死んだパラレルワールドと電話でつながるラブストーリー。
殺人犯に追われる相手が別世界で助けに行けないというのは手に汗握る。 -
彼が死んだこちらの世界。私が死んだあちらの世界。ふたつの世界を繋ぐ携帯電話。死の真相を探るふたり。
「会えないふたり」という王道の状況設定が、パラレルワールドを用いて功を為し、切なさをつのらせる。
謎解きのサスペンスも効いた青春物語の秀作。 -
ライトノベル
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SF設定を謎解き、恋物語、どちらにも効果的に使った作品。切ない消失感、楽しく進む謎解き、残酷な真実。平行世界ものとして二本軸で作られているストーリーは切なく見事。
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好きな人に好きと言えるから、生きていることは尊いんだな。パラレルワールドの恋人未満な高校生男女。一見SFのようだが設定としてあるだけで科学考証はなされない。でもそれを「会えない理由」にしているのが面白い。2人が、それぞれの世界で協調して、それぞれ世界で死んだお互いの謎を解いていく過程と、そこで葛藤する心情描写が良くできている。ミステリーとしてだと詰めが甘いが、青春小説としては素晴らしいまとめかただと思う。思いを伝えられないことは現実に多いが、伝えられる機会があることに感謝したくなる。
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高校生 遠野綾の恋人(ただし電話で話したことがあるだけで会ったことはない)の村瀬一哉が死んだ。
一哉の通夜の夜、かかってきたのは一哉からの電話。
一哉曰く、今日は綾の通夜に行って疲れたよ。
えー なにそれー?
パラレルワールドってやつですか?
ただしお互いの携帯電話だけは繋がってる?
話すうちに、お互いの死因に疑問が。
事故死かと思われていたが不審な点が?
通り魔かと思われていたが不審な点が?
さあ、二人の冒険が始まった!
というような話。
うーん。
面白く読んだけど。
作者あとがきによると、高畑京一郎の「タイム・リープ」を読んで、「一文一文が綺麗に結びついて、精密な機械を見ている」ような小説を書きたくなったんだそうだ。
まあ確かに伏線が張ってあって適当なところで回収というのがいろいろなされてはいたものの、快感がない。驚きがない。
伏線についての妙な拘りを感じてしまって、全体がいびつな印象。
これはいかがなものか、ということで★2つ。 -
”パラレル”と”謎”を中心に、控えめな主人公の恋愛と学園での人間模様がかかれています。
とてもわかりやすく、読みやすいです。
私は謎解きや推理は苦手なのですが、きちんとトリックを理解して”パラレル”と”謎”を楽しみながら読む事が出来ました。
全体的には爽やか。あと少し哀しい印象です。
最後、犯人に迫る場面の数ページは、怒りや人のもつ激しさを感じました。
最近本離れしている方や集中力が切れ気味の方も、一気に楽しめると思います。
こちらの作品に出会ったきっかけは
PSP用ゲーム『うたの☆プリンスさまっ♪AllStar』カミュルート本編・メモリアル。作者が担当しています。
引力と衝撃のあるストーリーだったので、デビュー作であるこちらの作品を読んでみようと思いました。 -
-
すごく良い話だなと思いました。あちこち出てくる伏線もちゃんと回収してるし、何よりラストの切なさがたまらないです。自分は、かずやって本当にいるのかなーとか、いるんだとしたらこの場面ではどんな気持ちなんだろうなど想像を膨らませながら読んでました。個人的にはかずや視点での話も読んでみたいな!
-
よくできていた。中盤以降、着々と真相に近づき辿り着いて問い詰めて追われて一件落着して……。
緊迫感が伝わってきてドキドキハラハラしながら読み進めた。
不運で不幸だったとしか言えない事件。
好奇心と悪意によってもたらされた事件。
せめて……彼女の将来に幸福を。
――この切なさともどかしさが、堪らない。 -
1巻完結。
-
高校二年生の綾は、一哉と電話で話す事が日課だった。電話を通して一哉に惹かれていく綾。実は一哉は他校の生徒で、2人はまだ顔を合わせた事がない。
しかし直接顔を合わせる前に一哉は事故で死んでしまう。衝撃をうける綾のもとにかかってくる一本の電話。それは死んだはずの一哉からだった。その一哉は不思議な事を口にする。死んだのは綾の方で、しかも殺されたと言うのだ…。
謎めいた出だしから始まるSF風ミステリ。電話を通じて連絡を取り合ううちに、どうやら一哉も何者かに殺されたらしいという事、そして2人の住む世界がある時点を境に分岐してしまったらしい事が判明する。
そう、これは「彼の殺された世界」と「私の殺された世界」を舞台としたパラレル・ワールドSFなのである。
世界が分岐してしまった理由、分かれた世界にいる2人が連絡を取り合える理由などは主題ではなく、作者も突き詰めて書いてはいない(突き詰めていたらたぶんそれだけで一冊ぶん書けてしまう)。これは自分でも理解できない運命に巻き込まれ翻弄されながらも自分を(彼を)殺した犯人を探していく少女の物語だ。
ほんのわずかな手がかりから犯人の正体を暴きだしていく様はミステリとしても非常にスリリング。だが、SFとしてとても面白い点は、お互いの世界の相違点をすり合わせながら真相に迫っていくところ。「彼の世界」では殺されたのは私なわけで、「私の世界」で彼を殺した犯人を捜し出す事は同時に私を殺した犯人を捕らえる事でもある訳だ。この秀逸な設定をフルに活かしながら作者は物語を進行させていく。
主人公が高校生の女子なもので行動力に限界があり、こちらから見るととても簡単そうな事にグズグズしている様子は読んでいてイライラさせれるが、それが余計に緊張感を増している。
結局一度も顔を合わせる事のできなかった一哉のために、無理に勇気を振り絞って調査していく綾。そう、2人は気づかないふりをしているのだが、分岐した世界で2人が会う事は絶望的に不可能である。電話でのみ声を聞く事ができるが、実際に会う事はできないという状況は、単に相手が死んでしまっただけより実は過酷な状況なのかも知れない。
そんな世界の中、諦めたくても諦められない、やりきれない想いを抱えながら犯人を追い詰めていく綾。そして一哉。
少しずつ「ズレ」が大きくなっていく2つの世界をつなぎながら、物語は意外な真相へとたどりつく。
いくらもがいても自分の力ではどうしようもない絶望の中で、少しでも良かれと思う事に全力を尽くす主人公たち。それはもはや会えない相手のためにできる事。
前述したとおりSF的シチュエーションの中で繰り広げられるミステリだが、もがき続ける少女と少年を描いた恋愛小説でもある。
高畑京一郎の第1回電撃小説大賞受賞作『タイム・リープ』に影響されて書かれたというだけあって、緻密に設計された物語の構成力に目をみはる。
高畑京一郎と同じく電撃小説大賞(第15回)を受賞している。 -
途中でよめたわー
ハラハラだよー -
ジャケ買い品です。
最初はさわやかな高校生たちの恋愛でよかったのに、ラストがいまいち。
このままさわやかにおわりたかったなぁ……。 -
パラレルラバーズという題名にふさわしい作品。
同じ時同じ場所なのに、
そこに一緒にいられないという描写が切ない。
ミステリーとしてもそこそこ面白いと思う。
電撃文庫の「タイムリープ」に影響された部分もあるとあとがきで語っていたので、
この手の話が好きな人は読んでみるといい。 -
“「綾……俺はさ、もう綾に死んでほしくないんだよ。せっかく生きてる綾と話ができた、それだけで嬉しいんだ。綾にはさ、俺のことなんて忘れて幸せになってほしいんだ」
「なんでそんなこと言うのよバカバカバカバカ!!一哉がいないのに!一哉がいないのに一哉がいないのに一哉がいないのにどうやって幸せになれるって言うのよ!私は一人でも犯人を捜す、一哉の力なんか借りなくても絶対捜す!」
「無駄だってのがどうしてわからないんだよ!」
「無駄って何、一哉に私の何がわかるの!?私に何が必要で何が無駄かあなたにわかるって言うの!?」
「もういい、勝手にしろ!」
「言われなくたって勝手にするわよ!」
思い切り乱暴に通話を切ると、とたんに辺りが静かになった。
私は涙を拭こうとして、片手にお菓子を握りしめたままだったことに気がついた。強く握りすぎて、月はほとんどバラバラになってしまっていた。
ティッシュの上に粉が落ちて、そのたびに胸が痛くて。
床に叩きつけようと振り上げた携帯を、そっとクッションの上に置いて、そして私は思い切り泣いた。”
綾の世界で一哉が事故死した。
だけど、通夜の晩を境に、彼女は所謂パラレルワールドの一哉と接点を持つことに。
一哉の世界では綾が誰かに殺されていた。
唯一の繋がりである携帯電話の通話を頼りにこっちの彼と向こうの彼女を殺した犯人を探す二人が見つけた真実とは。
「あ」と思わず呟いてしまうようなあっけない終わり。
後悔するにはあまりに遅すぎて、今まで続いてきた魔法が、一本の細い糸がぷっつりと切れてしまう感覚。
虚のような衝撃と、遅れて追いつく思考が終わりを告げてくる。
うー。
これは泣ける。各章の題名にも。
全ての章が綾視点だったため、「綾が自分で自分に描いていた夢のような現実逃避の作り話」と笑われてしまいそうな。
だけど、その考えには「綾がラメルと知り合えた理由」が穴を開ける。
それが、少し救われる。
向こうの一哉は一哉であって一哉ではない。
綾が向こうと途切れたときにこっちの一哉と向き合う展開は良かった。
ピヨホワイト。風邪薬。パラサイト。
複数のキーワードが繋がってひとつの答えを導き出す瞬間が良かった。
あと、二人が逃げる時の臨場感とか。
イラストも素敵。
“その笑顔を見て、涙がこぼれそうになった。ああ、なんでだろう、すっかり忘れていた。
「そう、ですよね」
<こっち>の一哉には、お通夜の日以来会いに行っていなかった。
<こっち>の一哉、私と同じ世界の一哉。私はどこかで彼の死を認めていなかったのかもしれない。仇をとると、彼のためだと言いながら、ずっと目をそらしていた。
「ラメルさん」
「ん?」
「今日だけ、泣いてもいいですか。明日からは元気になりますから」
彼女は長い髪を横に払うと、不思議そうな顔をした。
「別に今日に限定せねばならん理由もないだろう。泣きたければいつでも泣けばよい」
信号が点滅する。そうですねと言う代わりに、携帯電話を握りしめた。
そうだ、明日も泣いて、明後日も泣いて。
そしていつかまたこの電話が鳴ったときに、笑って話すことができればそれでいい。
今はまだ、その決意を口に出すこともできなかったけれど。”
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