ニコニコ動画が未来をつくる ドワンゴ物語 (アスキー新書)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 386
レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048679992

感想・レビュー・書評

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  • 本書の題名からは「ニコニコ動画を運営する会社」の物語に思えるが、ニコニコ動画が登場するのは最後の二章(第五章、第六章)だけで、その焦点はドワンゴという会社を担ってきた人々-いわゆる“中の人”-の「物語」に当てられている。

    ドワンゴという会社は、良く言えば“何でもあり”な会社であり、悪く言えば“行き当たりばったり”な会社である。様々な人間がドワンゴに集まり、そして、時に去っていく。そこにドラマはあるが、お世辞にも「長期的な」とか「一貫した」といった形容詞のつく企業戦略は見出せない(但し、あるサービスを展開する時に、他社との「差別化」をどう打ち出すかといった発想は勉強になった)。だが、本書を読めば、そうした「次に何をするか分からない」といったイメージは、この会社の弱みでもあるかも知れないが、それ以上に強み(≒面白さ)でもあるのだと分かる。

    また、本書を読んで驚くのは専門用語の多さである。第一章で、いきなりの横文字ラッシュに頭の中が「?」となる人は少なくないだろう。だが、その用語全てを理解する必要はない。むしろ、このワケが分からない様子こそが、当時-まだWindowsもなかった時代-のPC界の雰囲気をよく表しているのだと思う。そして、こうした時代からPCにはまり込んでいた人々によってドワンゴという会社が立ち上げられたと考えれば、今日のニコニコ動画に漂う-良くも悪くも“いかがわしい”-雰囲気の源流も見えてくるのではないだろうか。

    ニコニコ動画-この”胡散臭い“名前の動画共有サービスが発表された時、今日の「躍進」を予測できた人は一体何人いただろか。今や、その名前は広く知れ渡っている。本書は、このサービスを正面から取り上げたものではないが、その源流や背景を知ることで、より一層面白くニコニコ動画を利用できるはずである。

  • 自分は積極的にゲームをやるほうではなかったけど、パソコン通信自体は1980年くらいからやっていたので、当然Bio_100%の名前はいろんなところで見聞きした。それが現在までどんな風につながっているのか、、、その一面はわかった感じ。

    おそらく会社ごとに同じような話はあるんだろうし、ほんとはドラマチックな部分ばかりではないだろうけど、読み物としてうまくまとまっていると思う。

  • ニコニコ動画という現在進行形のIT企業・サービスについてその歴史を綴った一冊。

    著者の思い入れが過剰になることなく、関係者に丹念にインタビューを試みて書いたのがよくわかった。

  • 「ニコニコ」単体を超えて、日本のインターネット創成期からの熱っぽいドキュメンタリー。的な本でした。

    「ニコニコ」を作った人たちがどんなバックボーンを持ち、それが日本のインターネットの発達とどんな関係の中で育まれてきたかが、IT業界人っではない僕にもよく分かりました。

    会社の歴史、IT業界の歴史がよく分かるのはもちろんの事、関係する人たちの生い立ちや性格まで、細かくリアルに描写されていて、なんかその場のやり取りを自分も聞いていた様に読みました。

    廃人達の死の行進とか、GACKTさんとの話しとか、とかとか。。。
    もー、なんか読んでて苦しくなったり、せつない気持ちで一緒に居たくなったり。たりたり。。。

    今さらながらにこの本を読んで、「なるほど、そういう歴史でしたか」という深い理解を得つつ、「こんな壮絶な歴史によって作られたニコニコは、スゴイ魂のあるサービスなんだなぁ」と一層好きになりました。

    「ニコニコ動画が未来をつくる」と思うし、作って行って欲しいと思ってしまう一冊でした。

  • Bio100%の掲示板、私も書き込んだりしてました。

  • ニコニコ動画を作ったドワンゴ会長の川上量生さんとドワンゴの物語。
    とにかく「楽しい」と思ったことをとことんやり込み、追及する姿勢から、活力が生まれて行く。
    ドワンゴの名前の由来も書かれていて、ソフトバンクの孫さんも出て来たりして、へーっていうポイントがたくさん。
    着メロと着ボイスのエピソードも面白かった。
    最初はパソコン通信に詳しい人じゃないと専門用語が多くて難しいかもしれないが、それを分からないままに読み飛ばしたとしても、ためになる部分がたくさんある。

  • タイトルは「ニコニコ動画」とあるが、実はニコ動の話はほとんどなく、ドワンゴという会社の生い立ちの物語であったりする。
    でも、それはそれで面白い。ドワンゴの歴史は、自分自身が就職してコンピュータ業界が変化していくのを体感していた時期とリンクしているので、懐かしさでいっぱい。昔はインターネットもなく、パソ通だったよなぁ。
    ニコ動の細かいことを知りたい人には肩透かしな内容だが、バブル崩壊後の混沌とした時代を懐かしむ本としては素晴らしい。

  • ニコニコ動画が出来るまでの経緯を物語として書いた一冊。ならず者集団といっても良い彼らがネット社会で大きく受け入れられていく過程が読みやすく書かれていて、読み物として面白かった。

  • マイコンの時代からパソコン通信、Win95、Imode、midi、Youtube・・・。
    もう文章読んでいるだけで懐かしい物語。
    この情報進化のトルネードの中で、熱狂的なマニア「廃人」達が、
    熱狂的に面白いことを仕掛け続けている話。
    しかし、決して技術一辺倒の話ではなく、むしろそれらを支えているのが人と人とのつながりにあるのが象徴的でした。
    熱気にあてられる本です。
    こんな仕事するぞ~!

    あと、GACKTさんはクールだなぁ。

  • ドワンゴのみならず、ネットに関するあれこれの発達も感じられる一冊。読み物として純粋に楽しかったです。

著者プロフィール

佐々木 俊尚(ささき としなお)
1961年生まれ、兵庫県出身。早稲田大学政治経済学部政治学科中退後、1988年毎日新聞社入社。記者として勤めたあと、1999年『月刊アスキー』の編集部デスクに転身。2003年退職後、主にIT分野やメディア業界に関わるフリージャーナリストとして活躍。大学非常勤講師なども担当している。
代表作として、2010年度大川出版賞を受賞した『電子書籍の衝撃 -本はいかに崩壊し、いかに復活するか?』、『キュレーションの時代』など。近年は『家めしこそ、最高のごちそうである。』といった自宅料理についての著作もある。

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