「農業」という生き方 ど素人からの就農入門 (アスキー新書 129)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048680486

感想・レビュー・書評

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  • 日本全体で農業の大規模法人化が進む中、個人で農業の世界へ飛び込んだ8人の物語。サラリーマンだった彼らがなぜ農の道に進んだのか、小規模農家としての経営戦略や苦悩が語られる。

    新規就農時の一番の苦労は農地(土地)の確保であるらしい。これは、農地を所有するには居住地を管轄する農業委員会から農地所有の許可を得る必要があるためと理解することが出来るが、実際には、買いたい/買える土地を見つけることの方が難しいようである。

    良くも悪くも農業従事者は「村社会」的な慣例やコミュニティの中に生きていく事を求められるようだ。地域に溶け込み、信頼を得て初めて、土地の紹介やその他諸々の協力が得られるのだろう。

    農業で生きるとはどういうことなのか、実際の例から学べる良書でした。

  • 農業の本というと成功例ばかりで、苦労話や失敗談が少ないのが多い。
    本著はその点では2つの失敗談を記入し、農業の本質を書いていた。新規参入では個人のみならず大企業まで失敗する例が多い。多大な設備投資・データ等の蓄積の不足など様々な要因が考えられるが、農業という特殊な分野にも影響している点がある(土地の取得ー地権者との関係性、水利権問題、多額の設備投資など)

    成功例としては同じ農家と連携し、農機具の共同購入やJAとの連携など地域へ溶け込む努力を惜しまないこと。
    新規就農の場合、良い農家・農業法人で修行を積むなど自分から情報を掴み、動いていくバイタリティーと体力、経営者としてのマネジメント力など幅広い力が求められる。

    気になる点は、失敗例がもう少しあれば内容に幅が広がったと思うこと。また、成功例として紹介されていた中でも他の分野も調べてほしかった。

  • まったく農業経験のなかった人へのインタビューをもとに農業の良さだけでなく、初心者がぶつかる課題などを明らかにしている実践的な書だと思います。

  • 終わりのほうに少しだけ紹介されていた、土づくりという考え方がとても気になった。
    森(自然)を観察してそこから学ぶというやり方。
    詳しく調べてみるが、これを知れただけでも大変な収穫であったと思う。

  • [ 内容 ]
    これからの産業として、また新しい働き方として、再び脚光を浴びる農業。
    いちご農家、酪農家、有機野菜農家、米農家、茶農家…。
    一般サラリーマンから農業に身を投じた彼らの悩みや努力のポイントはどこだったのか?
    どこに幸福を見出しているのか?
    人生の選択肢の一つとしての農業を考える際の実践書。

    [ 目次 ]
    第1章 独立までの3つのパターン(自治体の支援制度を使い「農家」で研修―ミニトマト農家・西山稔さん;自治体の支援制度を使い「研修施設」で研修―酪農家・黒木圭太さん ほか)
    第2章 ケース別・それぞれの農業スタイル(数々の挫折を乗り越え“味で勝負するイチゴ栽培”に行き着く―イチゴ農家・吉田潤さん;“無農薬の佐渡産コシヒカリ”を通じて、限界集落を救いたい!―米農家・津田政明さん ほか)
    第3章 新規就農者の視点で見た「日本の農業の実情」(「農地を借りるのが難しい」本当の理由とは?;何を基準に作目を決めるか? ほか)
    終章 「農業という生き方」の挫折と新潮流

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 農業にはさまざまな携わり方があって、大変さや熱意の形もさまざまあることを知った。農業に興味がある人にとって、良い刺激と農業の現実を知ることができる本。

  • ちょっとあこがれる。

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著者プロフィール

著者 永峰英太郎(ながみね・えいたろう)1969年、東京生まれ。明治大学政治経済学部卒業。業界紙記者、夕刊紙記者、出版社勤務を経て、フリー。企業ルポ、人物ルポなどを得意とする。主な著書に『日本の職人技』『「農業」という生き方』(アスキー新書)、『カメラど素人が、プロのカメラマンに撮影のテクニックを教わってきました。』(技術評論社)などがある。また母親の死や父親の認知症の体験をもとに執筆した『70歳をすぎた親が元気なうちに読んでおく本』(二見書房)、『親の財産を100%引き継ぐ一番いい方法』(ビジネス社)、『マンガ!認知症の親をもつ子どもがいろいろなギモンを専門家に聞きました』(宝島社)、『認知症の親と「成年後見人」』(ワニブックスPLUS新書)、『これで安心”もしも”のときに子どもに迷惑をかけないための準備ブック』(永岡書店)を出版。親の家の維持・売却の経験をもとに、本書を企画。

「2023年 『親の家を売る。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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