太陽のあくび (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 312
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048682701

作品紹介・あらすじ

愛媛の小さな村で開発された新種の夏ミカン『レモミカン』。黄金色の外見と、溢れ出る豊富な果汁、そして爽やかな酸味が特徴の逸品だ。
 テレビの通販番組で取り上げられることになり、村の少年部のリーダー、風間陽介は父と一緒に東京へ乗り込むのだが、番組は失敗。大量のミカンが売れ残ってしまう。
 それでも陽介たちは、父親や片思いの少女らと衝突をしつつも、自分たちが作り上げたミカンの素晴らしさを信じて、奔走する。その一途な想いは、果たして通じるのか?

感想・レビュー・書評

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  • 愛媛の小さな村で作られる、新品種のミカン(夏蜜柑?)が通販番組で売られる話です。
    そのミカンを作る農家の男子高校生と通販番組を作るお姉さんが奮闘します。

    ざっくり言うと、ドラマにしてほしい!って感じです。
    読んだあとのスッキリした感じとか、田舎ののどかな感じとか、高校生のフレッシュな感じとか、映像にしたらキラキラするんだろうなと。
    読んでてハラハラするんですよ。
    でも、キラキラしてるんです。
    今の若手の女優さんって、超絶美少女じゃなくて、何て言うかアレじゃないですか(゚ω゚)←
    そういう女優さんがぴたりとはまるし、男の子も某イケメン事務所を使っても良いし。
    登場人物の中に美人もいるし。
    青春ストーリーなので、良いと思うんだけどなあ。
    だだの妄想ですねw

    読んでる最中に、読書感想文が書きやすそうな文だなーとか思ってしまった。
    楽に読めるし、青春ストーリーだし。

    面白かったなー。

  • 『太陽のあくび』
    一言で言うなれば、柑橘系の味わいがありました。
    分厚いページ数の割に、すいすい読み進めます。

    酸いも甘いも教訓が入ってます。
    もれなく、爽やか青春風味も5g入。

    表紙のデザインをご覧ください。
    本棚ではなく、ついつい段ボールに入れたくなります。
    (END)

  • 装丁がめっちゃ好き
    内容も装丁に劣らず、高校生達の葛藤と共に物語が進んでいく感じが良かった。

  • 「太陽の出陣」
    お披露目前の下準備。
    見て聞いて興味を持ってもらうには不向きではあるが、苦労話や開発過程を聞いても買う気にはならないのでは。

    「太陽の憂鬱」
    売るために必要な事。
    番組が続く中で衣装を汚せないのは分かるが、アピールポイントを潰し勝手な調理をされたら気分悪くなるだろ。

    「太陽の子どもたち」
    一つになれない者達。
    何を想っていたのか聞かなければ、自身の中でも消化出来ないだろうに逃げてては気まずさが残るだけなのにな。

    「太陽の悩み」
    悩み考えすぎた結末。
    自身の将来を思いつきでなく考えた結果だったとしても、家業に捕らわれていないか不安になる事はあるだろう。

    「太陽のイメチェン」
    イメージを変える為。
    成り行きで決まった名前とはいえ、開発当時から呼んでいた名前を変えるには少しだとしても葛藤があったろう。

    「太陽の勇気」
    もう一度チャンスを。
    何故駄目だったのか見返しても分からないところが、見せて売る者として欠けている部分なのではないだろうか。

    「太陽の反撃」
    互いに歩みよること。
    夢にかける時間が好きでもないことで削られるなんて、誰だって嫌だろうし邪険に思うのは仕方ないことだろう。

    「太陽の微笑み」
    逆転勝利を手に取る。
    普通に考えるとNGをもらう内容を強行したからこそ、見ている者たちが欲しいと思える映像を撮れたのだろう。

  • 下手な青春小説より、よっぽど青春している人達の物語。
    人物も、展開も、すべてがバランスよく纏まっている。

    展開が少しばかり単調すぎるのが、欠点といえるかもしれない。
    それを補って余りある、面白さだと思う。

    とりあえず、みかんが喰いたくなりました。

  • 少年少女と、仕事に熱心なバイヤーのお話し。
    僕には語彙力がないので、素直に感じたことを少し…。

    少年少女たちの会話や話し合いが、等身大の高校生を身近に感じられて微笑ましく読むことができました。
    中盤からはどんどん物語にのめり込む事ができて、ページを捲る手が止まらなかったです。

    物語の内容のように、爽やかな初夏を思わせる読後感。しばらくしたらまた読みたくなる1冊です。

  • 過疎地の高校生達が、新しい夏みかんを売り出そうとする青春物語+どたばたテレビショッピングの裏事情

    ところどころ、有川浩っぽさを感じる
    子供達のパートは「空の中」で、ショッピングパートも何かの作品に似てる人がいた気がする
    ただ、有川浩ほど洗練されていない
    ページ数は多いけど、密度はそんなに高くはなく、冗長に感じる部分も少々

    生産者で農家の現状を理解して打って出たい高校生たち
    テレビ通販でヒット商品を出したいバイヤー
    それぞれの思惑のすれ違いにより最初は大失敗する放送
    このあたりでどういう結末になるのかは予想がつく


    ってか、柿崎さん無能じゃね?
    素人に打ち合わせもなしに本番でいきなりしゃべれとか
    食べてもらえば価値がわかる商品のプレゼンの仕方とか
    事前に商品を送ってもらって見栄えを良くするとか品質を確認するとかしないわけ?
    なので、どうも準備不足としか思えない
    プロモーション映像にしても、もっと作り込めば最初から売れた気がするんだが?
    と、どうも乗り切れない


    陽介の気持ちはまぁわかる
    想いを寄せる幼馴染と都会から来た一方的にライバル視する相手
    でもなぁ、陽介というキャラがなんだか好きになれないんだよなぁ


    東堂も嫌いではないけど、幸彦に「チャンスだろ」とかって言っちゃうのが軽率と言うか
    自分の願いがあるならもっと正直に行動すればいいんじゃね?って思ってしまう
    ま、それができたら苦労しないんだろうけどね


    とまぁ、色々とツッコミどころはあるんだけど
    終盤の展開は楽しめる
    これでもかというくらいに強調されていた頼子の食べっぷりとか
    親父の初回の出演時の態度の理由とか
    主に柿崎のやけっぱちの暴走と小塚のサポート具合のはっちゃけっぷりが小気味いい

    小塚さん、がんばって欲しいなぁ(笑)

  • とても心温まるいいお話だった

  • 愛媛で新しい蜜柑を売り出すために頑張る高校生と、
    テレビショッピングのオチこぼれバイヤーのお話。

    とにかく柑橘系が好きな人は読んでみるべきです。

    甘酸っぱい青春と、酸味と甘味のバランスをとった”太陽のあくび”と、いい具合に混ざったお話です。

  • 図書館で。児童小説というかヤングアダルト向けなのかな?可愛いお話。
    ただ、あまりに色々とお話が多角的に展開していてどれもなんとなく中途半端に流れてしまってる感じがする。とは言えテレビショッピングのバイヤーの熾烈な争いを見たい訳でも、農家の借金と労働の苦労をリアルに語られたい訳でもなく、高校生の集団での人間関係をつぶさに観察したい訳でもないからこれぐらいがちょうどいいのかなぁ。でもバイヤー同士のあまりに子供じみた争いと社内恋愛は省いても良かったような気がするけど。社会人で、同じ職場でそこまであからさまに張り合うものかなぁ。なんかもっと陰でコソコソ陰険にやりそうな気がするけど。お父さんも…ちょっと大人としてそれはどうなの?と思う所もあるけれどもそれも置いておいて(大人が活躍しちゃったら高校生の出る幕がないものな)

    この頃色々な柑橘類が登場していてレモミカンのモデルとなったのは紅マドンナだろうか?それともセトカとかそう言うのかなぁなんてぼんやり思いました。でも私はあまり酸っぱい蜜柑は好きでは無いな…

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著者プロフィール

有間カオル (ありま・かおる)
『太陽のあくび』で第16回電撃大賞メディ アワークス文庫賞を受賞しデビュー。
他に『 魔法使いのハーブティー 』、『 招き猫神社のテンテコ舞な日々 』( KADOKAWA )、 わすれな荘シリーズ ( 角川春樹事務所)、『気まぐれ食堂 神様がくれた休日 』( 東京創元社 )、『 青い花の下には秘密が埋まっている 四季島植物園の静かな事件簿 』(宝島社) など 。

「2022年 『氷住灯子教授と僕とYの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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