明治維新のカギは奄美の砂糖にあり 薩摩藩 隠された金脈 (アスキー新書 143)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048684101

作品紹介・あらすじ

明治維新のころ、欧米の列強は競ってアジアに進出し植民地を確保していた。幕末、薩摩藩はこの危機を強く意識し、日本最大級の軍事力を備え薩英戦争に勝利。さらに徳川幕府を倒し、明治政府を樹立することができた。この軍備を可能にした、薩摩藩の豊かな財政の秘密とは?歴史から隠された謎の金脈の真実をひも解く。

感想・レビュー・書評

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  • 幕末、維新の立役者となった薩摩藩の活動を支えていたのは、支配下の奄美諸島から収奪した砂糖によってもたらされる莫大な利潤だった。
    かたや幕府は通貨の大量流出によってどんどん財政難に陥っていく。(大君の通貨-幕末「円ドル」戦争)

    では他の雄藩、たとえば長州藩の財政はどうなっていたのか、興味は尽きない。
    英雄が活躍するだけではない、幕末の経済的な側面に興味がでてきた。

  •  まぁ,この論点を正面に押し出したことに意義がある一冊という感じでしょうか。薩摩による奄美搾取は当時の欧米列強以上の植民地支配と評価できるものです。薩摩が,一方で,日本(大和)の植民地化を恐れて倒幕→明治維新に向かい,他方で,そのための資金を自分たちの植民地から調達していたというのは,とてもアイロニカルなお話しです。明治維新の財政学的研究というのは寡聞にして知りませんが,是非専門家が書かれたものがあれば読んでみたいと思います。本書によれば,奄美支配についての資料は大方焼かれてしまったそうですが。。。

  • [ 内容 ]
    明治維新のころ、欧米の列強は競ってアジアに進出し植民地を確保していた。
    幕末、薩摩藩はこの危機を強く意識し、日本最大級の軍事力を備え薩英戦争に勝利。
    さらに徳川幕府を倒し、明治政府を樹立することができた。
    この軍備を可能にした、薩摩藩の豊かな財政の秘密とは?
    歴史から隠された謎の金脈の真実をひも解く。

    [ 目次 ]
    序章 幕末・日本の置かれていた状況(薩摩藩開国論の理由;沖縄は本土より七年前に開国させられていた ほか)
    第1章 薩摩藩vs奄美大島(薩軍の奄美侵攻;薩摩藩による奄美の支配 ほか)
    第2章 徳川幕府vs薩摩藩(薩摩藩の藩財政;木曽川の治水工事 ほか)
    第3章 幕末・なぜ日本は植民地化されなかったのか(軍備増強の必要性;薩英戦争の原因・生麦事件 ほか)
    第4章 奄美の砂糖が明治維新をもたらした(薩摩藩による奄美の間接支配;奄美の砂糖 ほか)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 当時の薩摩藩の財政状況から、奄美の砂糖(黒糖)がいかに薩摩藩の財政を助けたか、そして明治維新の原動力を支えたのかを示す本。
    当たり前の事実であり、特に面白い点はなかった。

    具体的な事実としては、奄美砂糖の収奪状況。砂糖収穫をとことんまで収奪するために、奄美での貨幣使用を禁止し、生活必需品を余剰砂糖で買い取らせていた事実は興味あり。

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