死神と桜ドライブ (メディアワークス文庫 あ 2-2)
- アスキー・メディアワークス (2010年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048684675
感想・レビュー・書評
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恋愛詐欺にあった美咲と。
葬儀屋の名の元の遺体ブローカーの社長、黒木の周囲にまつわる事件の物語。
美咲の浅はかさには信じられないレベルと。
黒木と社員の正塚に関する謎も結局分からないまま終わった感じ。
終盤の桜ドライブはスリリングだったけど。少し消化不良な作品でした。
緑の桜「御衣黄」は、新潟市江南区のとある公園でも見れます。
やはり希少価値の桜だそうで。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不思議で謎がいっぱいで真っ黒なお話。
かすかに桜色があるような、ないような感じ。
にしても、主人公がお馬鹿すぎる。
不思議な感じや謎は本を閉じても続きます。
お馬鹿な主人公の最後の選択はとても良かったと思います。
それなりに幸せになってほしいです。
黒木葬儀社の2人も謎が残りますが、魅力的な人物です。
面白かったです。 -
遺体ブローカーのお話
男に騙されてヤクザに売られて風俗に連れて行かれる途中で車の前に飛び出して轢かれて自殺したはずが、事故した車の賠償のために乗っていた人達の仕事の手伝いをさせられる事になった地味めな28歳OL美咲
ヤクザからは逃げられたけど、ヤクザとは違った闇の世界囚われた感じ
病院から連絡を受けて遺体を自宅に運び、葬儀は他の葬儀社に任せる
いわゆる遺体ブローカー
そりゃぁ家族を亡くした人が、病院の霊安室で悲嘆に暮れているときに「ご遺体を自宅に…」と言われて断れる人はそうそういないわな
そしてその連絡を入れてもらうためには病院指定の業者になるか、一報を入れる看護師や病院の関係者と懇意になっておかなければいけない
ノンフィクションの「エンジェルフライト」で、ひどい業者がいるって事が書かれていたので、まぁそんな事してる人も実際にいるんだと思う
でも、作中でも書かれてあるように、死を非日常として忌避してきた結果、近親者の死を迎えた際にどうすればいいかわからないというのも道理だと思う
葬儀関係者への差別や偏見というのも、映画 おくりびとで描かれていたようにあるしね
個人的な印象で言えば、葬儀会館のスタッフは感情の表し方がプロだなと思った事がある
殊更悲しむでもなく、さりとて全くの無関心というわけでもなく遺族の感情に寄り添おうとする表情が絶妙な人がいた
まぁ、中には元気すぎて「こいつ、この仕事に向いてねー」って思った人もいるけどね
なので、葬儀関係者といっても千差万別なんだろうね
ってか、主人公の美咲の無知というかバカさ加減に呆れる
まぁ、物語だからといえばいいんだけど、もうちょっと疑ったりしないものかね?
敏士もバカだしね
黒木と正塚の正体は結局謎
不思議は不思議のままという終わり方はなんだかなぁ
ってか、損傷や死を肩代わりさせる能力?
有間カオル作の印象としては、不思議な能力を持ってるっぽい印象を与えつつも、現実的にありえるもので描く系なんだけどね
終盤の展開はまぁ王道でよい
そんな緑の花が咲く桜が存在する事は知ってたけど、何で知ったんだっけかな? -
死について書かれた物語。
不思議な内容なのでちょっと前作との違いに戸惑いが。 -
全てを無くしたからこそ見えたもの。
人を信じるというのは良い事だが、世の中一切疑いなく生きていくのは危険だよな…。
最期まで読めばあの二人の正体が分かるかと思ったが、結局分からず仕舞いだったな。 -
お人よしすぎる美咲が読んでてイライラした。
普通彼氏の連帯保証人になんかならないし、自分を売った相手をそこまで無条件で信用しないでしょ。
結局美咲は絶望から立ち直って生きていくの?
多分無理だと思う。やめたほうがいい。
それでも最後の桜の場面は好き。
黒木と正塚の正体は比喩じゃなくて本当に死神なの?
最後がなければ読後感スッキリだったのに、最後に最後でモヤモヤした。
でも、確かに葬式って驚くほど料金がかかるなと気付かされた。 -
かなり読みやすくはあったけれど、謎な部分が多かった。
結局黒木は美咲をどうしたかったんだろう?
でも、いい話でした。
私自身、なんの取り柄もない人間なので、ちょっと元気づけられました。
死神と桜ドライブ、いいタイトルです。 -
太陽のあくびに続いて二作品目
共通項は主役級が青すぎて読むのが辛いところ
でも、読みにくいとは思わないのが魅力か
幽体離脱の描写が少々理解不能だが、葬儀屋には死を保留にする能力がある、と想像するといいのかな
その保留にした死は本人でなくとも誰かに背負わせなければならないとか?今回は婦長がその役目を負っているのだろう
助手がその痛みを受け入れる箱の役割、死に相当するダメージを受け止め、自由に他人に背負わせることができる、その能力は葬儀屋が持っていて助手はただの箱の可能性もある、むしろそう考えた方がつじつまが会う
葬儀の暗部は以前バラエティー番組のネタにされていたので驚きはしなかったが、彼らを悪役として描いてはいけないと当時感じた、今作を読んでいても婦長をはじめ看護師がみな一律に描かれていたのが残念。葬儀屋側の言い分はスペースが割かれていたのになぁ
ハッピーエンドは確定している作者なので安心して読みたいときにおすすめ