断章のグリムXIIしあわせな王子・上 (電撃文庫 こ 6-26)
- アスキー・メディアワークス (2010年5月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048685412
作品紹介・あらすじ
大きな黒い霊柩車のような不審な車。かつてこの車を見た翌日、隣の家族は忽然と姿を消した。その同じ黒い車が、密かに想いを抱く浅井安奈の家の前に停まっている。安奈はあまり幸福とは言えない学校生活を送っている可憐な少女で、趣味を通して最近少しだけ仲良くなってきたところだった。膨れあがる不安感に押され家の中に忍びこんだ多代亮介は、傷ついた安奈を連れ出して逃亡した。蒼衣が深い傷を抱えた一週間後。処分しそこなった"泡禍"被害者を探すため、瀧修司と可南子の工房を訪れた蒼衣たち。だが、可南子に対して雪乃は恐怖を感じずにはいられない。雪乃は"生き返り"という概念に疑問が隠せず、そして-。悪夢の幻想新奇譚、第十二幕。
感想・レビュー・書評
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「高炉のある町」
逃げ出した死体を探して。
亡くなったから供養するために焼くはずが、死者でも生者でもない存在として焼かれるのだな。
「体温のある像」
山の中を逃げ出す二人は。
何も知らないまま処理する様子を見たら、殺人鬼に殺されると思ってしまうのも無理ないだろ。
「不幸のある巷」
傷を治すために呼び出し。
軟禁状態にするのであれば、ただ閉じ込めるだけでなく手足の自由も奪っておくべきだったな。
「幸福のある城」
逃げ出した二人を探す為。
化け物だと知っても助けようとしているのは、元々知人だったからなのか理由が気になるよな。
「悲劇のある家」
身を挺して護ったものは。
話し合いの場を設けるには遅すぎるかもしれないが、勝手な判断で匿うのは危険すぎるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「葬儀屋」のもとから一人の死体が逃げ出したという連絡を受け、蒼衣たちは捜索を手伝うことになります。逃げ出したのは浅井安奈(あさい・あんな)という少女で、彼女のゆくえを追ってきた蒼衣は、安奈のクラスメイトである多代亮介(たじろ・りょうすけ)という少年が、彼女を連れているのを発見します。亮介は安奈を逃がすために蒼衣に傷を負わせ、さらに夢見子の予言によって「しあわせな王子」にまつわる泡禍が起こることが告げられます。
葬儀屋の助手を務める可南子にも尋常ならざる背景があったことが明らかとなり、ストーリーにどのようにからんでくるのかたのしみです。それにしても、登場人物のほとんど全員が一筋縄ではいかない背景をもっていて、読んでいるとこちらの感覚までおかしくなってきそうです。 -
久々に読んだ断章のグリム。
今回は葬儀屋さんの過去が分かったり。 -
売却済み
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前の巻読んだのいつだーと思ってブクログ見返したら4月でした。いくらなんでも間空けすぎだろう自分。
久しぶりの甲田先生。既存のキャラの過去に触れる描写や、蒼衣君のトラウマについてしっかり書かれていて、読んでいてちょっと嬉しくなりました。
続きが気になって仕方ない…!考察しつつ、下巻で裏切ってくれるのを期待。 -
しあわせな王子はグリム兄弟じゃないというのは知ってたんですが、アンデルセンあたりかと思ったら違ってました。でも、オスカー・ワイルドの名前自体は覚えがありました。リンクしてなかったけど(苦笑)。
今回は悪夢の始まりまでを引っ張る構成になってるのが逆に面白いなぁと思いました。今までは事件が起きてから蒼衣たちが関わることが多かったですが、それより前から巻き込まれるという展開は目新しい。
さすがに今回は<潜有者>の予想が外れるとは思いづらいけど、香田さんだしなぁ。下巻でどんなふうに裏切ってくれるか楽しみです。 -
今回はやや趣向を変えた内容。どこがどう繋がるのか、まだ全然分からない状態。続きが気になる。
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913.6 コ12 登録番号8077
生徒リクエスト -
可南子について少し分かり、可南子が好きになった。こーゆーキャラクタ好きだな。
前作、前々作と、やや停滞に感じていて「しあわせな王子→グリムじゃねーじゃん」と思っていただけに、今作の引力を強く感じた。次が気になる。