- 本 ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048686556
作品紹介・あらすじ
生まれてくるすべての子供が先天的な“欠陥”を持ち、『サプリ』と呼ばれる補助剤の助けがなければ感情を制御できなくなった近未来。
仲間とともに《ヴィークルレース》に興じる少年、羽鳥カナミは、ある夜、不思議な少女と出会う。少女の名前は出雲ミクニ──《新世代》と称される歌姫との邂逅は、羽鳥になにをもたらすのか。レースの先に待ち受けるのは、栄光の未来かそれとも── うえお久光が贈る青春爆走劇(エクストリーム)!
感想・レビュー・書評
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今回のネタは「共感覚」。
数字に色がついて見えるとか、音に色がついて見えるとか、そういうアレ。
生まれてくる子供たちが、すべて「共感覚障害」を持っているという世界で
共感覚を増幅・制御するサプリを使って、自分の体を「乗り物」として錯覚させることで、その「乗り物」でレースを行う、というお話。
共感覚のあふれる世界というものがしっかり構築されていて
それが物語のがっちり食い込んでくる感じはSFとしてとっても良作。
レースのスピード感も、うえを久光の本領といった感じで好きです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ラノベらしからぬ感じ。
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決して読みにくいわけではないんだけれども、自分の体をマシンにする、ドライブシートやハンドルの描写が想像しづらかった。文章よりも映像で見たい作品。
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しるさん繋がりで興味を持って買いました。
体を乗り物に乗っているかのような感覚で動かすという設定には非常に惹きつけられました。
全体的に勢いのある感じが良かったです。 -
2010年7月当時の日記転載
クールな雰囲気に惹かれて購入したのですが、評判の「紫色のクオリア」の作家さんなんですね…
にしてもすげえ。
共感覚障害が先天的に広まっていて、それをコントロールするためにサプリが常用されている世界のお話。
その共感覚障害とサプリ(ドラッグ)を引き出しにして、十代の悩みや葛藤や希望や欲望をテーマにし、大人と子供の価値観のズレ、世界と個人の差、知覚しきれていない熱い情熱のうようなものまで描き出したこの物語を、評価しないわけにはいかないと思う。
これ一冊でかなりの物量感。
だけど詰め込みすぎだとは感じない。
出し切れていないとも感じない。
必要なものを、必要なだけ、物語として楽しめるように絶妙なバランスで引き出されているのが素晴らしいと思う。
もちろん描かれているのは作者の一面的な価値観が主になってはいるのだけども、その価値観主張は、若い世代にちゃんと伝われば必ずその子の未来の糧になると思うし、読みたかったなあ…
何より独特の作風がクールでカッコイイのです。
漫才のような会話とか、萌えとか一切ないけど。
だから万人に受け容れられる作品とも思わないけど。
個人的には今年のイチオシかもしれない…。
紫色のクオリアも読んでみるかなぁ… -
ドラッグや騎乗感など、素材はあれこれとても美味しそうで、ストーリーの骨格も人の変化や変革が含まれていて面白いはずなんだけど。
閉塞に足掻く少年の物語を読むのかと思っていたら、「足掻く少年が書いたような物語」を読まされちゃったような後味。
お話に傾いてしまった作者さんにはあり得る…かもと思えても、このボリュームで了を出した編集さんには大いに疑問。
「あとがき」が興味深く、面白かったです。 -
薬でしか感情を制御できない代わりに、超能力じみた共感覚を持った子供たちがいる世界。自分の感情や身体を完璧に制御できるヴィークルという薬を使って、パルクールをやっちゃうぜ! というはなし。
感情を匂いとか視覚で捉えられちゃうってことは、自分の本心がわかりやすいカタチに置き換えられちゃうってことだから、それは大変だろうなぁ。
これ、シリーズ化しないのかな。キリのデビュー戦とか見てみたい。設定もいろいろ広がりそうなのに。
「あるものだけでやるしかない」っていう主人公の信条は良かったなぁ。ネギま!のエヴァ様を思い出した。麻帆良祭編の、「人生はいつも準備不足の連続だ。常に手持ちの材料で前へ進む癖をつけておくがいい」ってセリフ、良かったなぁ。 -
薬によって感情を制御しなければならない子供世代が,薬=麻薬という認識バイアスから抜けられない大人と反駁しながら,薬を使った新時代を切り開こうとする話.ヴィークルはどうみても合成ドラッグだし,主人公は平気で二股だし,ラノベとしては異色だと思う.我々が旧世代となるサマをありありと表現した意欲作でもあると思う.「大人はいつか先に死ぬ,だから俺たちの勝ちだ」という発想がガキ臭くてしかし真理を得ていて,なにも言うことができない.
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設定がまずいいと思った。
ほかのキャラに焦点を当てた話も読んでみたい。
ラノベの主人公って非童貞でもいいのね。
うえお久光の作品





