永遠虹路 (メディアワークス文庫 あ 3-3)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048687744

作品紹介・あらすじ

舞原七虹は、誰もがうらやむほどの美貌と音楽の才能に恵まれながら、メジャーデビューを目前に、ぷっつりと音楽の世界から去っていく。
永遠を願い続けた舞原七虹の人生を辿る、あまりにも儚く、忘れがたいほどに愛しい、「虹」の青春恋愛ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 花鳥風月シリーズ3作目。
    舞原七虹を中心に様々な時系列。そこに関わる人達を描いた物語。
    他シリーズでも。そしてこの物語の終盤まではなかなか見える事のなかった七虹の想い。
    他の視点での6つの物語の後、最終章での結末。
    引き込まれました。
    こちらもあの「舞原家」の話とは一線を置いたかたち。
    次のシリーズも読んでみようと思います。

  • 「朱夏」
    隣の部署に派遣された女性に恋をして。
    ズルをしても有効な約束という事は、始めから断る気はなかったという事なのだろうか。
    ただ普段書くことのないような漢字を指定してきている辺り微妙だよな…。

    「燈心蜻蛉」
    夢を目前に絶たれた道。
    いくらかは努力で賄える部分もあるだろうが、天性の才能には敵わないだろうな。
    届けたい人に届かないものを作り続けるというのはモチベーション等を考えても難しい事だろうな。

    「黃繭」
    机に描かれた星空をきっかけに。
    伝えないというのが一番後悔が残る選択肢なのではないだろうか。
    文章でなく分かる人にしか伝わらない落書きというのは面白いな。

    「翠陰」
    想い人の相手は友人で。
    見下されているように感じるというのは自らが負けていると認めてしまっているからなんだろうな。
    美人だからというのは永遠に付き纏う言葉なんだろうな。

    「蒼葉闇」
    隣の家に住むもう一人の妹。
    自分の周りで勝手に推測した答えで盛り上がられるのは不愉快だろうな。
    相手の機嫌を損ねた後、逆に不満を言うのは自分のことしか考えて行動していないからなんだろうな。

    「藍の華」
    生きる理由になってくれた人。
    他人からしたらそんな事でと思うことでも、当事者にとっては大きな問題になることもある。
    自分の言動一つで誰かの未来が変わることだってあるのかもしれないしな…。

    「紫陽花忌」
    遠回りをして再び見つけた居場所。
    好きだからこそ傍にいるだけでは物足りなかったのだろうな。
    一緒に何かを共有するからこそ自分の居る意味が実感できるのだろうな…。

  • ずいぶん遠回りで、長い長い旅をしているような、そんな恋の物語。ひたすらに不器用で、ありったけの力で背中を押してたくなる。もっと信じてやれよと言いたくなる。きっとその思考には至らなかったんだろうなとは思うものの、きっとあの時から恋に落ちていたんだろうなとぼんやりと思う。だけど彼には、勿論彼女にも、時間が必要だったのかもしれない。
    ただ、この物語をハッピーエンドという言葉で締めくくることには抵抗がある。それは読後にもやもやしたようなものが残るから。最後まで語られなかった人たちのことを想うから。永遠虹路という物語に生きる人たちはみんな情が写らずにはいられない不思議な魅力がある。だからこそ彼らをもっと追い続けていたかったという気持ちがどうしても残ってしまう。だから彼らのその後が気になって仕方ないのです。とにかく、みんなが幸せに生きていてくれるのなら嬉しい。だって七虹は幸せを手に入れたのだから。

  • 登場人物たちの不器用で思慮深い、想い人を一途に想うお話は素敵でした✨

  • 人の気持ちが繊細にわかりやすく書かれていて読みやすかった。短編ごとに一つ一つゆっくり読んでいたので、じっくり楽しめた。読んでいると心が落ち着く本だった。綾崎さんの違う作品も読んでみたいと思った。

  • ちょっと遠回りが過ぎるかなぁと思いました。相変わらず、心情は丁寧に書かれています。この先も読み続けるかは保留です。

  • 舞原七虹と、その周りの人たちのお話。

    会社員である夏目瑛太から始まり、同じバンドメンバーの伊東和也、そして天文学部へ誘ってくれた保科彩翔、子供の頃からの知り合いである楡野世露へと時間は遡っていく。

    七虹が誰を想っているのか、誰の為に歌っているのか、そして歌をやめる理由が、読み進めていくうちにわかってくる。

    居場所となってくれた人が、自分の歌を望んでいた。
    だから、その人に聴いてもらう為だけに歌っていた。
    例え、その人に彼女ができても、自分がただの妹のような存在だとしても。

    そんな一途で健気で不器用で、そんな七虹を好きになった永遠虹路でした。

    遠回りをしても、やっと七虹の想いが届いたんだから、二人にはこれからもっともっと幸せになってほしい。

  • この作者さんにしては珍しいのかもしれない。
    たまにはこんな感じでもいいんじゃないでしょうか。
    もっと増やしてもいいと思うよ。

  • ワカマツカオリさんが好きで、このシリーズを集め始めました。
    若い人向け??かも知れないけど、年甲斐もなく(笑)キュンキュンしちゃいます。
    言葉が綺麗で、会話が綺麗なとこが気に入ってます。

    ただ・・・舞原一家が覚えきれず(笑)
    そしてキラキラネームが読めませんw

  • シリーズ第3弾。
    今回の主人公は舞原七虹(なな)。
    今回も、話によって目線は変わるんだけれど
    彼ら彼女らが見ているのは舞原七虹。
    なんというか、やはり変な重さがある話だったりする。
    一途といえば、そうかもしれないけれど、異常なくらいの一途さだ。
    そのためには、仲間でさえ捨てることができる。
    どこかで誰かが傷ついたり、諦めたり、期待を持たせておいて
    どん底に突き落とす。
    どうしても誰かに悲惨な運命を背負わせたいとさえ
    思ってしまう。
    やはり、どうしても受け入れられないなぁ

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著者プロフィール

2009年に第16回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞し『蒼空時雨』(メディアワークス文庫)でデビュー。「花鳥風月」シリーズ、「ノーブルチルドレン」シリーズなど、メディアワークス文庫にて人気シリーズを多数刊行するほか「命の後で咲いた花」などの単行本も刊行。講談社タイガでも「君と時計と」シリーズ(全4巻)を刊行。恋愛青春小説の書き手として10代20代女性読者から多くの支持を集めている。

「2021年 『セレストブルーの誓約 市条高校サッカー部』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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