探偵・日暮旅人の望む物 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
3.53
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本棚登録 : 587
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048691772

作品紹介・あらすじ

日暮旅人の名でマスコミに送られた爆破予告。旅人を陥れようとする美しき犯人・美月の目的とは。すべての謎が繋がり、そしてついに審判の時を迎える。探偵・日暮旅人の『愛』を探す物語、セカンドシーズン堂々完結!

感想・レビュー・書評

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  • 結局のところ、旅人の五感は戻るのか? ちゅうところが一番気になって、最終巻となるこの本をものすごい前かがみで読んだ。
    そもそも旅人はなぜこの特異な体質になったのか、ちゅう話はファーストシーズンですべてやっつけてくれているもんね。
    セカンドシーズンは、旅人が五感を取り戻せるのかどうかっちゅうところがキモやったのかな・・・。


    以下、ネタバレですけれども・・・





    最終的なオチは、旅人が自分で傷つけた眼は失明しちゃったけれど、残された眼は徐々に見えるようになりつつある・・・。

    ・・・で、いいの(笑)? わかってない


    あとがきを読んで
    「ああなるほどねえ」
    と、思ったけれども、著者がこのシリーズを通して一番言いたかったことは、「物事にはいろいろな面がある」と、いうことなのかな。

    こちら側から見れば正義でも、あちら側から見れば悪になる、と、そういうことなのかな。
    そうだとしたら、確かに主役の旅人ですら、「被害者」と「加害者」の両面を持っていたと思う。

    雪路顧問なんてなおさらよね。
    ちょっと忘れちゃったんやけど(あかんやん)、確か雪路顧問が故郷から出て一財上げるまでの話も書かれていたはず。
    あのあたりをもっと掘り下げれば、雪路顧問にだって守りたいものや譲れないものがあったわけで・・・。

    自分のために、誰かのためによかれとしたことが、違う人からみれば加害者に見える(こともある)。
    だけどそれってちょっと哀しすぎて、じゃあ何も望まず、何もしないほうがみんな幸せなのかな、と、いえば、そういうことはない。

    だったら、人は何に縛られて何にがんじがらめになって生きていくのかを考えたら、愛なのかなあって、

    ・・・そういう話!?


    イヤもう読み込み不足で申し訳ない。

    とにかく、旅人の今後が気になって前かがみで読んだわりに、そのあたりが曖昧~やったような気がする。
    (それがこの作風とも思うけど)

    ただ、ファーストシーズンでチラチラ登場した人たちがラストシーンに「これでもか!」と、登場したのは、なんだか豪華やった気がする。
    でも、長い時間をかけて読んでいるせいで、白石ですら一瞬
    誰やっけ? 
    と、なってしまったんやけど(;^ω^)

    個人的な趣味で言えば、善人もいないけれど極悪人もいないこの話は、読了後のスッキリ感がほぼなかった。
    (だから、著者もそうであれと思って書いているのだろうとは思うけれども)

    私はもっとわかりやすく、誰かにとっての悪があり、その悪を駆逐してハッピーエンドになる、ちゅう話のほうが好きなのかなあ。笑

    美月先輩も、前巻ではかなりエキセントリックな人やったのに、最終的には気の毒な人になっちゃって・・・。
    この人こそ、道を違えるはずの人ではなかったやろうに、なんで? ちゅう感じ。
    もっと早くに、自分を縛り付ける「愛」に、出会えていればよかったのに。
    そんな難しい生き方をしなくてもよさそうなもんやのに・・・。ねえ・・・。

    (と、いうてしまうとこのシリーズのすべてがそうなってしまう)

    旅人が出会った「愛」は、ユキジであり、テイちゃんであり、陽子やった。
    三人のうち二人は、旅人の五感を奪った人たちの関係者であるというのが因果な話やったけれども、すべてを殺してもきっと、旅人の元の人となりは殺せなかったんやろうね。
    だから、「愛」に、出会えたのかなあ。


    ・・・と、無理くりにでも、しんみりしたエンディングにしようとする(笑)?


    表紙も装丁も凝ってたよねー。
    なんと、ファーストシーズンとセカンドシーズンに分かれてしまったのは「売れ行きや大人の事情」があったらしく、この本は最初から売れ筋やったわけじゃなかったのか・・・。


    あと1冊手元にあります。
    どうも、時系列に関係のない番外編のようで、わりとこの巻を読んだダメージがでかかったので(笑)、ちょっと違う本を挟んでから、最後の1冊にとりかかろうかな。


    愛って、そんなに難しいものじゃないと思うんだけどな。
    好きで仕方がない気持ちは確かに切ないけれど、せつなさにこがれるのは苦しくてもある意味幸せだと思う。
    好きなものがない「空っぽ」の状態よりも、ずっとずっと幸せだと思う。

    それもひとつの「見方」の、問題でしょう・・・?


    ■■■■

    ■姦計
    かん‐けい【×奸計/×姦計】
    悪いはかりごと。悪だくみ。「―をめぐらす」「敵の―に陥る」

    (2016.05.07)

  • 旅人さんが先輩を止めるために、
    目を酷使して失明したりくり抜いたりする
    シーンが凄く怖かった。
    けど、感動する結末で良かった。

  • 完結編にくると読む手が止められない。
    前巻の最後で美月先輩が……!となったが、どういう理由での部分が予想以上にぶっ壊れてる感が出ていた気がする。

    旅人の視覚については失われることは秒読み状態だったけれど、そこから失われていた他の感覚が少しずつ取り戻せていったことは本当に良かった。できれば片目だけでも視覚が戻れば万々歳なんだけどなぁと思いつつ、よみおわりました。

  • セカンドシーズン完結というところまで読んでも、やっぱり陽子は好きになれなかった。でもそれ以上に苦手なのは智子先輩だった。身近にいたら絶対友達になりたくない人。
    美月はな~。作者の意図からしたら、この人も絶対悪ではない、と言いたいんだろうけど。ただのぶっ壊れた人で、こういうヤツも嫌い。
    テイちゃんは幼稚園児だから大目に見るとしてw総じてこの作品に出てくる女性は苦手だった。テイちゃんの母親とかもう最悪。陽子が出るところはだいたい歯を食いしばって読んだなw
    結局、旅人の視覚はどうなるのだか。
    ここまでずっと、良いとこ無しで進行してきた旅人の人生だから、せめていつかは片目だけでも見えるようになってほしいと思った。

  • 旅人に復讐を果たさせる為に生まれてきた美月と、旅人の復讐を止める為に生まれてきた陽子。二人の人生を賭けた願いがぶつかり合う物語でした。学生時代の旅人を導いたのは美月だけど、探偵時代の旅人を導いたのは陽子だった。どちらかがすれ違っていたらこの未来は訪れなかったのではないかと思うと、感慨深いですね。

  • ちょっと、事件が終わってからが冗長だったなぁ

    2021.9.11
    125

  • 終わるまた始まる、があってこれで物語は完結してしまいましたね、でもまだちょっとその先は気になってしまいます。これは1番面白い探偵ものでした

  • セカンドシーズン最終巻。すべての伏線がとりあえず回収。雪路顧問の確固たる信念もより強調されます。
    が…黒幕が美月先輩であった理由がちょっと弱い。
    しかし、デレる旅人は良い。
    雪路も独り立ちし、増子さんはまさかの結婚していると。
    まぁ終わりよければ~という事で。
    セカンドシーズンは一気読みしたので、満足度は高し。

  • 最終巻らしいですが、ちょっと読後感が落ち着かないので、続編ではないけれど、番外短編がありそうなので期待します。

  • 表紙のイメージからはかけ離れた、凄惨で壮絶な話で、驚いた。

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著者プロフィール

福岡県出身。2008年に第15回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞。翌年、受賞作『神のまにまに!』で電撃文庫よりデビュー。他の著作には、TVドラマ化された『探偵・日暮旅人』シリーズ、『天保院京花の葬送』シリーズ(共にメディアワークス文庫)などがある。

「2023年 『幽霊と探偵2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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