ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014年12月25日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048691895
作品紹介・あらすじ
太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年。ビブリア古書堂の二人の前に、彼が再び現れる。今度は依頼者として。違う『晩年』を捜しているという奇妙な依頼。署名ではないのに、太宰自筆と分かる珍しい書きこみがあるらしい。本を追ううちに、二人は驚くべき事実に辿り着く。四十七年前にあった太宰の稀覯本を巡る盗難事件。それには二人の祖父母が関わっていた。過去を再現するかのような奇妙な巡り合わせ。深い謎の先に待つのは偶然か必然か?
感想・レビュー・書評
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栞子の持つ稀覯本、太宰治の『晩年』を奪うために栞子に危害を加えた田中敏雄が、保釈されて再び接触してきた。依頼人として、祖父が持っていた『晩年』を探してほしいという…。大輔と栞子は、調査の過程で行き当たった47年前の盗難事件の謎に挑むこととなる。
一冊まるまる太宰だった。田中敏雄が探す『晩年』と、47年前に盗まれた稀覯本『駈込み訴へ』とがどうつながるのか…。そして最後に見えた血の繋がりに驚いた。こういうのを因縁といいのだろうか。
古書そのものの由来だけでなく、古書を取り巻く人々のつながりを書いてきたこのシリーズ。
久々に読んだのだけど、今回は『駈込み訴へ』と『晩年』を巡り、盗んだり危害を加えたり騙したり…、そんな犯罪絡みの暗めの話が続く。世界に一冊の稀覯本で、コレクターとして絶対に手に入れたいと思うことと、それを手に入れるために狼藉を働くこととの間には深い溝があると思うけれど、何かに突き動かされるようにいとも簡単に乗り越えてしまう。古書絡みでなければ普通の人たちで、古書を愛する気持ちが根底にはあるはずなのに。人間の業の深さのようなものを感じる。
それも古書の持つ魔力なのかもしれない。でも今回はそういう負の側面が強く出過ぎて、ライトな読み口なのに読後感は重めだった。 -
シリーズ6作目は太宰治作品をベースに進む。
過去の事件、因縁。
祖父母の代からの出来事と現代との繋がりに少し混乱。
内容的にミステリーとサスペンスが融合した感じで。
全体像はまだ掴めてはいないけど、今後のクライマックスへの序章。
そんな印象を持った今回の作品でした。 -
太宰づくしのシリーズ第6巻。
本のつないだ奇妙な縁が栞子さんと大輔くんを取り巻いているようです。
今回も息つく暇も惜しいくらい、夢中になって一気読みでした。
かつて栞子さんを石段から突き落とした男が、再びビブリア古書堂の2人の前に現れます。
…ただし、今度は依頼人として。
その依頼は過去の出来事へと2人を導いていきました…
ついに恋人同士の間柄になった栞子さんと大輔くん。
今回の事件はいつも以上に危険な気配が漂っていますが、いつしか2人のあいだに強い信頼関係が結ばれていたことに気付かされる場面が多くてきゅんとしました。
そろそろシリーズクライマックスとのこと。
早く読みたいような、名残惜しいような…。 -
栞子さんが足を怪我することになった太宰の「晩年」を巡る事件が再び戻ってきます。
あの時焼き払ったことになっている栞子の「晩年」は、突き落とした犯人の田中の捜していたものではなく別の「晩年」があるという。
一冊まるまる太宰治の今作は、古書への執拗なまでの想いというか執着が空恐ろしいお話です。
栞子と大輔の祖父母の代まで遡って、物語が解き明かされていきます。
もはや血のつながりも本の所有もややこしくなってきて混乱するけど、栞子と大輔の絆は深まったということで。
そして、やっぱラスボスは智恵子なんですかね。 -
全編、太宰治がテーマ。複数の作品、一つは複数の稀覯本(きこうぼん)が登場して、ボーッと読んでると、話が分からなくなったので、途中で整理し直して読んだ。作者あとがきによると、この本のために調査して、もともと古書に詳しいわけではないとか。
シリーズ冒頭に登場した田中敏雄が再登場、栞子さんの母、智恵子の影もチラチラ。そして、登場人物のルーツや過去にまつわる謎も。シリーズが佳境に入ってきた感じがする。
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シリーズ6作目。
読み始めた時は、様々な古書にまつわる短編なのかと思っていたのに、1作目からずっと話が続いていて、前作から少し時間を空けて読んだら、少し話が見えなくなってしまった。
今作では、1作目に登場した田中が再び登場。全編、太宰の稀覯本にまつわる話が展開する。
ただの偶然でビブリア古書堂で働くことになったと思っていた大輔の過去も、複雑に絡んで来て、あと1作で完結と言うことだけど、果たして全ての伏線が回収出来るのか、気になるところ。
想像してた以上に、本格ミステリーで、これからシリーズを読む人へは7作続けて読むことをオススメ。 -
7巻を読み始めた時に話の内容に違和感を感じ、
6巻を読んでいない事に気付きました。
でも、6巻み初めてもしばらくは?で、
前の内容思い出すのに時間かかった(^_^;)
太宰治の「晩年」を巡る話。
古書を愛しすぎている人間の
執着心とか手段を選ばない姿が
恐ろしいと感じた一冊だった。
こう言うのって、物語の中だからなのか
実際の古書業界も黒い感情が渦巻いてるのか…
本好きな人に悪い人はいないと思ってたけど、
いや、今でもそう思ってるけど。。。 -
やはり、『晩年』が関わってくるのね〜。
大輔の祖母、栞子さんの祖父といろいろな人が繋がっていく。
縁のある人とは、そうなるようになっているのか。
だから、「栞子さんと巡るさだめ」なのか。
本のためにそこまで必死になれるってある意味凄いな。 -
面白かった。
太宰治の「晩年」が絡めていった人の人生。
ミステリーとしても興味深い展開だった。
人と人が絡んでいた。絡まっていた。
物語だからこその人間模様のはずなのだが、とても人間臭い。
栞子さんの大輔さんに対する気持ちもまっすぐで微笑ましい。
あとがきに、次か、その次の巻でビブリアが終わりとある。
終わり方に幸あれを願う。
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