海の上の博物館 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 285
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048692410

感想・レビュー・書評

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  • 「海の上の博物館」というタイトルに惹かれて購入した本だったけど、博物館をテーマにした本は読んだことがなかったので面白かった。
    主人公が次々に起こる問題を解決していきながら物語が進む。
    博物館で働く学芸員たちのそれぞれのキャラクターも個性的で面白かったし、つまずきながらも憧れの学芸員として奮闘する主人公にはついつい応援したくなるような気持ちにさせられた。

  • 【感想】キャラがマンガチックなので読みやすい。
    【一行目】濃い紫色の布地が目の前ではらりと落ちてゆく。
    【内容】
    ・マンガ的なキャラクタたちによる、博物館が舞台のお仕事小説。四つのお話が収められている。
    ・第一話は春、今は博物館になっている建物と、博物館がある小島の宝物の噂。
    ・第二話は夏、ニジイロアゲハがいるとされている草原で出会った男子高校生。
    ・第三話は秋、友達が引っ越して孤独になった少女が度々博物館に来るようになった。
    ・第四話は冬、取り壊しが決まった藍沢家家屋を残すために行動開始!

    ▼茅埜辺市博物館についての簡単なメモ

    【藍沢家家屋】とても古い建物だが相続人は遠く離れているので市に寄贈された。古文書類も多く残されている。速水市長に任せていると取り壊されてしまいそうだ。
    【藍沢総一郎】藍沢家の当主だったが亡くなって、その家屋は市に寄贈された。自宅の庭で子どもたちを遊ばせ、ニジイロアゲハの保護にも尽力した。鷹臣とともにとある草原でニジイロアゲハを発見した。写真が趣味だった。
    【秋吉遥】熊のような学芸員。民俗学が専門。
    【朝森菊乃】→菊乃
    【朝森志乃】若菜の祖母。教師だった。
    【雨宮留美/あまみや・るみ】博物館の事務員。四十過ぎで高校生の娘がいるがとても若く見える。ただし表情筋が死滅しているのではないかと思われるほど表情が変わらない。笑顔を見ることができるとご利益がある。入庁以来の定時退勤記録更新中。
    【市川サチ】恵比寿さんの像を持ち込んで国宝だと言い張った人。世間話をしにくる常連さん。
    【市川茂一】市川酒屋の店主。サチの夫。
    【猪ノ口】市の管財課職員。軽薄なタイプ。
    【碓氷】副館長。痩身で銀縁眼鏡。隙のないスーツと物腰。事務方のトップで金銭面の管理をしている。当人は学芸員の資格も持っていないし博物館に興味もない。館長のせいで胃痛が治らない。声を当てるなら津田健次郎さんがピッタリ。
    【海老沼朱音】凛とは母親のお腹の中にいた頃からの幼馴染み。父親の転勤でいなくなった。
    【大場勘治/おおば・かんじ】老人。初対面時、若菜のことを子供と思い込み叱る。古文書や絵図を博物館に貸してくれた。市川サチのことをサッちゃんと呼ぶ。
    【大場邦彦】→邦彦
    【奥村】今は博物館となっている建物を別荘として建てた昔のお金持ち。
    【海賀毅/かいが・たけし】早明新聞記者。
    【学芸員】研究職あるいは資料の整理役。桐谷いわく信用されるコミュニケーションづくりが重要。でないと史料なんかも貸してもらえない。展示の企画・展示物の作成なども担当するので、学校の文化祭の研究展示の延長線上にあるようなタイプだけでなくもっと目を引く展示にして欲しいとは思う。あまりそういうのに関心ない一般人にとってもものすごく魅力的なテーマだったりする場合を除いて。
    【神尾凛】→凛
    【金田源】博物館に古文書をくれた。が・・・
    【金田佐和子】博物館の設計をした金田さんの孫? 設計図は渡さないとか叫んでいる。
    【茅埜辺市博物館/かやのべしはくぶつかん】瀬戸内海に浮かぶどこかの小さな島に建っている。本土からは細い橋を渡って行くしかない。元とある金持ちの別荘だった建物を改築し博物館にした洋館。
    【菊乃】若菜の叔母。小学校教師。歳を経てもかわいらしい感じで人気がある。朝森菊乃という名だが「菊乃先生」と呼ばれるのは教師一族なので区別するためのようだ。卵焼きは絶品。
    【桐谷順一】博物館の学芸員。近世史が専門。若菜以外では唯一古文書を読むことができる。真面目でこだわりが強く考えすぎるきらいもある。昔教師をしていたので「桐谷先生」と呼ばれている。メガネで物腰が柔らかくいつもニコニコしている。異常なほど乗り物酔いするが自分で運転する分には平気らしく、自動車通勤をしている。
    【邦彦】鷹臣と小学生のとき同級生。藍沢家の庭で遊んでいた少年の一人。鷹臣の友人。大場勘治の孫。
    【燻蒸】博物館では時折収蔵物の燻蒸(いわば消毒)を行う。でも注意しないとずっと以前あった絵金の作品の変色などというトラブルが起こることもある。茅埜辺市博物館では毎年六月に行いその間は休館となる。
    【咲間緑/さくま・みどり】若菜と同様、博物館の臨時職員。主に事務の補佐だが学芸員側の仕事もしている。若菜より一年先輩だが年齢は下で二十歳前後。黒っぽい服に白い肌で存在感が希薄、呪いが趣味の残念系美女。
    【島】博物館が建っている小島には宝が眠っているとのもっぱらの噂。
    【白峰ミチル】考古学の学芸員。細い身体に作業着で大食漢の三十代半ばのお姉さん。数々の武勇伝を持っている。
    【砂原彰】大邸宅に住んでいる。市会議員。運送会社の会長さんでもある。顔が広い。
    【砂原翔子】砂原彰の娘。離婚して鷹臣とともに戻ってきた。
    【砂原鷹臣】→鷹臣
    【鷹臣/たかおみ】砂原鷹臣。藍沢総一郎とともにニジイロアゲハを発見した小学生。今は高校生になっている。写真撮影が趣味。砂原彰の孫。
    【高垣光洋/たかがき・みつひろ】そこらへんのオッサンに見える。若菜のことをワカメと呼ぶ。
    【ニジイロアゲハ】羽が虹の七色でグラデーションに塗られているかのような蝶。絶滅危惧種。
    【ニワさん】博物館のゆるキャラ。馬型埴輪を模している。ニジイロアゲハと遊んでいるという設定。若菜に与えられた重要任務・・・
    【博物館】魅力的な施設だがずっと存続していこうと思うならもう少しあざとい受け狙いも必要かと。
    【蓮元若菜/はすもと・わかな】→若菜
    【速水】市長。出身地の北部開発に力を入れている。おかげで? 南部にはまだ古いものが残されている。
    【政恵さん】博物館の清掃員。
    【三津屋】博物館の学芸員。唯一の自然史担当。中でも昆虫の生態が専門。丸い眼鏡の飄々としたおじさん。もうすぐ定年。
    【望月麻里】若菜の大学の先輩。最近佐伯姓になったが若菜はめんどうなので望月で通しているらしい。若菜とは十歳以上歳が離れている。
    【森田】砂原家の家政婦。
    【凛】たぶん小学五年生の女の子。博物館の体験学習に来たが海老沼朱音がいなくなって楽しめない。その後毎日のように手伝いに来るが何か目的がありそうだ。彼女も藍沢家で遊んでいた子どもたちの一人。
    【若菜】主人公。身長百四十七センチと小柄で童顔、中学生くらいに見える。ロングスカートは引きずり靴は子供用。東京出身で茅埜辺市博物館の臨時職員、いうなれば学芸員の補佐役。今のところやってくる人たちの世間話の相手をするのとゆるキャラの着ぐるみが主な仕事。古文書が読める。生きている魚が怖い。

  • 主人公の頑張っている様に共感。面白かった。

  • タイトルと表紙のイラストがイイ。

  • 図書館の電子図書で購読。文章は読みやすい平易な感じ、ラノベだがティーンズ向けという感じではなかった。内容も家族のこまごまとした関係性の話で、少し年齢のいった人向けの内容。博物館の仕事はよく取材して書かれていると思う。四季の移り変わりで章だてされていて、どこかの地方都市の一年間を観察しているような気分になりました。建築関係の話も多くて、作者の趣味が出ていると思いました。

  • 博物館には、様々な仕事があるんだなぁ。

  • yk

  •  2015-05-23

  • 若菜が自己判断で動く度、危なっかしいような気持ちになった。でも、人に確認してばかりなのもいけないのかもしれない。。終盤は宣戦布告を受けて主体になって動いたり、議会で発表したり、すごいなあと思う。一年未満とはいえ経験を積んで来たのだからとはいまいち思えなくて、読んでいてもうそんななのかと驚いてしまった。あまり主人公に寄り添えなかった。

  • 【あらすじ】
    瀬戸内海に浮かぶ小さな島に建つ、茅埜辺市立博物館。遠くから見る光景は、まるで海に浮かんでいるかのよう。美しい自然に囲まれたその博物館では、個性豊かな学芸員たちが日々、懸命に働いている。そして訪れる客たちも、いわくつきの人ばかり。そんな素敵(?)な環境の中、臨時職員として働きはじめたばかりの新人女子・若菜は、悪戦苦闘しながらも、笑顔を忘れず、成長していく。書き下ろし。

    【感想】

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著者プロフィール

第19回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉を受賞し、『路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店』でデビュー。

「2021年 『午後十一時のごちそう ~三ツ星ゲストハウスの夜食~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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