毒吐姫と星の石 (電撃文庫)

著者 :
制作 : 磯野 宏夫 
  • アスキー・メディアワークス
4.11
  • (226)
  • (207)
  • (125)
  • (15)
  • (2)
本棚登録 : 1711
レビュー : 183
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048700580

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ミミズクと夜の王と同一世界観の続編。
    唯一の武器であった声を奪われ絶望のふちにしずむ占の国ヴィオンの姫君、隣国に嫁ぎに出された少女が出会ったのは夜の王の祝福を受けた異形の手足をもつ王子だった。
    二人がたがいに恋に落ちていく過程が素敵で、ラストシーンで真昼姫に嫉妬する毒吐姫が最高に可愛かった。前作キャラのその後も垣間見ることができ楽しめた。

  • デビュー作「ミミズクと夜の王」の続編。前作のストーリーはあまり覚えていなかったが、それでも楽しめた。
    ファンタジー加減がちょうどいい。剣と魔法の世界で、王様や娼婦、貴族の館や庶民の酒場が登場する。設定に凝りすぎていることもなく、世界に入りやすい。
    ぶっちゃけて言えば「シンデレラ」。貧しい下町で育った少女は実はお姫様で、隣の国の王子に嫁ぎ、一筋縄ではいかないならでも暖かい情を知っていく。それが平易な言葉で語られるのと、ちょっと魅力的なキャラクターが登場するのとで、するする読めた。

  •  大好きなミミズクの続編。
     読む前はあの感動を壊してしまうのが嫌で悩んだりもしたんですが、心の底から読んでよかったと思える物語でした。

     ミミズクが号泣する物語だとすれば、これは嗚咽を堪えて読むような物語かもしれません。
     エルザは毒吐姫として生まれ、そして言無姫にされ、そして言霊姫になったのかなぁと思わせてもらいました。

    「どんな風に言えば、あなたが傷つかないのか分らない」

     これはオリエッタの言葉ですが、はっとさせられるものがありました。
     エルザは誰よりも言葉の力を知っていて、だからこそ誰よりも傷ついてきたのでしょう。
     力を知っているからこそ、彼女は嘘をつき、本心を偽り、毒を吐かずにはいられなかった。
     エルザの言葉は本当だから。だから真実は言えなかった。
     毒吐きは彼女の生きる術であり、呪縛であったような気がします。
     そんな彼女が最後には自分の力の使い方を知る。なんて素敵な物語でしょう。

     ディアの成長というか、あの愛の深さにはもう、言葉が出なくて。
     恋ではないけれど、愛し抜くと決めること。
     その人を伴侶とし、一生大切にすると定めること。
     たとえその人がどんな人間であっても。レッドアークのために。
     そう言われてしまえば、どこか利用しているような感じもするのですが、ディアの態度にはそんなところがまるでない。エルザを通り越してヴィオンを見ることは決してしなかった。彼はちゃんとエルザと向き合い、それでいて王として、彼女を愛し妻とすることを選んだ。
     どちらかだけならできるかもしれないけれど、両方ってなかなか出来ることじゃないですよね。
     その愛の深さに触れて、やはりエルザは変わったのだろうなぁと。
     ディアは恋ではなくても、やはりエルザは恋をしたのです。

     人に出会って人が人を変えて行くのだなぁと。
     オリエッタとアン・デュークは相変わらずいい夫婦っぷりでによによさせて頂きました。ミミズクの登場はちょっとご都合主義の気はしなくもないですが、やはり二人の姫は出会わなくていけなかったと思いますしまあいいでしょう(何
     本当おなかいっぱいの物語でした!ゴチ!!

    • 藤原ライラさん
      本当、心から感動したお話です。
      紅玉さんのお話はどれも大好きです!
      本当、心から感動したお話です。
      紅玉さんのお話はどれも大好きです!
      2013/03/06
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「どれも大好きです!」
      先日刊行された「ブランコ乗りのサン=テグジュペリ」は読まれましたか?
      私は未購入ですが、タイトルだけで、たまらない気...
      「どれも大好きです!」
      先日刊行された「ブランコ乗りのサン=テグジュペリ」は読まれましたか?
      私は未購入ですが、タイトルだけで、たまらない気分になってます。。。
      2013/04/04
    • 藤原ライラさん
      図書館民なのでまだ読めてはいないのですが、予約はして待ってます!
      本当、タイトルとあの「不完全」という言葉だけでたまらない気分になってしまい...
      図書館民なのでまだ読めてはいないのですが、予約はして待ってます!
      本当、タイトルとあの「不完全」という言葉だけでたまらない気分になってしまいます!
      2013/04/06
  • 本当に惚れ込んだ。好きすぎた。
    一筋縄ではいかない、けれども少しずつ近づいて融解していくさまがたまらなく好き。

    叶わないのはわかっている、自分でないのはわかっている、それでも。

  • 「ミミズクと夜の王」の続編となる本作もすごく王道なファンタジーだが、その中身は優しく暖かな物語に仕上がっていた。

    主人公であるエルザがそれまでの生を乗り越える過程を描いているが、対比として前作にも登場するディアの本作での生き方がその印象を強くさせている。それを含め、前作を読んでいるとより楽しめる部分も多い。

    しかし、前作を知らずに読んでも話に破綻はほとんど感じられない。そういった意味でもよくできた一冊だと思う。

    ファンタジーとはいえドンパチがあるわけではないが、ファンタジーが好きな方にはぜひオススメしたい。

  •  現在最も好きな小説家のひとり。「ミミズクと夜の王」を読んでなくても十分作品を堪能できますが、どのような世界の物語かをより深く広く理解する意味では必読でしょうね。
     いやぁ圧倒されました、毒吐姫エルザの魅力に。激しく罵られる作中の男共に同化してキュン♡となってたら、まるで私がM男みたいですが、彼女はほんとうに美しい。穢れなき強さというか彼女の心には濁りが感じられないんですよね。言葉の鮮烈さからそう感じるのかもしれませんが。エルザが毒を吐く度に平伏したくなる感情がうずうずしますw というか基本的に意思の強いお姫様キャラに弱いんですよね~。今でもオルフィーナ(天王寺きつね氏作)とか大好きですし。
     エルザの話ばかりになりましたけど、呪われた四肢を持つ王子クローディアスも、王となる者が備える高貴と信念があり、彼女に相応しい魅力を感じました。現代劇でのリアリティとは違うけれども紅玉いづき氏が描くとこの異世界の人物たちに力強い存在感を感じます。この作品の魅力は決してキャラクタだけじゃないんですが、恋のお話なんてその二人に感情移入できなかったらどうでもいい話になっちゃいますから私には非常に重要でした。今後も現実世界よりはこちら寄りのテイストで心動かされる作品を期待しています。

  • どの場面も きゅっと 心を掴む

  • あいかわらず優しくて優しくてなぜか泣きそうになる自分がいるのですが。
    ディアがとっても素敵に成長していて、その強さに驚かされると同時に、すごく嬉しくなってしまった。
    『ミミズクと夜の王』を読んでいるととってもお得感はあるけれども、そちらを読んでいなくても楽しめると思う。
    ぎゅっと星石を握りしめるエルザがいとおしかったですv
    あと個人的には、なんだか速さがあって、久々一気読みしてしまった。
    やー、もうね、ディアの「エルザがかわいい」報告にすごい首振ってしまった。
    あとはオリエッタがこえてきたモノと重みが、彼女の言葉の端々に彼女をあらわしていて。それは、他の登場人物にもいえるのだろうけれども。

    全体的に何が言いたいのかって言うと、大好きです!

  • ミミズク〜に続き、絵本のような世界観。だが毒が多め。
    ミミズク〜はドンピシャで性癖にハマったのですが、こちらの作品はそこまで響きませんでした。

  • 相変わらず一巻という短い中に凝縮された苛烈な物語、もの語りのパンチ力が変わらないのはすごい。

    今回は、デビュー作の『ミミズクと夜の王』の続編とあるけど、主人公が全く違うので、別の物語として読める。

全183件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1984年、石川県金沢市出身。金沢大学文学部卒業。『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞・大賞を受賞し、デビュー。その後も、逆境を跳ね返し、我がものとしていく少女たちを描き、強固な支持を得ている。

「2019年 『悪魔の孤独と水銀糖の少女II』 で使われていた紹介文から引用しています。」

毒吐姫と星の石 (電撃文庫)のその他の作品

紅玉いづきの作品

ツイートする