毒吐姫と星の石 (電撃文庫)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
4.12
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本棚登録 : 1895
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048700580

作品紹介・あらすじ

全知の天に運命を委ねる占の国ヴィオン。生まれながらにして毒と呪いの言葉を吐き、下町に生きる姫がいた。星と神の巡りにおいて少女は城に呼び戻され、隣国に嫁げと強いられる。『薄汚い占者どもめ。地獄に堕ちろ!』姫君は唯一の武器である声を奪われた。星の石ひとつ抱き、絶望とともに少女は向かう。魔物のはびこる夜の森、そのほど近くの聖剣の国レッドアークに。少女を迎えたのは、夜の王に祝福を受けた、異形の手足を持つ王子だった。第13回電撃小説大賞大賞受賞作『ミミズクと夜の王』の続編、登場。

感想・レビュー・書評

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  • ミミズクと夜の王の続編だそうですよ.
    前作は面白かったんだけど今回はあんまり面白くなかったなぁ.
    というか,続編なのに
    ミミズクも夜の王も話にチラッと浮かぶだけで
    本体は一切出てこないってどういうことだよ.
    あの2人?が好きだったのに.

    まぁ,そんなわけで,占いによって国を不幸にすると言われたから捨てられた少女と
    夜の王に動く手足を貰った少年の小さな恋のおとぎ話.
    オリエッタがなんだか気持ち悪い.
    うまく言語化できないけど,なんか無理.

  • 真面目な王子の王族としての責務・使命感と、孤独で聡明な姫のプライド・依存心のぶつかり合うさまを描いた話。だと思う。
    まっとうな恋愛ではないのにどう見てもふたりは恋しているようにしか見えなくて、「どんな相手でもよかった」なんて独白に釈然としないものを感じつつも面白い。前作に引き続き童話ならではな都合のいい展開もありつつ(でもあの場面でミミズクが出てきて良かった!)、素直に感動できるいいお話。
    というのが最終章まで読み終えての感想で。すごいのはエピローグ。
    「あんたは!! 頭がよくても!! 女心がなにひとつわかんないクソ男よ!!」
    このエルザの一言とその後の会話にものすごく安心した!
    ふたりともそれぞれに恋心より優先したいものがあったんだな。一歩踏み出したその先で素直に恋をできますように。

    個人的には前作の「ミミズクと夜の王」の方が圧倒されたのだけど、こちらもとてもよいお話でした。あとがきで触れられていた「鳥籠巫女と聖剣の騎士」も読みたいです。

  • エルザも好きだけど、この本でディアがますます大好きになった((* ´艸`))

    しばらく見ない間に立派になったもんだと、知り合いでもないのにしみじみ思ってしまった

    ミミズクでは見られなかった登場人物の一面が見られたのも良かった

    鳥籠巫女と聖剣の騎士、どうにか文庫化されないかなぁ…

  • 占いが全てを決める国に生まれたエルザ。そのせいで下町に捨てられ、1人で生きてきたのに、隣国に嫁ぎ国を守るために毒吐きとしての声を取られてしまう。エルザは、毒吐きと呼ばれるように、毒を吐いてきた。でも、それは強く見せるために毒を吐いているのではなくて、自分を守るために毒を吐いていたんじゃないかと思う。レッドアークに嫁ぎにいき、呪われた王子によって奪われていた声を取り戻し、声という武器を取り戻したことで、エルザは逃げようとした。その時に、オリエッタが「ここ以外に、生きたい場所が、おありなら。ためらってはならないわ」とエルザにいった。この問はエルザにとって居場所を問われる苦しいものだったと思う。それと同時に、下町での苦しい生活が自分にとっては幸せだったのだと気づいたんだと思う。失ってから気づく、まさにその通りで、当たり前に感じているものは当たり前ではなくて普通という自分の中の壁が少し怖くなった。また、エルザは不安になると、星の石を握っていた事から、占いは嫌いと思っていても、唯一自分のもので支えとなる星の石は思っている以上に必要なものだったのだと思う。昔のエルザにも、これからのエルザにも。エルザは嫁いできた時に、下町でのエルザは死んだと言っていたけれど、最後に王子と毒吐き=声という武器によって真の姫となりそこで本当の意味で捨てたのだと思う。自分の嫌いなところは武器となり、当たり前は当たり前では無いという事を改めて思い出させられた本だった。私もこれからどんどん今の私が死んで、新しい私が産まれてくるのだと思う。でも、私はエルザのように殺してしまうのではなく、自分で捨てていくようにしていきたい。

  • いつ読んでも勇気をくれる。
    みんながそれぞれの幸せを得るために動き、掴む。

  • 「ミミズクと夜の王」の続編。クローディアスがどうなったか知れて嬉しかったです。アン・デュークやオリエッタも元気そうで何より。そして、ミミズクに再会できた事が一番の喜びでした。毒吐き姫の本当の力は『言霊』だったのかな。彼女がこれから紡ぐ言葉が幸せであればいい。そしてお姫様と王子様は末長く幸せに暮らすでしょう。素敵なおとぎ話です。

  • エルザが成長していく姿がすごく良かった。
    ただ、オリエッタとアンディはいつも誰かを諭す役割なのかなぁ、とそこだけ気になったり。なんというか、二人ともお綺麗すぎるような気がして。あまりにも完全無欠すぎて気持ち悪く思ってしまう。
    それと、私が異性愛表現があまり好きでない人間なので、うーん、また男女の愛かぁ、と軽く食傷ぎみになっていた。愛!素晴らしい!みたいなのが苦手なひねくれ者なので。申し訳ないです。エピローグがむず痒かった。
    夜の王と対比して真昼姫、か。もうちょい…いい名が欲しかったかなあ。
    視点が結構ぶれますね。

  • 読んで良かった。起承転結がハッキリしてるし、泣いたー。

  • 最近の自分と重なって耳が痛くなる毒吐姫…どこまでも純粋に幻想的な世界でも現実はばっこしていて、だれもが不幸で顔を伏せてしまっても良いのだけれど、人々は前をみて生きている
    私も毒吐き慎んで、人を思いやる気持ちの準備をせねばな、と

  • すごく、すごく、すごく面白かった。
    ミミズクも読んだから、その思い入れがあるせいかもしれないけど、
    それでもやっぱりとても好きな物語だった。
    毒吐き姫は、始終毒を吐いて、周囲に否定や拒絶や呪いを吐き散らしているのに、
    それでも嫌いだとは少しも思わなかった。
    それを口にする彼女の思いを、著者がすごく丁寧に書いていたからなんだと思う。
    むしろ、彼女の無念に、憎悪に、悲しみに、共感せずにいられなかった。
    ディアとエルザの心の歩み寄りや、エルザが少しずつ前を向ける様が自分のことみたいに嬉しかった。

    最近この本の存在を知ったんだけど、もっとはやく読んでおけばよかった。
    昔の友達が幸せになってるって聞いたみたいな、幸せな気持ちになった。

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著者プロフィール

1984年、石川県金沢市出身。金沢大学文学部卒業。『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞・大賞を受賞し、デビュー。その後も、逆境を跳ね返し、我がものとしていく少女たちを描き、強固な支持を得ている。

「2022年 『雪蟷螂 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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