狼と香辛料XVI 太陽の金貨<下> (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048702652

作品紹介・あらすじ

鉱物商・デバウ商会によって新貨幣が発行され、自由と希望の町となるレスコ。ロレンスはその町で、ホロと共に店を持つことを決める。しかしその矢先、ホロとロレンスの前にコルの頭陀袋を持った人物が現れ、二人はデバウ商会の内部分裂による大きな事件に巻き込まれることとなってしまう。ホロは、禁書を得るためコルとエルサを追ってキッシェンへ。ロレンスは、デバウ商会に追われミューリ傭兵団とともに雪山を越えることになる。バラバラになってしまった二人の運命は-?行商人ロレンスと賢狼ホロの旅を描く新感覚ファンタジー、ついに本編感動のフィナーレ。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが「太陽の金貨」だから、銀貨の刻印は「月」じゃないか?でも、月だと偽造を防ぐには簡単過ぎる模様じゃないかな。
    と、先に読み終わってる人に話したら、ニヤニヤ笑って「ちゃんと出てくるから」と言われました。

    ……出てきたけど!月じゃなかったけど!
    そんなに夢にあふれた話だったとは。

    ホロが、かわいいったら!
    何百年の時を諦めて、置いていかれて過ごしてきて……やっと手に入れて、それも失うかも知れない。
    そこで、冒険を諦めて、誰かを助けようとする努力すらも諦めて、地道に生きようということが、どんなにつらいか……

    そこでプライドも何もかも放り捨てて、ホロもロレンスも、自分たちで笑っちゃうくらいしあわせで、好きで好きで……

    話も、どんでん返しでよかった!
    為替の話とか難しくて、毎回考えつつ読むのだけれど、今までの総決算みたいにあれこれ詰め込んでありましたねー!

    ラブラブなあげくに、教会での契約、月を背にしての契約……
    なんてハッピーエンド!
    コルも無事そうでよかったー

  • ホロとロレンスの旅路のはてに、お互いが見つけたもの、それは安住の地。静かなラストシーンの余韻に浸りながらいいラストだったなと感激しています.レノスの町でトラブルに巻き込まれ、ホロとの離別、北への逃避行、傭兵団の裏切りなど緊迫するストーリのなか、ロレンスは自分に何が一番重要なのかを悟ります.そして、ホロと二人で争いのさなかから逃れようとするところで、ロレンスのおせっかいの悪い虫が・・・。ホロはこれからも苦労しそうですが、伴侶を持つということはそういうことなのでしょうね.グダグダにも、べたべたにもならず最後もきちんと経済ネタでどんでん返ししてくれた支倉先生に感謝! 本作がフランスの中性経済史「金と香辛料」にインスパイヤされて書かれたこと、ストーリにあの哲学者、ショペンハウアーの作品に影響されたことが書かれていました.最近はマイケル・サンデルの「正義」でカントの思想に触れる機会があり、まさか今の時代に「デカンショ(デカルト、カント、ショーペンハウアー)」とかかわり合いになるとは夢にも思いませんでした.エピローグ編を含む短編集が残っているそうですが、本編は最後です。ファンタジーでありながら、魔法も超能力もでてこない(人外はたくさん出ましたが)で、とても面白く、毎回とても楽しみでした.次回作も楽しみにしております.

  • 良かった

  • 背ラベル:913.6-ハ-16

  • 剣と魔法だけがファンタジーではない、というのをしっかりと守り通した作品だった。

    商人同士の争いがようやく面白くなってきたところで終わりというのはなんだか残念な気もするが。

  • 主人公のロレンスとヒロインのホロとの間の愛を、自分に置き換えて考えると、離れ離れになる苦しさや相手を思う愛おしさを感じ取れました。ただ、その他の部分である、傭兵たちの争いや商人たちの勝負は、あまり感情移入できない感じがします。その点が少し残念です。

  • レスコの町でロレンスたちに接触を図ったのは、デバウ商会の会計認を務めるヒルデ・シュナウでした。彼は、デバウ商会が内部分裂の状態にあることを語り、自分たちを助けるためにロレンスたちの力を借りたいと申し出ます。ロレンスはこの以来を引き受け、ル・ロワたちが求めていた禁書をとどけるため、ホロを彼らのもとに行かせますが、そのあいだにもヒルデに敵対する勢力は攻勢を仕掛けてきて、ロレンスはミューリ傭兵団とともに町を脱出せざるをえなくなってしまいます。

    いわゆる「剣と魔法のファンタジー」ではないので、ホロが正体を現わす展開になるほかには、シリーズを通してキャラクターの大立ち回りが演じられることはなく、ロレンスたちの商人らしい才覚によって危機を切り抜けていくという展開がストーリーの山場をかたちづくっているのは、これまでと同様です。本編ストーリーとしては、あと一巻をのこしているので、そこで落穂拾い的なエピソードが語られることになるのでしょうか。

  • 【感想】
    旅の終わりはせつないものだ。

    【内容】
    ・前巻ラストでホロたちの前に示されたものは。
    ・デバウ商会内部に不穏な動き。
    ・ロレンスの店はどうなる?
    ・通貨の統一はなるか?
    ・ロレンスとミューリ傭兵団は危機を抜けられるか。
    ・ロレンスは金の力と汚さを知る。
    ・ロレンスとホロがとるべき道は?
    ・よりよい旅の終わりにできるか?

  • 本編完結。
    追い詰められて絶体絶命の中、違和感から相手をやり込めるある意味いつもの展開。
    スッキリとはしているんだけども、もうちょっと頭の悪い自分がラクに楽しめるようにならなかったかな==;

    「商いの利益とは誰かを喜ばせて得るものです」という考えは素晴らしく、真逆に金をばらまいて勝負に出た商会を退けたのにはスッキリした。

  • 0909

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著者プロフィール

第12回電撃小説大賞《銀賞》を受賞し、電撃文庫『狼と香辛料』にて2006年にデビュー。

「2023年 『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙IX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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