4 Girls (メディアワークス文庫 し 3-4)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.71
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本棚登録 : 803
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048702782

作品紹介・あらすじ

あこがれの同級生に、告白する間もなくふられた僕。そして僕をふった張本人である彼女は、僕を無理やり連れて学校をさぼると言い出して-「scratches」。偏屈そうなおじいさんが一人で暮らしているはずの隣の部屋のベランダで、タバコをふかす変なおじさん。おじいさんの親戚だという彼と、ベランダでぼんやりすることが多い私は、次第に話をするようになり-「サブレ」ほか計4作品を収録。4人の少女たちの、トホホでワハハな日々を描く、哀しいけれどあったかい、珠玉の青春ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 柴村さんはSFファンタジーモノよりも、こういう現代青春(ミステリー?)モノが合っていると思う。
    (と、言っても「E.a.G.」しか読んでない”知ったか”ですが)
    元気な頃の由良くんが出てきて、嬉しいような悲しいような、複雑な心持になりました。

    4人の女の子にまつわる短編集。
    柴村さんの一人称で書かれた物語は読みやすくて良いですね。
    学生って良いなーとひしひしと感じます。
    読み終えて、ほんの少し、どこか気分が軽くなったような気がしました。

  • 4人の女子高生たちを描いた短編集。
    とはいえ、男子高生視点もあるのだが。
    ライトノベルらしく軽快な文章でサクサク読むことができた。
    普段本を読まない女子高生にすすめてみるのもいいかも。

    ☆scratches
    プシュケの涙の由良君が登場!
    相変わらず我が道を行く変人っぷり。・・・ってほど変人ではなかったが、あの明るさは好きだ。
    学校サボった男女がのんびり遊ぶっていうのは青春小説ではよくあることだけれど、その動機と遊び方がちょっと変わっていて。ノリが軽すぎる感じも受けたが、最後には「こういうのもいいな」とほっこりした。

    ☆Run! Girl,Run!
    短く、他とはちょっと異色な感じがした。
    きゅんとくるところもあり、ほほえましい。
    女性らしい作品だと思う。

    ☆タカチアカネの巧みなる小細工
    一番ラノベっぽかったお話。
    主人公の男の子がまさしく「元気な男の子」で友だちも多く、物怖じしない性格なので、追っていて気持ち良い。
    後半、予想していない方角へ向かって驚いたが、暗くなりすぎず、良い終わり方だった。

    ☆サブレ
    女性ならではの視点が光っていた。
    女の子はちょっと冷めているところもあるけれど、その理由や思想が丁寧に描かれているので分かりやすく、共感できた。
    ベランダタイムの終了をカラカラカラ、パタン。という音で表現しているのが、寂しさや物足りなさ、次へ向かう気持ちなどを表しているようで好きだった。
    扉絵のイメージもぴったり。この終わり方も気に入っている。
    汚いものも綺麗なものも、きちんと描かれている作品だった。

  • 『サブレ』の心理描写、人間関係の描き方が絶妙。
    著者はあたたかくて少し切ない話を書くのが上手なひとだなと思う。
    読後感が良くて、とても好きなお話。

  • この人が書く話、好き。
    理由はわかんないけど、なぜか好き。
    今回もよかった。

  • 少年少女が主人公のサワヤカな短編集。

    主人公が少年のものもあるけど物語としては
    どれも「少女」についての出来事・成長を
    主眼にしているので、タイトルには偽りなしか?


    全体として、シンプルな味わい。
    それぞれの人々の日常におけるワンシーンを
    切り取って差し出されたような感じ。

    主人公や登場人物たちが印象に残るだけに
    この子達のこれからとか他の話も聞かせてよ!
    ってな心境。

    特に「Run! Girl, Run!」は、物語の導入だけを
    読んだような気分に陥ってしまった。
    この先の物語カモン!


    それにしても、「サブレ」は良い話だなぁ・・・。
    でもなんか読んだ事ある気がするんだよなぁ。
    デジャブ?もやっとする。

  • 本屋で見つけて
    由良くんの名前も見つけて
    思わず買ってしまったよ

  • 15~16の女子高生をメインにした短編4篇。
    「scratches」「Run!Girl,Run!」「タカチアカネの巧みなる小細工」「サブレ」

    普通に学生生活を送っていた高2の由良君、吉野彼方が出てきて切ない…
    「サブレ」が一番好き。続編が読みたい。プシュケ~といい、柴村さんの書く読後のなんとも言えない切なさが好き。

  • 2019/05/24読了。
    高校生くらいの女子が主人公の4つの短編集。
    最後の「サブレ」が一番面白かった、かな。後は、もう一息って感じだった。

  • 4つの作品が収録されています。どれも素晴らしい完成度ですが、個人的に下記の2作品がとても好き。


    「scratches」一話目
    誰もが羨む美少女に片想いした殻に閉じこもりがちな男子高校生がある日その想い人から声を掛けられ、2人で学校をサボる。

    妄想し過ぎだろ!リアリティなさ過ぎだろ!

    と思いながら読み進めていくと、彼女は事前に自分の事を好んでいる噂を知った上での行動だったことが分かる。彼女には別に好きな人がいて...この構図を知った瞬間、一気にこの作品が好きになった。


    「タカチアカネの巧みなる小細工」 三話目
    バイト好きな男子高校生が、見知らぬ女生徒からハンドメイドのマスコット人形を突然託され、学内で売りさばた額の半額が受け取れる。

    バイト好きの彼はコツを掴み、どんどん売り上げをあげていったある日、連絡が取れなくなる。

    この作品も思わずアッと驚くオチに感動した。 たったの48ページなのに心を摑まされた。

    久しぶりにいい作家に出会えました!
    「ヨシッ、この作家追いかけよう!」と思ったら、2015年4月を最後に新作の発表が・・・辛

  • 「scratches」
    振った者と振られた者で遠出した先は。
    失恋した直後に振った相手と出かけるなんて体験は、なかなか無いだろうな…。
    それにしても、由良先輩のブレなさは見ていてなんだか安心する。

    「Run! Girl , Run!」
    人見知りで口下手な彼女の想い。
    彼女の言動や思考全てが自分に当てはまり、なんだかドキッとさせられた。
    彼の言う通り、変わるためには動いてみなければ何も始まらないんだよな。

    「タカチアカネの巧みなる小細工」
    手作りの人形を学校で販売する理由。
    この男の子は中々販売の才能があるのではと思った反面、もしこの嘘がバレた時この子はどのように対応するのだろうとも思った。

    「サブレ」
    ベランダ越しに出会った彼は。
    周りに合わせている事を、上手く擬態していると表現したのは中々に的を得ているなと思った。
    普段の生活では擬態して生きているからこそ、何所か息抜きの出来る場所が必要になるんだろうな。
    それにしても、この二人の物語はもっともっと長く読んでいたく感じた。

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著者プロフィール

第10回電撃ゲーム小説大賞金賞を受賞し、受賞作の『我が家のお稲荷さま。』(電撃文庫)でデビュー。本作はシリーズとなりアニメ化される。主な著書として『プシュケの涙』シリーズ(講談社文庫)、『おーい!キソ会長』シリーズ(徳間文庫)、『オコノギくんは人魚ですので』シリーズ(メディアワークス文庫)、講談社BOX『夜宵』シリーズ、などがある。

「2020年 『虫籠のカガステル 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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