空をサカナが泳ぐ頃 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 431
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048702836

作品紹介・あらすじ

出版社で多忙な毎日を送る中津藍。そんな彼が、煙草を吸いながら空を見上げると、一匹の魚が泳いでいた。目をこすっても魚は消えることなく優雅にヒレを揺らして通り過ぎていく。オフィスを街を家の中を悠々と泳ぐ魚たち。この鬱陶しい現象はなに?藍は魚を消す方法を探し始めるが、魚は増える一方で、しかも視界を埋め尽くすときに訪れる運命を聞かされ…。さまざまな想いを交差させ、ちょっと変な仲間たちが繰り広げる、未来を賭けた大騒動。第17回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 内容もなかなかおもしろかったけど、あとがきがとても面白かった。

  • 職場環境に不満を持つ、斜に構えた感じの主人公が怪しげな煙草を吸ったせいで空に魚が見えるようになってしまう話。働き始めて数年目、なんとなく仕事にも私生活にも先の希望が持てない空虚さを抱えた主人公の心情は……残念ながらちょっと共感できるところもあって泣けた。個性的な魚が見えるようになってしまった仲間たちと接するうちに主人公に訪れる変化も泣けました。読むタイミングもあったんだろうけど、やたら涙腺を刺激されたお話です。

    お話の仕掛けを知ってしまうと見たい、というのは危険な気もするけど、それでも空に泳ぐ魚はちょっと見てみたいな。綺麗な光景なんだろうな、と思いました。

  • ものの見方、か。
    同じ出来事も人によって見え方が違う。
    ひとつの出来事も人によって感じ方が違う。
    ポジティブにもネガティブにもなる。
    でも、それが分かってても、自分の見え方、感じ方を変えるのは難しいし、怖い。
    抵抗感がある。
    ひとりじゃ難しい時もある。
    誰かに言われても上手く受け入れられない時もある。
    ただ、その見方を共有できたり、違うことを感じられたりする人が身近にいるのは大事なんだろう。
    ひとりきりだと、自分の世界しか見えないから。
    それが全てになっちゃうから。
    でも、パワハラはパワハラだよね。見方云々じゃなくてさ。

  • 2019/03/29読了。
    それほど出来の良い小説とも思わないし、テーマ?も月並みだけど、不覚にもちょっとぐっと来た。
    やりたければやっちぇばいいじゃん。って言われてグサッと来たっけ。

  • 主人公がサカナが見えるようになってから見えなくなるまでの話。

    作者買いです。
    どうやらデビュー作のようですね。

    はじめはなんだこの主人公と読み始めたのですが、読むうちにどんどん引き込まれ、一気に読んでしまった。

    ただ、読むうちにオチというか、どうすればサカナが見えなくなってしまうのが何となくわかってしまい残念、というほどではないか。
    謎解きならば残念なのだけど、そこを読ませるお話じゃないし。

    主人公の周りが微妙なのはおそらく主人公というフィルターを通しているせい。
    おそらく会社はそこまで悪い環境じゃない。
    主人公が変わったからこそ、良いものに変えていくことができた。

    世の中考え方次第ということか。
    アンラッキー大王にはなりたくないけど!

  • ある煙草を吸ったことがきっかけに、空を泳ぐ魚を見るようになった主人公。
    魚を見なくてすむように方法を探しながら、仲間が増え、自分の姿を見つめなおしていくことで主人公も仲間も変わっていく話。
    空をサカナが泳ぐ姿はちょっと見てみたいかも。
    すごく幻想的で素敵だろう。
    やっぱり人が変わるのは誰かがいてくれるってことが大切なんだと思う。

  • 神様のご用人を読んで、浅葉なつさんの本を
    読んでみようと思った。
    この本では
    人はそれぞれに大小に関わらず悩みがある。
    その悩みと如何に上手く付き合うか、そして
    それをどの様に乗り越えるかが描かれている。
    うん、青臭いかも知れないけど、青臭くても
    前に向かっていく姿は、親父の私も見習い
    たい。期待通りの良い本だった!

  • 前半から中盤にかけてはタバコを吸ったことで空に魚が見えるようになってしまった主人公が同じ境遇の仲間とともに元に戻る方法を探す内容で山崎との掛け合いが楽しめた。
    しかし、後半の展開がとても共感できた。魚を見えなくするためにはどうすればよいのか。他の人が魚が見えなくなるようになって一人焦燥感に駆られる主人公の心理描写は印象に残った。
    主人公の心のあり方が変わってからの気持ちの変化は必見。

  • 冴えない編集者がけったいなタバコを吸って魚が見えるようになった話。
    いわゆる、青春自分探し。

  • 読了感、悪くないです。
    テンポもいい。
    ちょっと軽すぎか?
    これも悩まず、サクサク行くお話しです♪

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著者プロフィール

第17回電撃小説大賞で<メディアワークス文庫賞>を受賞。「空をサカナが泳ぐ頃」でデビュー。

「2023年 『神様の御用人 継いでゆく者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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