- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048704731
作品紹介・あらすじ
「小説の書き方を教えていただけませんでしょうか。私は、この世で一番面白い小説のアイデアを閃いてしまったのです-」。駆け出しの作家・物実のもとに初めて来たファンレター。それは小説執筆指南の依頼だった。出向いた喫茶店にいたのは、世間知らずでどこかズレている女性・紫。先のファンレター以外全く文章を書いたことがないという紫に、物実は「小説の書き方」を指導していくが-。野崎まどが放つ渾身のミステリー・ノベル改め「ノベル・ミステリー」登場。
感想・レビュー・書評
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レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。
大学を卒業して、アルバイトをしながら小説を書いている、小説家の物見のところに紫依代という女性から、ファンレターが届きます。
初めてのファンレターに物見がメールを返信すると、「小説の書き方を教えていただけないでしょうか」とメールの返信がきます。
会ってみると、紫依代は明裏大学文学部の2年生でたいそう可愛い女性でした。
紫依代は「物見の小説はキャラクターがよい」といい、物見から「小説を学びたい」と言います。
そして「この世で一番面白い小説のアイデアがある」と言い放ちます。
物見は、小説の個別指導という聞くからに詐欺っぽいアルバイトを始めます。週に1度下北沢の喫茶店で、小説を教え始める物見ですが。紫さんは今までに五万冊の本を読んでいるというのに驚きます。
週に1度、2カ月の講義を続けていくうちに物見は可愛い紫さんにちょっとした下心も持ちますが。
紫さんは物見の誘いには一度ものらず、すぐに帰ってしまいます。
何度も出てくるフレーズの”この世で一番面白い小説”とは一体何なのか興味津々で読みました。
ストーリーの展開はこの作品がSFであるらしいことを視野に入れて読めば最初からヒントはたくさん隠されていたと気づいたと思います。
”この世で一番面白い小説”を生むために必要なもの。
”小説を読むこと”と”小説を書くこと”
きっと世界を変えてしまうポイント。
ターニングポイント。
この世界とその小説の前と後の二つに分けてしまうような、読んだらもう二度と前の世界に戻れなくなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なにげにさらっとメディアワークス文庫にはそぐわない(失礼)ようなSF要素をどんとつっこんできたな。さすがは野崎まどというところ。SFだって言っちゃったらネタバレしたようなもんだけど、野崎まどなんだからそのくらいでおもしろさが減じられることはない(というより、むしろ身構えないで読むだけ楽かもというレベル)でしょう。
思えば、こういうネタを繰り出すための思考をやってるとknowとか書いちゃうようになるんだろうなとか。
えー?SF?という人たちも居るだろうけれど、とはいえ、手がかり、仄めかしはいくらでも散らばってるので、そういう謎解きだと思って読んでいればミステリにならないでもないし、基本的にはラブコメ未満的な、ラノベに良くある場面展開。にやにや笑ってればいいのです。ラスト付近、よく考えるとちょっと怖い気もするけれど、きっと大丈夫ですよ。野崎まどだし(ちっとも大丈夫じゃないな)。 -
星3.5くらい。
西尾維新っぽい感じの天才ばかり出てくる
キャラクター小説に淫した感じがあって
それなりの面白さはあったけど、
個人的には評価は低め。 -
野崎まど時系列リーディング中。「[映] アムリタ 」の次に面白い。この本のテーマである”世界で一番面白い小説”があったとしても、それは誰にも語れないのと同様に、この本の面白さをネタバレなしに伝えることは私の技量では不可能だ(笑) 実は、作者と同じようなことを発想したことがある、というか同じテーマの作品を昔読んだような気がするが思い出せない。批評家的なコメントをすると、他の方が指摘するように、前半にもう少し伏線がほしいところか。Ruby 愛好家としては、メタ○○○○な話は大好物。
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「女の子に小説の書き方を教えていく話」というので、ラブコメとか普通の青春ものとか、そのあたりを予想していたけれど、読んでみると若干SFなミステリーという印象。
文章も読みやすく、話も面白いから、読後の余韻も含め全体的には好きなんだけど、『陽だまりの彼女』とか『ラブ・ケミストリー』とか読んだ後だったからか、7割くらい結末が読めてしまってちょっと残念だった。
ところで、付白さんと紫さんが時を同じくして「この世で一番面白い小説」という概念を持ち出してきたのは単なる偶然か、それとも何かしらの関連性があるのか? -
作中で「読者の予想を外すことで~」とあり、自己言及的な指摘かと思いつつ読んだ。結果、今作は確かに「人格上書き」要素がなく今までの”お約束”を外れてはいるし、なんだったら準恋愛的関係も維持されたまま終わるが、しかしそれを逆手に取った展開もなく、そもそも主人公による恋愛関係に対する願望の言及もあまりないので、結局自己言及的だったのかはよくわからないまま終わった。「この世で一番面白い小説」についても『〔映〕アムリタ』以上の掘り下げがなく、読んでいて退屈ではないけど、面白いかといわれるとよくわからない話だった。
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2011年刊行。前3作と比べると、どんどん読みやすくなっている。それとも僕自身が慣れただけか。著者自身の職業を扱っているので、語られる一つ一つに力がこもっているように感じる。
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ラノベ作家に、この世で一番面白い本のアイデアがあるから小説の書き方を教えてくれというファンレターが届くお話
ここで言う「この世で一番面白い本」とは今出版されている中で一番というものではなく概念的なものらしい
物語の途中まではのほほんとしたいかにもラノベ的展開なんだけど、最後のあたりでぞっとする瞬間があった
シンギュラリティもそう遠くない気がする
この世で一番面白い小説を書くためには10万冊読んで1万冊書くといいらしい
1万冊書くのはもう無理として、5万冊読むのも無理かな
ちなみに僕が今まで読んだ本を記録に残している分だけで約1000冊
記録していない分は期間でいうと20代のころなので単純計算で1000冊
これからも年間100冊程度読んでいくとして定年までで合計4000冊
ってか、5000冊すら無理じゃね?
マンガを含めたとしても2万を超える程度で、5万にすら届かなくね?
そう考えると、世の中の物語の数って半端ねぇなぁって思う
著者プロフィール
野崎まどの作品





